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「楽天うまいもの大会 2023」ライバルであり師匠である店舗と共に歩み お客様と心通わす

 切磋琢磨の中にも温もりがある。本来、ライバルである隣のお店も、一緒になって売り方を指南して高めあう。だからこそ、それは大きな力となってお客様の心を動かし、活気に満ち溢れる。これが「楽天 うまいもの大会」の真骨頂。今年も、JR名古屋タカシマヤで開催され今回は10回目を数えて、特別な意味を持つ。継続する理由と集まる店舗の息吹を感じて欲しい。

【第一章】長く続くその理由と粘り強さ

・お客様と心を育む場所

 「これ、見てください!」『たらこのみなと』木村朱見さんが指し示す先には豊橋などのお土産がある。「実は、これ、お客様が各々、私達へと持ってきたものです」と。へぇ。売るだけではなく、気持ちを通わせ、心を育んでいるからこそのことである。

 『たらこのみなと』はその名の通り、たらこを売っているが、僕が注目したのは「石巻・金華シリーズ」。素敵なのは、石巻の力を結集していて、地元の企業10社が一つになっていること。その10社を「バーチャル共同工場」に見立てて、それぞれの持っているものを持ち込んで、一緒に商品開発をする取り組みなのだ。

 「みなと」であれば、たらこや明太子。その他にも、ほたてが得意な会社など様々。本来であれば、ライバル同士なのだが、それぞれの持ち味を活かして、強みを発揮できる工場に持ち込んで、作っていくのである。

 このシリーズ累計150万食突破したとか。この「うまいもの大会」ではそれらを全て持ってきており、石巻の集大成をここに披露しているというわけである。この写真を見て貰えばわかるが、購入して食べると、規格外だとわかる。ホタテが丸ごと入って、その風味が閉じ込められている。元のお茶漬けの味も調和しながら味の重厚感はたっぷり。

・三位一体で織りなす力が10回続いた秘訣

 ちなみに『たらこのみなと』は「うまいもの大会」第1回から参加しており、このイベントが長く続く理由について聞いたら「三位一体」という言葉が出てきた。店舗、JR名古屋タカシマヤ、楽天の三社である。思えば、始まった当初は10年以上前。正直、ネット通販に対して抵抗感を持つ人は少なくなかった。僕が察するに、ネット企業に対して、上から目線で物をいう商業施設もあったのではないか。

 でも同店の木村朱見さんは、JR名古屋タカシマヤは違っていたと。仲間だと語り、こことの取り組みは長く続くだろうと直感する。何が違っていたのか。

 最初は、誰もが不慣れであった。『たらこのみなと』は製造メーカーなので、売上を立てるべく、多くの商品を持ち込んだ。だが、ここで問題が起こる。裏側のスペースが不十分で、冷凍食品などが山積みになってしまい、納品できなかったり、売り場で欠品してしまう事態が起こってしまったのである。

 一言で言えば、コミュニケーションロスによるもの。だが、JR名古屋タカシマヤは、終礼で「今回は、皆さんの大事な商品をこのような形で機会損失を招いてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」と言って、頭を下げたとか。

 木村さんはその時、思った。「この人たちなら、やっていける。私たちと目線を合わせて、一緒に売ろうとしてくれているから」と。災い転じて福となす。逆に、これを機に、気合が入ったそうだ。

・震災に嘆く彼らを救ったのも「うまいもの大会」

 また、長年、やっていれば色々ある。『たらこのみなと』は、地元の宮城が東日本大震災によって被災。倉庫が流されてしまった際、敢えて「うまいもの大会」に出ましょうと発破をかけたのは楽天だった。

 「商品なんてないよ」。そう嘆く彼ら。でも、不思議とそこに向けて、行動をしていくうち、顔つきが変わる。なんとか乗り切ろう!そう声を掛け合い、皆で鼓舞するようになったのだ。楽天が私たちに言いたかったのはこれかと。気持ちに負けずに、進むこと。その意義を教えてくれたのがこのイベントだったと語るわけだ。

 なるほど。ぬくもりこそがこの「うまいもの大会」のイズム。だから、最初のお客様の話に戻る。それをお客様も感じ取るから、毎年、足を運ぶようになるわけだ。

 そして、お客様目線に立てば、もう一つ。ネットを起源に持つ会社は、多種多様な変遷を経て、今に至っていることが多く、実に個性的。そこには色々な店舗のドラマがあるから、その部分にも惹かれる要素はある。

・100年の老舗、令和の時代も燦然と輝く

 例えば、長きにわたり、愛され続けた店舗の新しいチャレンジ。まずは、せんべいの会社『味煎餅本舗 井之廣』についてで、歴史は古く創業115年!!

