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やずや 少人数で 年商470億円 まで押し上げた CRM 基幹 システム はスタッフに何を伝授したのか

 一時、年商470億円まで上り詰めた「やずや」だけど、社員の数は100人以下だった。ここがミソで、それを可能にしたのが基幹システム。その生みの親が西野博道さんが手塩をかけて作ったのが「やずや通販 CRM 基幹 システム 」である。ここには少人数で接客の質を上げるメカニズムがあると思って、この基幹システムの中身について彼に訊ねたのである。

土台は稼働顧客 やずや CRM システム

1.接客で正しく健康を指南する

 やずやの通販が追求してきたのは、健康をきっかけにしたお客様との深い関係構築で、ヒット商品「香醋」などの商品もそこに直結している。

つまり、商品に限らず、トータルのケアをするところに意味がある。故に、コールセンターのオペレーターの存在が重要になる。

 だから「やずや通販CRM基幹システム」は導入先の通販企業のオペレーターにその知見を伝授する。なるほど。そう言えば、西野さんは自前のリソースを使うことにこだわっていたし、外注ではなく社員がプロフェッショナルとなることを主張していた。

2.オペレーターの質問力が顧客との距離を縮める

 でも、それはカタログやチラシの通販だけに通用する話ではないんですか?失礼ながら、西野さんにそう聞くと首を横にふった。

それは、伝授する内容が、お客様との関係を築く上で、誰にとっても通用する普遍的なものだからだ。今使っているECシステムに、この基幹システムを連携させれば、もうそれだけで“家庭教師”ができたようなもの、ということになる。

3.こうしなさいではなく、自主性に委ねる

 それが「こうしなさい!」というよりは、もっと本質的な内容を促すものなので、応用が効く。オペレーターは各々の裁量で、自分の頭で考えるようになる。しかも、それでお客様との心を通わせることができれば、オペレーターの士気も向上する。

面白いのは、それが進むほど、お客さまとの関係が深くなるので、お客様とも多く会話することになって、それだけ多くのお客様データがこの基幹システムに蓄積されるというわけだ。

4.蓄積されたデータも誰でも取り出せるようにして最大化する

ただ、蓄積されたデータは個々のオペレーターの創意工夫で得たものだから、何でも蓄積してしまえば、その人でしか対応できないものとなる。

だから、過去の通販の知見が生きるのだ。何をどのようにログに残しておけば、他のオペレーターが対応しても「全く同じ人が対応した」かのように再現できることを、その基幹システムは知っているのだ。

人間力を礎に置き経営を安定化させる事が今の通販の急務

1.以前から友達のような自然な演出はこう生まれる

 もう少し踏み込んで、西野さんは何をしたのか、こう話す。 「オペレーターがお客さまと対応する。それが前、話したオペレーターと同じ人かのような錯覚は、結局、人間が不得意な要素をコンピューターがフォローすることによって生まれているのです」と。

人間が不得意なのは3つで『記憶力』『スピード』『ミス』だという。

2.距離感を生むのは、大抵、記憶力とスピードによるもの

逆に言えば、以前話した内容を的確に記憶しておけば、まるで以前話したように感じる。 それが早ければなおのこと、距離は縮まる。

だから、基幹システムは過去の知見に基づき、お客様が喜ぶ必要な情報を必要な形で、瞬時に映し出せるように工夫している。

3.お客様の管理ではなくコミュニケーションの手がかりを大事に

 全ての原点はコールセンターの会話にあり、という事なのだ。

冒頭話した通り、大事なのはお客さまとの関係構築。その関係構築をする為に、オペレーターが何を手元に情報をとして持っていて、いかにすぐ出せるかというのが大事。

だから、この基幹システムはそこを徹底してるというわけである。一人で何役もこなすその存在が重要であったことは、やずやへの貢献ぶりでわかる。年商470億円を達成した時のスタッフの数は、わずか97名だったのだから。

4.お客さま図鑑と上手に使いこなせるオペレーターの二人三脚

 特別に、基幹システムの核心部分(管理画面)を見せてもらったが、それを見て確信に変わった。

例えるならそれは“お客様図鑑”だ。

お客様が手元に持っているチラシや販促資料、お客様へのオファー内容、お届けしたDM・同梱物、お客様からもらった手紙、さらには周辺地図まで、お客様の情報が一元で見ながら、オペレーターがやりとりできるのである。これを手掛かりに、相手との人間的な繋がりを意図するのである。

5.繰り返すほどに仲が深まる理由

 これが凄いのは、使うほどに、そのお客さまとの会話を盛り上げるのに必要な材料が蓄積されていくのである。

西野さんに以前、「お客様が購入回数を重ねるごと、信頼度が増していくのは、何か意図的に会話の中身を変えて話しているのですか」と質問させてもらった事があったけど「そんなマニュアルなどは少しも存在しない」と話したその答えがここにある。

この“お客様図鑑”があるから、あとは個々人の個性に委ねられて、それが自然に会話の質を高めていけるわけである。

 ここに初めて、お客様とオペレーターの本音が飛び交い、各々の健康を把握し、然るべきケアができる関係性の土台が構築されるわけだ。凄いメカニズムである。

6.そんなことまで?という情報もあるのは・・

 だから「周辺地図」まで示される。それが購買することにどれだけ関係あるのだろう?と思ってしまうかも知れないけど、購買以前に、関係構築における有力な武器となることは、ここまで読んでくれた人には気づくだろう。

周辺地図が分かれば、その時間の天気を出せるし、その日が雨なら「ジメジメしますね」という具合に、まるでその場にいるかのような演出ができる。

全ては会話とお客さまとの関係にあるから、こういう心が開きやすくなる要素は大事なのである。ロボットのようなマニュアルを読み上げるオペレーターにはならないし一方の社員の側の意識も高まり、定着率も高くなる。

今こそ通販は長期的展望に立って、先を見据える時代

1.解決するためのシステムではなく、関係構築のためのシステム

 巷に溢れるネット通販などのCRMツールとは根本的に異なる事がわかるだろう。巷のCRMツールは、言うなれば、薬のようなもので、その場で問題点を解決させる手段として十分に価値を持っている。

でも、それとは別のベクトルで、この通販CRM基幹システムは、お客様との関係を育てるツールなのだ。

 まさに、西野さんが最初にコンピューターを提案した時、やずや自体が考え方の骨子はできて業務もまわっているけど、大企業へと成長する前の段階にあった。だから、成長したての企業にこそ、勧める理由も見えてくるのではないか。

2.矢頭宣夫さんは先見の明でここに1億円の投資をして飛躍を掴んだ

 創業者の矢頭宣夫さんは年商5億円の時に、1億円のコンピューター投資をしたけれど、それは西野さん自身がコールセンターに張り付いて、コールセンターの役目は何か、何をサポートすれば良いのかという部分を落とし込んだものだったから、という理由がある。

その矢頭さんの読みは的中し、現に年商470億円を達成した。これは現場を知るやずやにしかできないシステムであったからこそ創業者はそこを見抜いていたと言えよう。

 未来に羽ばたく姿を、彼はやずやだけではなく日本中の通販企業に夢を見ている。無理なことはない。通販企業よ、志を高く持ってその一歩を歩み出そうではないか。

 今日はこの辺で。

関連記事:CRM と 接客 は数値化できる やずや式 経営 の裏側 分析診断システムMIRAI を紐解く

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