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やずや “定期購入”で急成長 高い リピート率 のその理由 顧客維持率に着目せよ

 一人のお客様に長く買ってもらえるようにするか。ここが通販における肝だと思っていて、それで日本に知れ渡る企業へと成長を遂げたのが やずや である。“定期購入”と呼ばれる手法で、商品をきっかけにお客様と深く繋がり、その土台を築いた。今回、高い リピート率 を導き出すその本質を熟知した やずやグループ 株式会社未来館 取締役社長 西野博道さんに話を聞いた。

定期購入 で リピート率 を高める“やずや”流通販

1.やずやとは?顧客維持率 の高さが導く優れた業績

 やずやとは通販企業のパイオニアである。約25年前、「養生青汁」を皮切りに、「熟成やずやの香醋」など健康食品でヒット続出、顧客の継続率の高さに定評がある。西野さんは「 やずや 」の創業者 矢頭宣男さんと出会って以来、第一線で、約30年に渡って仕組みを作り、その一部始終をみてきた人。まず前提として西野さん曰く、1~3ヶ月後には消費する商品、つまりは「生活消耗品」を想定しているという。

やずや代表的商品

関連記事:20年使い続ける“商品”の 作り方 “やずや”が商品開発 で絶対抑える大前提

 そして次に大事なのは「稼働顧客」の存在。稼働顧客?難しそうに見えるが、簡単にいえば、「過去1年以内にお付き合いしてもらえている顧客」のことを言う。

 「稼働顧客」を増やしつつ、その意識を「顧客維持率」に繋げていく。これまた難しそうだが「顧客維持率」というのは「顧客が一年以上継続する率」のことを言っていて、この二つのキーワードをセットで押さえておくといいだろう。

 この「顧客維持率」が高い通販企業は押し並べて、健全な経営が行われていると西野さんは説明していて、そうした通販企業は「顧客維持率」が70%を超えているそうとか。確実にお客様が買い続けているから安定感があって、先を見通せるからお客様への相応しい接客もそこを支える投資もうまく歯車として回っていくというわけである。

2.顧客維持率10%程度では本来、通販に向かない

 ところが、それが「どの企業もできているか」というとそうではない。現実的には、ネットで通販を始めた企業においては「顧客維持率」が10%程度だという。彼曰く10%では「稼働顧客を礎にしたビジネスモデル」での経営は難しいと指摘しているのだ。

 それは計算をすれば一目瞭然である。お店が新規顧客で、仮に100人を獲得できたとしよう。「顧客維持率」が10%だとすれば、翌年(2年目)購入する顧客は10人である。

 その翌年(3年目)も10%だとすれば1人。つまり100人も顧客がいたのに、3年過ぎると1人しか残っていない。これでは企業としてそのキャッシュの部分を思えば、安定感があるとは到底思えない。

 もし「顧客維持率」が「70%」であれば3年目には「約5割」となる。雲泥の差である。つまり一年一年の「稼働顧客」を大事にしていくことが、結果、「顧客維持率」を底上げし、それは会社の経営を盤石にさせるのである。

 実を言えば70%でもまだ足らないと話す西野さん。じゃあどのくらいを?と聞くと『目標は「90%」に置くべき』としている。これは強気だ。でもそれはうなづける話である。「90%」であれば5年目でも「5割」以上存在することになるからだ。この差は大きい。

前提として顧客のシーンを描いて 継続顧客の基盤を作る

1.ターゲットを60代に定めたから健康「補助」食品が相応しいと考えた

 ここに至る為には何が必要かというと、幾つかあって、一つは、長く 継続顧客と向き合う為の商品企画が大事であり、そこを支えるのは小手先の流行りの商材ではなく、下のようにターゲット60代以降と見定めたことで、彼らなりのお客様にとって相応しい提案の仕方を導き出していて、ここも深い。

 自分たちのお店のターゲットをしっかり見定めて、その心理を捉えて、そこに相応しい提案の仕方とどんな商品を落とし込むか、そこまで考えて具現化されている。

 サプリメントを提供する60歳というのは「20年後が見えない人たち」なのであり、ここで、やずやの商品が「栄養補助食品」である意味がある。20年後の元気な自分を支える為に、今日飲んだ方が良い商品なのだと説明をするのである。「ずっと飲み続けましょう」。そう言って、顧客の生活の一部になっていくのだ。

リピーターを生む“商品”の 作り方 “やずや”が商品開発 で絶対抑える大前提より引用

2.やずやの本領発揮とも言える「接客」

 では、「稼働顧客」を増やしていくための接客はどうあるべきか。ここで、彼らの誇るコールセンターの登場となって、それらの商品はこれと共に一体をなして、会社自体の大きな礎になっている。

 コールセンターとお客さんの間で交わされる会話の内容は、お客さんから送られた手紙やダイレクトメール、生活全般を気遣うものにまで及ぶ。相手の住んでいる地域の地図と今の天気までを把握しているというのだから驚きだ。

 整理すると、商品でお客さんとの間で共通の価値観を提示し、やり取りのきっかけを作る。お客さんはそこに共感して店との関係が生まれたら、そこから先はコールセンターとの接点を重ねるうち、長く関係構築をしていくことになる。より深く日常に溶け込み、「顧客維持率」を向上させる要素となる。

 それゆえ、昨今見られる通販企業の多くが「稼働顧客に目を向けることなく売上をあげよう」とするあまり、「LTV を伸ばそう」とする傾向があるという事は、結果、継続して商品を買ってもらうビジネスモデルからはかけ離れていくと西野さんは指摘してくれた。

 「LTVとは何か」そして、それをどう自分のお店の活力に繋げていくかについては、こちらの記事に譲ることにする。

 今日はこの辺で。

関連記事:LTVとは?その 計算式 と陥りがちな罠 定期購入 ならではの本質的理解

 

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