 起源はどこにあるのだろう。元々、京都では五重塔が建てられるなど、中心地。そんな話が飛び出す。だからこそ、彼らの地元、飛騨までそういう人たちがやってきて文化を伝えた。そして、お菓子もその一つで京都の和菓子職人から教わったとか。100年乗り越えて、生き残ったのが味噌煎餅である。

 話してくれたのは婿養子であり、井之丸隆童さん。結婚するときから「継ぐ」ことが運命付けられていたが、当時、二十歳。若さゆえ、ことの重大さを、深く考えていなかったのが、逆に今思えば良かったと笑う。

 ただ、正直、ECで煎餅が売れるとは思わなかった。なぜなら、元々地元の人向けの商品だったわけで、地域外に出したところで、売れるのかと。しかし、そうではない事に気づかせてくれたのは催事の存在である。

・過去のお家芸がデジタルで活きる

 催事で各地を回って、商品を販売していると、「これ、近くで買えないの?」そういう声がよく聞かれるようになった。つまり、そこで、欲しいものをすぐに手に入れる手段として、ネット通販の活用を着想するのである。

 とはいえ、名だたる煎餅屋が存在する中で、街の煎餅屋が、どう存在感を出していくのか。いろいろ悩んだというが、そこでの結論は実に深い。デジタルでモノを売る時代において、彼らの真価が発揮されたのは、100年を越えるアナログな「煎餅に対しての姿勢」だったのだ。

 大きな菓子屋はまとまった数、効率よく作り出すことはできる。「『味煎餅本舗 井之廣』はそうではないからこそ、出せる品質があります」と井之丸さん。つまり、一品一品、職人が手間暇をかけて作り出していくからこそ、お客様のニーズを細かに反映して、彼らにしか出せない味わいを醸し出す。そこが差別化となったわけである。

・職人技が今に追いつく

 その最たるものは、ラテアートのような表面をした煎餅である。

 結果的に、これらは、オーソドックスな煎餅に徹していた時代にすら、手が届かなかった若い層にも反響を得ることになる。それをフックに、地元の学生と商品開発でも連携。そこに地元の魅力を添え、大きな付加価値へと変えて、もうその頃には、ネットに十分、舵を切ることができていたのだ。

 だから、活況に湧く彼らの元に「うまいもの大会」から話が舞い込む。もはや煎餅だけではなく、地元を背負って、この売り場に立つようになったわけである。100年以上の歴史を築き上げてきた真髄を、デジタルが発掘させ、未来に繋がる一手を生み出し、これまでとは違った形で、リアルに名を轟かせている。

・地元のお堂の名前にちなんで「八天堂」

 地元を思う気持ち。それは何気なく、僕らがリアルの至るところで見かける「八天堂」にしてもそうである。クリームパンでお馴染みだろう。かといって、「単純に集客が見込めるイベント」だから顔を出しているのではない。この場に来ているのも正真正銘、ECの担当者で、こちらが中山陽芽さん。

 カジュアルなイメージとは裏腹に、歴史は古い。昭和8年、世界の大恐慌の影響を受けて暮らしが苦しくなっていく中、和菓子を通して、元気付ける想いで立ち上げた。そう聞いて驚いた。

 そして、発祥の地である広島県三原市には「八天堂」という名のお堂があった。まさに店舗名はここから取ったものである。地元に愛されるそのお堂の存在を見て、創業者は思う。自らの和菓子もそうやって、地元から愛されるものになるようにと。関係者に声をかけたところ、屋号にすることを快諾。お堂の人の優しさと、店の切なる願いに愛を感じる。

 いまやそれが、地元どころではなく、リアルで全国に知れ渡るほどになった。

・ネットの担当者だからやりたいこと。

 思えば、そういうストーリーを添えて、表現できるのがネット通販の利点。それを重んじながら、リアル店では販売されていない「ふるさとくりーむパン」などを陳列して臨む。

 地元を愛する気持ちは、地方へのリスペクトに置き換える。青森なら「りんご」。瀬戸内なら「はっさく」そんな具合に、自らの商品力をそこに重ねあわせた。それが、今触れた「ふるさとくりーむパン」。それらの素材が口の中で広がることで、その地方の価値を噛み締める。ネットはネットで自らできることの誇りを持って、リアルの現場で対話を通して心を通わせている。

