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やずや通販 定期購入 に繋がる“マーケティング”の極意

 やずやは、「養生青汁」「熟成やずやの香醋」など健康食品で、一躍、名を馳せることになった。彼らのやり方の特徴は、“定期購入”と呼ばれる手法を確立したことにある。商品をテコにお客様と深く繋がり、継続してもらい、安定したビジネスを構築する。やずやグループ 株式会社未来館 取締役社長 西野博道さんに話を聞くことで、通販企業の極意を学びたいと思う。

定期購入 で リピート率 を高める“やずや”流通販

1.確実に数ヶ月で消費し、継続してもらう

  彼らの手法を考える上で、その商品の特徴を見てみることにしよう。やずやの商品は1~3ヶ月後には消耗することを前提に作られている。それは商品をテコに、お客様と繋がることを意図しているからである。治ってしまったら、関係は途絶えるから、程よく繋がる関係性である。

 その上で彼らが最も重視するのは「稼働顧客」である。「稼働顧客」とは過去1年にお付き合いしてもらえている顧客。そことの向き合い方が肝である。

  稼働顧客との向き合い方が適切にできているかの指標として「顧客維持率」が存在する。つまり、顧客が一年以上継続する割合のことである。買ってくれた全部のお客様の中で、どれだけ一年以上、顧客が維持しているのかという話である。

2.理想的な顧客維持率は、70%!?

 この「顧客維持率」が高い通販企業は押し並べて、健全な経営が行われている。ええ?っと驚かれるかもしれないが、西野さんが考える通販企業の「顧客維持率」の理想は70%。確実にお客様が買い続けているから安定感があって、先を見通せるからお客様への相応しい接客もそこを支える投資もうまく歯車として回っていくというわけである。

 ただ、現実的には、ネットで通販企業においては「顧客維持率」が10%程度が標準だと説明する。彼曰く10%では「稼働顧客を礎にしたビジネスモデル」での経営は難しいと指摘する。つまり、ここの顧客維持率を上げていく手法に、通販としての意義がある。また、やずやの躍進を支えたヒントがある。

3.顧客維持率10%程度では企業が続かぬ理由

 70%とする根拠について「計算をすれば一目瞭然」と西野さん。新規顧客で100人を獲得できたとして「顧客維持率」が10%だとすれば、翌年(2年目)購入する顧客は10人だ。その翌年(3年目)も10%だとすればその数は1人になってしまう。つまり、最初100人も顧客がいたはずなのに、顧客維持率が10%ならば、3年過ぎると1人しか残っていない

 もし「顧客維持率」が「70%」であれば3年目には「約5割」となる。雲泥の差である。つまり一年一年の「稼働顧客」を大事にしていくことが大事。それが顕著に「顧客維持率」となって現れる。それが高くなるほど、会社の経営は盤石となるのである。

 実を言えば70%でもまだ足らないと話す西野さん。じゃあどのくらいを?と聞くと『目標は「90%」に置くべき』としている。「90%」であれば5年目でも「5割」以上存在することになるからだ。

ではどうやって70%まで持っていくのか?

1.まずは「ターゲット」設定

 そんな70%なんて、無理だよとそんな声が聞こえてきそうである。それを可能にするために、彼らは何をしたのか。彼らの場合であれば、まずそのターゲット設定が秀逸である。ずばり、ターゲットを60代〜80代の人に設定した。

 なぜですか?その理由について、西野さんはニヤリとして、こう話す。「60代〜80代の世代の人に『20年後の自分を想像してみてください』と聞いてみるのです」と。語弊を恐れず言えば、彼らは「ひょっとしたら死んでいるかな」あるいは「死んでいなくとも寝たきりになっているかな」と、返答をしてくることが少なくないのではないか(苦笑)と。

2.そこから商品の方向性が決まる

 ここを発掘したのがやずやの最大のポイントである。これが、冒頭、話したずっと寄り添い続ける理由になる。やずやの商品は、20年後の元気な自分を支える為に、今日飲んだ方が良い商品という風に定義づけられるからだ。つまり、健康“補助”食品こそが、彼らの最大の武器となったのである。

 だから“補助”なのだ。繰り返すが治ってしまったら付き合い続けられない。「ずっと飲み続ける」ことで20年後の未来も明るくなる。そして、商品は顧客の生活の一部になっていく。生活の一部となりつつあるお客様との関係こそが、別の意味で彼らにとって差別化要素であり、商品である。

 だから「稼働顧客」を追うのである。西野さんの言葉では赤ん坊が成長するように、顧客を説明するけど、その通りだ。その時々で向き合い方が異なるから、「接客」はどうあるべきかが大事になる。

 ここで、彼らの誇るコールセンターの登場となって、それらの商品はこれと共に一体をなして、会社自体の大きな礎になっている。

 今日はこの辺で。

関連記事:「やずや」が「健康補助食品」にこだわる理由 接客とセットに差別化する

実践編:CRMの醍醐味は数値化にあり 顧客との関係をどうKPI設定するか

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