タイパで上手に新生活を迎えるZ世代 楽天市場2024 新生活トレンド予測
そろそろ新生活である。当然、大学入学や社会人となり、一人暮らしを始めるシーズンでもあるから、商品を新たに購入する時期でもある。最近は、それをネットで購入することも少なくなくて、だから、今回、楽天市場は、新生活におけるトレンド予測を行った。つまり、実際の「楽天市場」のデータを元に、今年、売れそうな新生活用品を考えていこうというわけである。
その意味では、下記の4つの点で言及がありました。なるほど、今の時代っぽいなあ。
- ・令和タイパ商品
- ・インフレ対抗消費
- ・インテリアAR機能
- ・防災グッズ点検
新生活という言葉に抱くイメージ?
この日、説明に立ったのは、マーケティング部の小野 詩織さん。どうやら、自身もその新生活はネット通販で揃えたとか。
さて、早速、それでは数字を見ていこう。全体を通して、印象的なキーワードは、「タイパ」である。
実は「タイパ」に関連した家電商品は、流通総額で、約2.3倍になっている。なるほどね。新生活を迎える世代は特に若年層が中心。実はその購入の経緯で、今の時代を反映しやすいわけだ。ちなみに「タイパ」とは「費やした時間と、それによって得られた効果や満足度の対比」のことである。
異なるタイパへの意識
楽天超ミニバイトが10代から40代の男女1000人を対象とした「今年の新生活に関するアンケート調査」を行っていて、そこでも顕著。Z世代の回答者のうち、約7割が「タイパ」を意識して、行動していると解答したのだ。それも、30代〜40代では4割しかないのに。
タイパを意識するシーンはどこか。もう少し深掘りして、そう尋ねると「移動中」「隙間時間」「家事」となった。家の時間も、重要なのだ。それだけに、新生活にはねいされる。使った時間に対して、最大限の効果を得たいと考えるから、家具の選定にも変化が見られる。
よくよく見ると、最近、「楽天市場」でもその傾向は見られる。例えば、掃き掃除や拭き掃除を自動で行う「ロボット掃除機」「オーブンレンジ」「食器洗い乾燥機」などの需要が高まっている。その売上が、2019年対比で、2.3倍にも膨れ上がっている。これらは、実務的な役目を果たしつつも、自分の負担を軽減している。つまり、タイパ需要にまつわる家電となる。
というわけで、「令和タイパ消費」ということになり、下記に挙げてみた。注目なのは、「超小型食洗機」、「超小型衣類乾燥機」。(写真:サンコーレアモノショップ ラクアミニ/バカ売れ研究所オンラインショップ エスティロPROミニ乾燥機)。
外出機会の増加に伴う「タイパ消費」が注目か
当然、新生活に準じて、購入するのはそれだけではない。新しい部屋で、次に必要とされる周辺インテリアも大事。それでいうと、外出に絡む需要。というのも、コロナ禍も落ち着き、外出の機会が増えるからだ。
では、外出機会の増加に伴って、タイパ需要に基づき、売れる商品とは何か。
これまでなかった動きとして売れそうだと予測したのは「スマートリモコン」。なるほど。
家の電気を外出先からスマホアプリで操作できる機器である。外にいながら、家の温度調節に始まり、照明に至るまで家電を操作できる。だから、家での生活を帰ってすぐに始められ、“スタートダッシュ”できる。
また、決まった時間に電気がつくことで、防犯対策となる利点もある。売上で見ると、約2倍(2023年/2022年比較)。この点は、単身の女性がオートロックの建物を選ぶ感覚なのかもしれない。
さらには、衣装を部屋にかけておくにも、タイパなのである。え?タイパ?実は、ハンガー型の乾燥機が売れている。乾燥機がついているので、やっぱりタイパ。これも、約2倍(2023年/2022年比較)の伸びを見せている。新生活に関連して、これらが伸びる可能性は高いと予測するわけだ。
新しく生まれる社会生活の日常も変容