 企業の姿勢がチラリ見える。そして、僕は中山さんの名刺の裏側に書かれる言葉を見て「やっぱり」と思った。「私たちの仕事は誰かが誰かを思う「優しさ」のお手伝い。」。気持ちを通わせるために商品はあるのだ。

・意外性に満ちた菓子を使った通販への挑戦

 ある意味、ネットはコストを抑えて、事業の運営ができる。だから、その商品提案が意外性に満ち溢れていることがしばしばある。その意味では「Patico」はまさにそれに該当するだろう。

 ここは、関西で3つの結婚式場を運営している、50年の歴史を持つブライダル企業なのだ。

 え?なぜ、通販?そう思うだろう?

 販売するのは、チーズケーキサンド。これがまた奥が深くて、ポイントはこの会社がずっと全ての業務を内政化させてきたことにある。

 つまり、結婚式に関連するすべてを自前でやることで、そのおもてなしの質を高めてきた。しかも、彼らはその戦略として、実はネットを有効活用してきた。つまり、結婚式場としてのアピールをデジタルの側面で徹底させて、成長させてきたのである。

 要するに、ポテンシャルはあったのだ。ただ、コロナ禍となり、結婚式の需要が急激に減少した際に、自分たちのリソースを見直した。そして、その活用の仕方を変えて、取り組んだのがネット通販であった。なかでも、彼らが着目したのはパティシエが作るお菓子だったのだ。

 大事なのは、自前であること。製造から販売、ラストワンマイルまで一気通貫で把握でき、顧客満足度と近いところにいて、迅速に必要な数量を作ることができる。だから、マーケティングに連動して、運営の生産性も、高い。

・事業は違えど、ポテンシャルは存在していた

 そして、結婚式場の集客に絡んで、マーケティングを得意とする社員の才能は「楽天市場」での販売促進で発揮された。初月こそ70万円程度だったが、その後「スーパーSALE」で1000万円、売り上げて、ピンチをチャンスに変えたのである。

 お菓子には「美味しい」「かわいい」「体にいい」という三つの幸せ軸がある。それはブライダルらしい真心と優しさを備えている。例えば、「体にいい」の軸がそうだが、クッキーなどには米粉を使って、食べる人の気持ちを思って作っているのがわかる。

 中でも、僕は目に止まったのが「かわいさ」。「チーズケーキサンド」は商品のイラストのタッチが優しい。多くの作家の絵を見たから思うけど、描き手によりカラーは変わる。写真の通り、サンドの上が顔になっている。タカシマヤの手提げ袋にかけて、バラのフォルムの商品もあった。

 絵も商品も、主張が強すぎず、相手を引き立てるところに「らしさ」がある。

 購入して食べたが、挟んであるチョコやカボチャなど、いずれもボリュームがあって濃厚。味で惜しみなく、自分たちの良さを全面に打ち出した。

 「今までは関西地区を中心に催事をしてきました。初の東海エリアで規模感も大きい。その関西を飛び出し、ネットで得た自信を胸に、全国へ」と意気込む。彼女もまた、志を持って、この売り場に立っているのだ。

【第二章】様々な理由からの参入と店舗同士の絆

・本当の意味での無添加を追い求めて

 今回、特に心を打たれたのは店舗同士の絆に関してである。取り上げたいのは『高級だしmizunoto』という初登場のお店である。そして、この裏側には実は、このイベント常連の『ちこり村』との深い縁が寄与している。

 まず『高級だしmizunoto』について。開口一番、売り場で「健康が一番なんです」。そう語り出したのは、この事業の責任者、みーばさん。ご自身の息子がアトピーであることから、同じ悩みを抱える人のためにと、完全無添加の商品を着想したのがこの店である。

 なぜ調味料なのか。それは夫の会社が沼津港の近くにあり、出汁の原料を作る環境が整っていたからだ。夫の会社は80年、原料を作り続けている。だから、それを活かして、商品を作ろうと立ち上がることになる。

