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実益もたらすSNS 楽天 ROOM 店舗の利点は如何に

 インフルエンサーに対して、その期待は大きい。だが、インフルエンサーという言葉が罪作りだ。同じ括りで判断されてしまうから。当然、彼らにも得手不得手があって、大事なのは最大化させる仕組みの方だと思う。それで、楽天の『ROOM』のやり方に関心を抱いた。なるほど、こうすれば、インフルエンサーにも店舗にも利点をもたらせるのか。みなさん、その中身をご存じだろうか?

楽天 ROOM その利点とは?

1.ROOMは他のSNSと何が違う?

 『ROOM』は、商品に関連して、使用した感想を、写真と共に投稿するSNSのようなものだ。それによって同じ価値観を持った人たちが、その人たちをフォローし自らのライフスタイル向上のヒントにするわけである。

 その中身は『ROOM』というくらいで、インテリア系が多いようである。

 しかし、InstagramやTwitterと一見、それほど、変わりがない。だから僕も同じようなものと考えていたが、どうやら違うらしい。きっかけは店舗さんから寄せられた声で、ハッとした。「ROOMに掲載してもいいですか?」。お客さまから店舗に対して、そんな問い合わせが増えているというのだ。

 投稿者に利点があるから、そんな声があるはず。また、利用者が増えているはずだから、投稿しようとするわけだ。もう少し踏み込んで考えれば、なんらか店舗へのメリットも確認できそうだ。それで、取材を試みたわけである。

2.経由しての購入者も増

 まず、楽天グループに尋ねたのは、ROOMを経由して、楽天市場で商品が購入された数についてである。具体的な数字は教えてもらえなかったものの、その数値は2019年から2022年の3年で「2.5倍」にまで伸びている。

 ちなみに、ユーザー層なども下記に示した。

 増加の要因としてまず考えられるのは、まずはコロナ禍によるもの。巣篭もり需要が生まれ、そこで、部屋の内装を意識するようになって、インテリアなどの投稿の数が増えた。そこは想像に難くない。ただ、それだけではない。

 それで最初の話に戻ってくる。インフルエンサーにとってもメリットが大きいSNSだと認知が広がっているからなのである。改めて、『ROOM』の違う点を説明するなら、この投稿した対象商品は、楽天市場全商品とが紐づいていることにある。だから『ROOM』経由で売り上げたものは、全てデータとして蓄積されている。

 『ROOM』で投稿する側は、自ら投稿した商品が楽天市場で売れたかどうか、確認できる。それは売り上げた分だけ、アフィリエイトとして、お金が支払われるから、当然と言えば当然だ。

3.投稿者の長所がデータで明確に

 ここまで細かく、売れたのかどうかまでデータがわかるという事自体が、他のSNSにない。これはバックに「楽天市場」という売り場を持っている会社が運営するSNSだからこその利点である。そうなると、ショッピングに絡ませた場合は、他のSNSよりもROOMは投稿者にとって、より実益を伴ったものになる。

 それによって戦略すら立てられそうだ。投稿者が自分のファンがどんな商品であれば、買うようになるのかを分析できるのだから。ファンと商品との相性がわかれば、投稿者はその相性に寄せて投稿をすることができる。それゆえ、インスタグラマーなどの人たちも、この『ROOM』をつかうことで、それらSNSで得られた人気をより実益に見合ったものに転換しているわけである。だから、他のSNS共存できている。

他のSNSから経由してまで利用

1.インスタでのファンがROOMでも利用

 なるほど。だから投稿者が増える。上記の理由から、その投稿者にはインフルエンサーも多いはずだ。それぞれのSNSからROOMに流入して、ファンが商品を購入していく傾向が高くなる。結果、投稿に対しての購入数も増える。2019年から2022年で2.5倍にまで伸びた理由が見えた。

 必ずしも、投稿者は有名人に限ったものではない。けれど、比較的、インフルエンサーがその恩恵にあずかりやすいのはわかるだろう。インフルエンサーの稼ぎ方にも活路を見出した格好だ。

 だから、こういう使い道も可能になる。例えば、他のSNSでは単純にその価値観を示すべく、商品を投稿したのかもしれない。しかし、ファンから「この商品はどこで買えるのですか?」と質問が届くことも少なくない。

