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奮い立て 通販企業 実力はその程度ではない CRM システム に学ぶ やずや式 (前)

 通販は大きな規模を目指せるビジネスだ。ネット環境が整い、多くの企業が通販を生業にしているが大抵が年商10億〜20億円程度。だが本来、通販の持つポテンシャルを考えれば、年商100億円を目指せる。やずやグループ未来館の取締役社長 西野博道さんはそう話す。ここに書くのは、やずや通販 CRM 基幹 システム 」に基づき、描くそこから先のストーリーだ。やずや式の CRM システム とはいかに。

土台は稼働顧客 やずや CRM システム

1.接客で正しく健康を指南する

 西野さんがそう語るのは自身が、下の図の通り、やずやで年商6000万円から470億円まで伸ばして、通販の可能性を身をもって実感しているからだ。10億円と100億円を分けるその差は、いかにして生まれるのか。

 やずやの通販が追求してきたのは、健康をきっかけにしたお客様との深い関係構築であって、ヒット商品「香醋」などの商品もそこに直結している。やずやでは、60代以降の人たちを対象にしており、その理由は、彼らがその20年先の未来を健康面で、不安視するからだ。長く健康的でいられ続けるために寄り添い、健康に繋がる生活スタイルを提案していく。ここにやずやの本質があって、商品に限らず、トータルのケアをするところに意味がある。

やずや代表的商品
やずや代表的商品

 故に、コールセンターのオペレーターの存在が重要になる。彼らは各々自分らしく、お客様ごとに今の健康状況を上手に把握して、それにあった健康的な生活へのアドバイスをするのだ。

関連記事:やずや 西野博道氏 ハヤカワ五味氏 語る 通販 CRMとは?

2.オペレーターの質問力が顧客との距離を縮める

 だから「やずや通販CRM基幹システム」は各々、導入先の通販企業のオペレーターにその知見を伝授する為のものであり、それは自前のリソースで自らがプロフェッショナルとなることを意図している。

 また、それはお客様との人間性を築く本質的な部分だから「ネット通販」にも置き換えられる。ネット通販企業においては、今使っているECシステムで運用し、そこにこの基幹システムを連携させる。これで、今話した通販の本質を押さえた「頭脳」を植え付けようというわけである。

3.記憶力、スピード、ミスを通販目線でフォローする

 こういう仕組みがある事で、オペレーター(スタッフ)は各々の裁量で、自分の頭で考えるようになり、血が通ったお客様との関係構築を築き上げられる。かつ、それが進むほど、個々のお客様のデータが各々のオペレーターだけに蓄積されることがないよう、基幹システムにフィードバックされて、属人化される事なく、スタッフ全員を顧客対応のプロフェッショナルに変えていく。

 主にそこで注力したのが3つ。「人間が不得意な要素として『記憶力』『スピード』『ミス』があります」と西野さんは話しており、そうやって基幹システムは、スタッフの頭脳を養う“社員研修”の役割を果たしつつ、人間が苦手とする部分のフォローして“業務改善のアシスト”を兼ねているわけである。

 ユニークなのは、この基幹システムは、こういう側面を持つから、やずや内だけで使われていた時それを皆、社員さながらに、YUKOと呼んで親しんだ。一人で何役もこなすその存在が重要であったことは、やずやへの貢献ぶりでわかる。年商470億円を達成した時のスタッフの数は、わずか97名であったのだ。

人間力を礎に置き経営を安定化させる事が今の通販の急務

1.お客様の管理ではなくコミュニケーションの手がかりを大事に

 「YUKO(4代目)」こと基幹システムの核心部分(管理画面)を見せてもらったが、なるほど、こういうことか。例えるなら“お客様図鑑”だなと思った。お客様が手元に持っているチラシや販促資料、お客様へのオファー内容、お届けしたDM・同梱物、お客様からもらった手紙、さらには周辺地図まで、お客様の情報が一元で見ながら、オペレーターがやりとりできるのである。これを手掛かりに、相手との人間的な繋がりを意図するのである。

 これが何を意味するか。西野さんに以前、「お客様が購入回数を重ねるごと、信頼度が増していくのは、何か意図的に会話の中身を変えて話しているのですか」と質問させてもらった事があって「そんなマニュアルなどは少しも存在しない」とするその答えがここに直結する。この“お客様図鑑”があるから、あとは個々人の個性に委ねられて、それが自然に会話の質を高めていけるわけである。

 すると、そこにはお客様とオペレーターの本音が飛び交い、やずやが意図する真に、各々の健康を把握し、然るべきケアができる土台が構築される。

 ここまで話せば、周辺地図まで示される意味がわかるだろう。その時間の天気を出せるから、その日が雨なら「ジメジメしますね」という具合に、まるでその場にいるかのような演出ができるので、心が開きやすくなる。ロボットのようなマニュアルを読み上げるオペレーターにはならないし一方の社員の側の意識も高まり、定着率も高くなる。

2.今こそ通販は長期的展望に立って、先を見据える時代

 巷に溢れるネット通販などのCRMツールとは根本的に異なる事がわかるだろう。巷のCRMツールは、言うなれば、薬のようなもので、その場で問題点を解決させる手段として十分に価値を持っている。でも、それとは別のベクトルで、この通販CRM基幹システムは、お客様との関係を育てるツールなのだ。やずや流をここに見た気がする。

 土台はできているけど、企業としてまだ成長過程にある企業にこそ役に立てる。まさに、西野さんが最初にコンピューターを提案した時、やずや自体が考え方の骨子はできて業務もまわっているけど、大企業へと成長する前の段階にあった。

 創業者の矢頭宣夫さんは年商5億円の時に、1億円のコンピューター投資をしたけれど、それは西野さん自身がコールセンターに張り付いて、コールセンターの役目は何か、何をサポートすれば良いのかという部分を落とし込んだものだったから、という理由がある。その矢頭さんの読みは的中し、現に年商470億円を達成した。これは現場を知るやずやにしかできないシステムであったからこそ創業者はそこを見抜いていたと言えよう。

3.並走して補助するやずやの姿勢はお客様だけでなく、通販企業にも恩恵をもたらす

 今回は、現場業務の在り方から基幹システムを通じて、通販の本質を書かせてもらったが、それを補完する数字の部分はどうあるべきか。ここは後編に譲り、彼らが提案する「分析診断システムMIRAI」に沿って、その核心へと迫ろうと思う。数字と業務両面から、100億円に近づく根本的理解へと繋げていこう。全て考え方は一致している。

 未来に羽ばたく姿を、彼はやずやだけではなく日本中の通販企業に夢を見ている。無理なことはない。通販企業よ、志を高く持ってその一歩を歩み出そうではないか。

 今日はこの辺で。

やずや式(後編)は、9月6日(月)の公開になります。

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