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“やずや”流 マーケティング の極意 定期購入 に繋がるターゲット設定、接客へと至るセオリー

 やずやは約25年前「養生青汁」「熟成やずやの香醋」など健康食品で名を馳せた通販企業。“定期購入”と呼ばれる手法を確立し、商品をテコにお客様と深く繋がり、継続してもらうことで、安定したビジネスを構築する。彼らのマーケティングを学ぶことで、通販企業の「いろは」を考えたい。やずやグループ 株式会社未来館 取締役社長 西野博道さんに話を聞いた。

定期購入 で リピート率 を高める“やずや”流通販

1.確実に数ヶ月で消費し、継続してもらう

大前提として、やずやの商品は1~3ヶ月後には消耗する商品である。これが継続の原点となり、それで、過去1年以内にお付き合いしてもらえている顧客のことを「稼働顧客」と言って、彼らはそれを重視する。

 その稼働顧客がずっと買い続けたところで、彼らは「顧客維持率」というのを見るようにしている。つまり、顧客が一年以上継続する割合のことである。買ってくれた全部のお客様の中で、どれだけ一年以上、顧客が維持しているのかという話である。

2.理想的な顧客維持率は、70%!?

 この「顧客維持率」が高い通販企業は押し並べて、健全な経営が行われていると西野さんは説明する。これは、一般企業にも当てはまるのではないかと思う。

西野さんが考える通販企業の「顧客維持率」の理想は70%。確実にお客様が買い続けているから安定感があって、先を見通せるからお客様への相応しい接客もそこを支える投資もうまく歯車として回っていくというわけである。

 ところが、現実的には、ネットで通販を始めた企業においては「顧客維持率」が10%程度。彼曰く10%では「稼働顧客を礎にしたビジネスモデル」での経営は難しいと指摘する。

3.顧客維持率10%程度では企業が続かぬ理由

「計算をすれば一目瞭然」と西野さん。

新規顧客で100人を獲得できたとして「顧客維持率」が10%だとすれば、翌年(2年目)購入する顧客は10人だ。

 その翌年(3年目)も10%だとすればその数は1人になってしまう。つまり、最初100人も顧客がいたはずなのに、顧客維持率が10%ならば、3年過ぎると1人しか残っていない

4.顧客維持率は70%ならば50人残っている

 もし「顧客維持率」が「70%」であれば3年目には「約5割」となる。雲泥の差である。つまり一年一年の「稼働顧客」を大事にしていくことが、結果、「顧客維持率」を底上げし、それは会社の経営を盤石にさせるのである。

 実を言えば70%でもまだ足らないと話す西野さん。じゃあどのくらいを?と聞くと『目標は「90%」に置くべき』としている。「90%」であれば5年目でも「5割」以上存在することになるからだ。これがやずやを急成長に導いた基本中の基本だ。

ではどうやって70%まで持っていくのか?

1.まずは「ターゲット」設定

 彼らの場合、ターゲットを60代〜80代の人に設定した。その理由について、西野さんはニヤリといsて、こう話す。「60代〜80代の世代の人に『20年後の自分を想像してみてください』と聞いてみるのです」と。

語弊を恐れず言えば、彼らは「ひょっとしたら死んでいるかな」あるいは「死んでいなくとも寝たきりになっているかな」と、返答をしてくることが少なくないのではないか(苦笑)と。

2.そこから商品の方向性が決まる

すると、彼らが作るべき商品というのは、20年後の元気な自分を支える為に、今日飲んだ方が良い商品という風に定義づけられ、健康補助食品であるという事になる。この「補助」というのが大事である。「ずっと飲み続けましょう」という発想から顧客の生活の一部になって、先ほどの稼働顧客は飛躍的に伸びていくというわけだ。

 ここからがまさにやずやの真骨頂で「稼働顧客」を増やしていくための「接客」はどうあるべきか。ここで、彼らの誇るコールセンターの登場となって、それらの商品はこれと共に一体をなして、会社自体の大きな礎になっている。

3.ここからも自然な流れで懐に入る

 今、書いた通り、やずやはターゲットを60代~80代の人に設定している。そして、自分達が提供するのは、健康補助食品である。これはどういうことを意味しているかといえば薬ではないという意味合いでもある。具合が悪ければ、それを解決させる薬とは違くて、今健康であっても、それがずっと続くように、彼らは健康的な毎日を過ごすための知恵を提供していると言って良い。

なぜ、コールセンターがその「健康」に答えうる存在になるのかというのも、実は「身体的」「精神的」「社会的」の3つの観点からアプローチしているからなのだ。

4.3つの健康の内訳

「身体的な健康」は食事、健康食品、運動、睡眠などを意味している。

「社会的健康」はひとりぼっちじゃなく社会の一員として生活しているという実感

「精神的健康」は幸福感。

 商品を手段としてお客様に提供しながらも、この3つの「こと」を、コールセンターとお客様に二人三脚で、足並みを揃えて、使い続け、応援していくのであり、だから「稼働顧客」が増えるのである。70%が特別なことではない理由は、人間力に基づくからなのである。やずやが長く愛される所以である。

 今日はこの辺で。

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