 それに対してのアンサーとして、「『ROOM』にまとめて掲載しています」と案内するわけである。ROOMであれば、その投稿から直接、楽天市場のその商品ページに飛べるからだ。

2.ファンの方がROOMに載せる

 それに伴い、面白い現象を耳にした。インフルエンサーの熱狂的なファンの人は、SNSも逐一、チェックしている。だから、こんなメッセージをインフルエンサーに送るファンすらいるのだ。

「Instagramで挙げていた商品が、『ROOM』に掲載されていないから『ROOM』に掲載した方がいいですよ」と。そうすれば「私はそこから買いますよ」と。

 こうすることで、投稿者にとってアフィリエイト料が入ってくるから、メリットが生まれる。それだけではなく、購入者もそれで商品を発見しやすくなって、購入までの手間が減少する。関わる人全てに、ウィンウィンとなって利用者が増えていく。この歯車が回ってくるほど、この『ROOM』が盛り上がるというわけである。

3.商品画像では伝わらない魅力

 そもそもの話であるが、使用した感想を含めて、イメージできる投稿画像が店舗に利することは多い。語弊を恐れずに言えば、楽天市場の商品画面が、必ずしも洗練されているというわけではない。そう僕は思うからだ(失礼!)。

 まず基本は、皆それぞれ自分で撮影した画像だから、信用の度合いが高い。

 また、投稿者によるおしゃれで、快適な生活を思わせる投稿画像によって、商品のイメージはずいぶん、変わる。その商品のポテンシャルが最大化されるわけだ。改めて「伝える」という事と、「伝わる」ということの価値が違うことを思わせる。ここがこのROOMを活用することによっての店舗のメリットということになるだろう。

 だから、最近では店舗側からの要請も増えてきた。それはなにか。その店舗と相性の良い投稿者を、楽天側でそのデータに基づき、マッチングするのである。そして、一緒に商品を共同開発して、販売するわけだ。そうすれば、元々データの精度が高いから、実益に伴う率が高い。

4.影響ある投稿者と商品開発も

 毎年、「ROOM Style Award」を実施。「ROOM Style」というのが、「ROOM」の投稿者と、「楽天市場」出店店舗がコラボし、ユーザーの目線を取り入れて開発した商品の総称である。つまり、消費者を代表するインフルエンサーの声が商品に反映されているかを担当者が審査し、注文件数・売上などと総合的に評価し、優れたヒット商品を年に2回表彰する取り組みなのだ。

 例えば、バッグの中で物がなくならないマルチバッグ「2wayナイロントートバッグ」。「ROOM」投稿者の「はあちゅう」さんとバッグの中の「物がなくならない」にこだわった2wayナイロントートバッグを製作。それが「ROOM Style Award 2022 上半期」を受賞した。コラボ系は、割と実用性に長けた商品が多いように思う。

ここまでくると、商品企画に新しい価値をもたらしていると言っても良いだろう。

5.まずはイメージ訴求を意識して商品作りを

 こういう話をすると、ではどうすれば、投稿者に「投稿されやすくなるのか」という話になりがち。確かに、その点、楽天がその投稿者とのマッチングを広告プランとして用意している。楽天としては、それを推したいとは思うだろうが、それよりは店舗自身が、まずその商品のイメージを訴求することから始めるべきだろう。一つ一つの利用シーンを思い描きやすい商品の伝え方を心がけることで、道は開ける。

 それが、こういう投稿者の目に留まるからだ。女性の多くは、商品を買うのではなく「商品を含めたイメージ」を購入する傾向が強い。だから、それを意識することで、自然と購入へと至り、それらが自然に投稿される。その価値をイメージにより、どう倍加させるかで、戦略を立てていく方が、ベターだと僕は思うのだ。

 冒頭書いた通りだが、インフルエンサーは魔法の杖ではない。一方で、ショッピングモールも商品検索だけでは今の時代のニーズに応えられない。

 とはいえ、投稿する側にとってもメリットがなければ、そのSNS的なものは発展しづらい。だから、アフィリエイトとその実績データをテコに、その成果を可視化した、ROOMが水面下で注目されているというわけなのだ。インフルエンサーにとっても、お店にとっても新しい価値を実感させる取り組みである。

 今日はこの辺で。

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