 ところが、ある程度、それらの商品は「楽天市場」で売れてはいたけれど、低空飛行を続けることとなる。そこで、教えあう学びの場「Nations」の門をたたいた。そこで、出会ったのが、ちこり村の長瀬好晴さんなのである。(第二章・冒頭写真・左)

 何を教えたのでしょうか?そんな僕の問いへの答えには、テクニック的な要素はなく、経営哲学に始まり、商品の見せ方など、本質的な話。

・真心こもった「ちこり村」の指導

 「食を通じて、健康であり続けたい人を応援する」。ちこり村で言えば、そういう理念があって、同じく添加物は使わない。「昨今、寿命は長くなったけど、健康寿命が短くなっています。生きていても辛い、苦しいという人が一人でも減ることを念頭に、商品を販売している。」と長瀬さん。

 ほら、この通り。黒い真珠と命名した『ちこり村』のニンニクは、健康を配慮して独自の製法で作り上げたものである。

 つまり、考え方は近い。だから『ちこり村』での知見をもとに、長瀬さんなりに「高級だしmizunoto」のサイトをくまなく見た。そして、長瀬さんも、今だから言えるけど、こう語る。「商品の素材もいいのに、なんてお粗末な画像(苦笑)なのだろう」と。

 例えば、みーばさんのこだわりは尋常ではなく、丁寧に石臼で手間暇かけて、本当に無添加でやっている。「なのに!」と長瀬さん。いざ、サイトを見ると、小さく書かれていて、目に入らない。考え方を起点に、商品とその見せ方に至る助言をすることから始めたわけだ。

・長い時間をかけて煮込むようにじっくりと教える

 とはいえ、答えをすぐいうのではない。ヒントを与えながら、自分で考えてもらうようにした。その瞬間だけ伸なすなら、それもいいだろう。でも、長く売れることが大事と長瀬さん。じっくり出汁で鍋を煮込むように教え込む。

 「あまりの作業に泣いちゃって」。そうみーばさんが語れば、長瀬さんは自ら信頼するクライアントを紹介した。商品に対しての信念は近いから、売れるべきだと考え、彼は、具現化できる環境すら“プロデュース”したのである。ゆえに「高級だしmizunoto」は「ちこり村」から教えを乞い、その後、伸び続けた。約1年半程度で、結果、もとの7倍もの数字を叩き出すことになったのである。

 「本当に長瀬さんに会えて、私は感激」そう語るみーばさん。ん?待てよ、初対面?そう。ずっとオンライン対話。そうか。だから、この瞬間こそ、リアルできちんと話せた最初の機会だった。感謝の気持ちを確認し合う場としての「うまいもの大会」だったのである。

・継続する「おいもや」と「良平堂」の絆 

 絆は商品をも創作する。「薫ちゃん、コラボやろうよ」「うんそうだね」。僕が企画した懇親会で僕は二人の店長の第一声を目の当たりにしていた。

 それは「おいもや」関谷 夕佳さんと「良平堂」近藤 薫さんの名コンビ。それで出来上がった商品を感慨深く、見ていたのももう一年前。もはや毎年、恒例になっていくものと思われる。

 今年はこちらだ。

 「焼き芋あん」の大福を入れた、栗きんとんモンブラン。昨年は羊羹などが展開され、和のテイストのイメージが強かったが、スイーツとしての色彩が増して、和洋折衷、コラボの中身も、進化している。

 特に、関谷さんは第一回目からこのイベントに出している。盛り上げるために、時に、近藤さんとメディアを行脚するほどの思い入れ。それだけ売ることの大変さを物語るもので、力を合わせて、乗り越えようとするリーダーシップがある。

 『おいもや』では福袋を用意。愛知県岡崎市の「カクキュー」の八丁味噌を、特製あんこに練り込み、スイートポテトに。それを定番の丸干し芋と一緒に入れた。関谷さんは想いに純粋で、周りに流されない強さがある。知る限り、売上1位を走り続けるのも地道に自分で道を切り拓いたからで、うなづける。

 見えるものが全てではない。累計130万人以上が来場し、累計売上約25.9億円を数える「楽天うまいもの大会」は舞台裏が機能しているから、人の心が動く。それぞれの歴史や人間に着目しつつ、商品を見てほしい。

・納豆菌にかけた人生

 想いひとつで、ここにきている。納豆菌に尽くした人生なのが、粉なっとう・粉末なっとうの「はすや」である。窪旭さんと話していたが、聞くほどに、地道な歩みである。今から遡ること1990年の話だ。