そして、生活において切っても切れないのが食事である。タイパという意味では、オーブンレンジで手軽に調理ができる「冷凍食品」も昨今、伸びている。その流通総額は約4.9倍(2023年/2019年比較)となっていて、これも新生活を迎える人たちにとっての新定番になりそうである。
余談だが、冷凍食品が急激に、増えていることに、不思議に感じた僕は試食をしてみた。だが、その味を堪能して、納得した。極めてレベルが高く、健康的である。
例えば、こちらは「創作菓子いとうや(楽天市場店)」の玄米のおにぎり。お菓子屋がつくる冷凍おにぎりで、一個一個、手作りで作ったものなのである。それがレンジで温めるだけで、再現されていく。しかも、「玄米」という要素が、当然に、冷凍に取り入れられているところも見逃せない。冷凍食品の幅が広がって、あらゆるニーズに応えられるようになった。そのことが、冷凍食品の流通を伸ばしていると痛感した次第だ。
だから、パンもある。「玄米ペーストパン工房やまびこの郷」の手がけた、玄米パンも冷凍食品。カレーやあんなどが入って、齧るとその味が口に広がるが、焼きたてのフカフカ具合が再現されている。そこに加えて、消費者側の工夫にも、タイパ意識は芽生える。
「なるほど」と感心したのが、鮪のたたき。鮪そのものも冷凍食品とは思えぬ美味しさ。だが、ここでは、海苔巻きで提案。鮪と海苔とご飯さえあれば、誰でも簡単に作れてしまう。だから、タイパ食材であり、ママさんのお助けアイテムでもある。そのことを会場内で明かされ、唸った。ママの意識もタイパなのだ。
節約すべきことは徹底する
思うに、ECという手段が普及したから、技術が進歩して、成長したという部分もあるだろう。そこに加えて、ネット通販を当たり前に使いこなす、Z世代。その動向を鑑みれば、新生活を始める人が増えるほど、冷凍食品は広がる、そう考えられて然るべきだ。
それ以外で言えば、「インフレ対抗消費」。
時代の変化なだと感じたのは、新生活に関しても、リユース商品の需要が増加しそうだということ。年単位で見ても、洗濯機や冷蔵庫など、新生活に該当しそうな商材で、リユースの割合が増加中。その数字にして、1.3倍(2023年/2019年比較)。
あわせて、アウトレット関連商品も流通総額に増加傾向が見られる。年単位でのアウトレット商品の流通額で、1.2倍(2023年/2019年)。節約すべきは節約する。当然ながら、新生活の需要の中で、今までよりは存在感を示すのは明白だ。
ネットの増加とともに購入シーンも変容か
これら家電のネットでの需要に関連して、楽天が推すのが「AR機能」。
ただ、正直、僕からすれば消費者次第かなと思っている。UI、UXを鑑みながら、本当に便利だと思えるレベルなのか。実際、やってみてクオリティが高く、家具のサイズ感は、伝わる。
写真の椅子は、現実には存在しない。けれど、あるかのように表示されるのは、ARのおかげ。
それ自体が、購入時の最大の関心事。だから、需要もあると思うが、結局、現地で確認したほうが早い、という声もありそうな気もしている。それこそ、タイパと言えるだけの機能だと、消費者が感じるか。そこにかかっていると思うわけである。
最後に、自分もそうだが、新生活を送るときに、持たされるのが「防災グッズ」である。
昨今、能登半島の地震をはじめ、災害に対する備えが重要になっている以上、需要は増加しそうに思う。下の写真は「テーマで文具 楽天市場店」の災害常備ポーチである。
新生活と聞くと、同じものがずっと固定され、消費している印象も強い。
けれど、その購入されるものは、やっぱり人の気持ちと寄り添っている。それはこのタイパにせよ、節約傾向にせよ、よくわかるだろう。
タイパという言葉に象徴されるように、時間を効率的に使いこなせるものに、お金を使う。一方、極力、時間を有意義に過ごすとともに、無駄な消費は生み出さない。株価はあがれど、消費者の財布の紐は硬く、それは新生活でも例外ではないのである。
今日はこの辺で。