“TikToker” 成瀬 とほまれが語る サンリオ コラボ 込めた想い

「まさかこんな有名なお店の一番、目立つところに僕らのグッズが並ぶなんて!」そう語るのは“TikToker”で人気者となった 成瀬 君とほまれ君であり、キデイランド原宿店で自分達と サンリオ との コラボ グッズを感慨深そうに眺めていた。今日はそのお店の取材と共に、成瀬くんとほまれくんへの直接取材も試みて、TikTokを起点としてグッズ化されたその快進撃の実態を追おうと思う。
TikToker 成瀬 くん ほまれくん サンリオ コラボ 舞台裏
1.TikTok が僕らを伸ばしてくれて自信もくれた

成瀬くん(写真右)は73万人のフォロワー、ほまれくん(写真左)は「TikTok」で13万人のフォロワーを抱える。それをやってのけたのが若干10代の若者だという事実。それが何よりも今という時代を象徴している。しかも特別な機材などない。iPhoneなどを巧みに使って、独自の発想を15秒程度の動画に込めて、その地位を勝ち取ったのだ。
ただ、彼らはそれを冷静に受け止める一面も見せた。
「TikTokでの活動に対して、ノリでやっているように思われている部分はあるかも知れない。まだ理解はされていないと感じることは多い」とほまれ君が話すと、成瀬君もそれにうなづき、だから口を揃えるのだ。「いかにして大人の人たちを振り向かせて、世の中を変えていけるか」と。彼らなりの強い志も見せたわけである。
2.置かれた状況が変貌 サンリオが動いた

そんな中で、彼らを後押しするような動きが起こった。彼ら二人と、そして同じくTikTokで活躍する「こたろう」君と「ブルベア」をモチーフにしたグッズの展開が決まり、それが先日、キデイランド原宿店に並んだのだ。
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「TikTok」で脚光を浴びたことでキャラクターグッズ化された例はまだ珍しく、店の取り組みとしても画期的である。しかも、彼らのキャラクターのデザインを手掛けたのは、キャラクターの雄、サンリオであるというから驚きだ。
だから、これら商品は彼らが狙っていた「大人の人たちの気持ちを動かした」証なのではないかと思う。素晴らしい。
サンリオとのデザインの監修作業においては、対等かつ、コミュニケーションの良好さも際立った。例えば、ほまれ君が「二重にできませんか?」とちょっとお茶目に依頼する一幕も。成瀬君は「僕のキメのポーズをデザイン案であげてきてくれていたんです。サンリオの方も自分らの動画を見てくれているんだなあ」と嬉しさを滲ませた。
グッズは、アクリルキーホルダー(800円(税抜))やスマホケース(3000円(税抜))など多岐に及ぶ。

ほまれ君は商品を手に取り「ヘアゴムや折りたたみコーム(くし)など、日常遣いできるものも多く、ファンも喜んでくれているのでは」と話す。成瀬君もマグカップの出来栄えに感心して「自分はピンク、ほまれ君はパープル系のグラデーションなんです。トレードマークでもある髪の色で個々のキャラクターを表現してくれていて、かつ売り場も“栄える”」。二人も満足げの様子だ。
僕が「これをきっかけに何してみたい?」と問いかけると、ほまれくんはこんな夢を語ってくれた。「せっかくサンリオさんに僕らのキャラクターを作っていただいたので、その着ぐるみを僕らが着て、ステージに上がりたいですね」と。

そして、「ファンには一旦『あれ?本人たちはどこ?』って思わせたところで、パッと着ぐるみの頭をとったら、中から僕らが出てくるんです」と話し、彼ら流の遊び心も垣間見られる。サービス精神に溢れていて楽しく、人気の理由がわかった気がした。
3.TikTokがもたらした革命は彼らの才能と共に次の挑戦へ
折しも、成瀬君が「自分は自分が前面に立つというよりは、自分が製作した動画で喜んでもらいたいという気持ちが強いんです。だから、これからも映像の質をいかにして向上させたいと思っているし、歌にもチャレンジしてみたい」と話しているのが今も印象に残っている。
先程の文脈にもあるけど、ノリでやっているのではなく、映像としてどう面白く見せるかというクリエイターの目線が垣間見られる。短い尺の中でどの角度、どういう動きを見せたらいいか、彼は自分で演じながら、映像としての面白さをプロデュースしていて、それが結果、多くのファンを作ることに至ったのだと痛感した。
見えない努力と工夫の末にたどり着いた今なのだ。そして、今回の出来事は次の夢を生んでいることがわかる。
TikTokが才能を発掘したことで、彼らも火がついて、クリエイティブ魂はさらに進化する。むしろここからが本領発揮、力の見せ所である。既成概念にとらわれることなく、独創的に彼ららしく、今までにない表現をしてくれる事を期待したいし、それがこういうグッズ並びに売り場を盛り上げることに繋がることを、大いに期待したい。
今日はこの辺で。