 もともと、納豆菌は鶏に良いとされ、飼料に混ぜたいけど、高くて買えないということを耳にしたことから、この店は始まる。今は亡き父は、他の菌の研究をしていた絡みで、納豆菌を安く作れないかと自ら、行動を始める。

 東京育ちだった父は、田舎で暮らしたいと母の実家のある徳島に住みはじめて、その研究に没頭するのである。その研究は、身を結び、できあがったものを、とあるブロイラー企業で、鶏の飼育に使ったところ、すくすくと成長したというのだ。

 納豆はカルシウムの吸収をよくし、抗菌作用もあるので、それがプラスに働いているのではないか。そう言われるようになり、それはチワワの飼育で彼らの中で確信に変わる。

・なっとう菌で、心身とも健康的で、愛される商品へ

 人の繋がりで、大量にチワワを飼うことになった際(どんな縁だ(笑))、それらの納豆菌を食べ物にいれたら、チワワは変わった。体が弱いので出産で命を落とすこともあるのに、それも減少したというのである。話を聞く限りでは、基礎体力が上がったのではないかと思われる。

 こういう流れを経て、ヒト用に開発したのが2001年。母が物産展で販売していくところから、地道にやって、そして、ネットにたどり着いた。先ほどの「ちこり村」の話然りであるが、ネットはちゃんとそういう背景を伝えられるからこそ、相性が良かった。

 今では商品がバリエーション豊富に用意されていて、この通り。

 あらびきは「粉」っぽく、パウダーは「きな粉」のよう。大豆にしても、アメリカ産と国産がある。更には、有機栽培の国産大豆も入れて、6種類も存在する。父の努力は、報われたのだ。その価値を信じて、商品となった「粉なっとう」を真摯に売り続けた家族によって。

 伝えようとする家族総出の真心が、お客様の心を響かせたのだろう。商品もさることながら、そういうストーリーに触れられるのもこのイベントの醍醐味ではないか。

・ワニ肉を食べたことありますか?

 本当に百花繚乱。色々な形で皆、今のポジションに駆け上がってきた。「ワニ?」思わず叫んでしまった相手は、ミートガイというお肉のお店。ワニ肉、ラクダ肉、猪肉などを扱っている。

 遡ること、25年前。元々、牛肉には輸入枠があって、輸入できないものもあったのが、解禁になった。その頃に、日本でアメリカの牛肉を売ろうということでこの事業は、そこに端を発する。海外の肉の接点を活かす形で、派生したのが今なのだ。
 
 オーナーの思いを引き継ぎ、今、ECを引っ張るのは稲吉あゆみさんである。彼女の目の前にあったのは「グラスフェッドビーフ」。通常、牛はとうもろこしなどを食べて、成長をする。だが、敢えて牧草のみで育てたものを、そう呼ぶそうだ。何が変わるのか。赤みが多くなって、高タンパク質で低脂肪になるとか、物を見て、納得。

・肉の文化に触れながら、他とは違う至福の体験

 分厚いので、焼き方はミディアムレアで、程よく柔らかく食べるのがベター。今回はそれだけではなく、3種のミックス串を用意して、お客様の気持ちを惹きつける。

 その3種こそ、カンガルー肉、ワニ肉、ラム肉で、ギョッとなりがち。だが、初心者でも安心で、例えば、カンガルー肉はオーストラリアでは定番なのだとか。

 こうやって、肉で収益を作った彼らは更に、差別化要因として自らソーセージ製造にも着手。今や看板メニューになりつつある。様々な動物、様々な肉の種類を通して、その裏側にある育て方まで、学びながら、食べることの付加価値を上げていくわけである。

・百花繚乱!ピザをキャンバスに

 目を引くのは肉だけではない。例えば、ピザにしても「ピザ・プティギャルソン」というお店では「もみじまんじゅう」を乗せていて、びっくり。その隣の商品も「はんぺん」が乗っていた。

 聞けば、お店は元々、洋食のお店。思うに、ネットショップは、本当に色々な成り立ちから今に至っているのが面白い。イタリアンのピザに焦点を当てて、お店を展開。さらに、通販でやったところ、ブレイク。先ほどのもみじ饅頭やはんぺん然り、ピザをキャンバスに見立てて、色々な切り口で“絵を描き”アピールしたのが奏功したようだ。

・進化するからOkawariしたくなる

 Okawariもまた、祖業が今とはまるで異なる。もともとは企業に配達するお弁当屋と懐石料理の料亭をやっていた。ただ、料亭が女将の引退を機に閉店したことで新たな事業を模索。その中で発案されたのが、このお惣菜を冷凍にするという発想だ。

 ただ、昨今、ギフト需要も増えてきた。冷凍は贈り物としてはリスクが高い。そこで、惣菜の冷凍に加えて、レトルトの牛すじ味噌煮を展開した。時短の意識が取り入れられているあたりが流石である。共働き率が70%に迫る勢いで、食べ物カテゴリーでは時短の需要が生まれており、トレンドがここに見て取れる。

 彼らはメーカーだから、さらに踏み込み、煮込みを入れる袋を工夫した。そのまま、レンジに入れて温められる仕様のものにしたのである。よく銀色の包装紙に入れられているが、それらのレトルトにおいては、レンジで温めるのが難しい場合が多い。しかし、彼らのその袋ならば、そのままレンジで入れられる。おかげで、わずか600Wで1分で、あっという間。僕も食べたが、ほっかほかの牛すじ肉が堪能できる。

・主催者側から出されるお題への店の華麗な返しも見どころ

 この「楽天うまいもの大会」では毎年、主催者側からお題が出される。良くぞ、店舗はこの“無茶振り”(失礼!)にここまで見事に応えていると感心している。

 今年は10周年ゆえに、仰天(10)にまつわる商品群。今年はお題としては少し優しいか(笑)。

 こちらは「水郷のとりやさん」須田社長。なんともいい笑顔。それはさておき、10種のスパイシーチキン焼き鳥を企画した。ポイントは串の長さが27cmで「仰天!」なのと、それに見合った10種類のスパイスを塗していて、焼き鳥という常識を超えた味わいである。僕もいただいたが、THE焼き鳥なのに、アメリカンテイストなのが痛快。

 こちらも「伊豆河童」栗原社長自ら、調理の現場に入り、あんみつを作成する気合いの入りよう。10に絡めて、10種類のフルーツあんみつ。僕もいただいたが、いろんな味わいが、口の中で広がり濃厚。

 こちらは時期的なものもあって、ハロウィンのかぼちゃに肉を詰めるという大胆発想。「ゆうぜん」辻尾社長は、「これ、スタッフ総出で一個一個、詰めるの大変だったんですよ」と笑う。こんなお祭りムードもこのイベントならではだ。

 ちなみに、下写真の「黄金のモンブランケーキ」でお馴染みのロリアン洋菓子店(両脇は運営している小島ご夫妻)。最近、TV番組「相葉マナブ」でも取り上げられた海老名の名店。10にかけて、このモンブランケーキの上に味の味覚を10種類も乗せていたのだから、驚きだ。やっぱりお祭りだね。

・一級品の味わい、高め合う店舗の意識が更に活気づける

 その熱気を感じていただけただろうか。店の絆とそれぞれが持つ個性的なその生業。それでいて、一級品の味わい。リピーターが生まれ、そして店舗とお客様に交流が生まれる理由が分かる。

 何気なく、夕飯も食べていなかった僕は、「越前かに 甲羅組」のカニバーサリー弁当を購入して、思わず「うんめぇ!」と叫んでしまった。

 当然だけど、食べやすい位置に切り込みが入れられ、おもてなしが見られる。味も格別。一級レベルの味わいが揃うこのイベントの力を、最後の最後まで思い知らされた格好だ。

 ただ、その切磋琢磨の中にも温もりがあるのは、皆、楽天市場という共通軸があって、それぞれその事情を把握して、お互いを讃え合っているから。本来、ライバルである隣のお店も、一緒になって売り方を指南して高めあい、だからこそ、大きな力となってお客様の心を動かし、活気に満ちている。

 やっぱり、これが「楽天 うまいもの大会」の真骨頂だろう。何年か前にも言ったが、敢えて言わせてもらう。「失われつつある日本の商店街をここに見た」。一人じゃできないこの世界。

 人が打ち込む姿や、活気は見る人の背中を後押しする。店舗とJR名古屋タカシマヤ、楽天の三位一体で創出されたその活力は、お客様の心を触発するとともに、ニッポンを元気付けることを切に祈りたい。そう、日本列島の真ん中、名古屋から。

 今日はこの辺で。 

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