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東京ガールズコレクション 飛躍の理由はきっかけ作り。SNSで共存共栄して掴んだ影響力

 これからのコンテンツの活かし方は全てを自前でやろうとしない。連携することであらゆる可能性を味方にして、高めあうのである。LIVeNTというイベントで、W TOKYO 東京ガールズコレクション実行委員会 チーフプロデューサー 池田 友紀子さんが語る、その話。それはSNSを通して、それを実践して影響力をアップさせたリアリティのある話である。ネットが定着するほど、価値の生まれ方が変貌している。それに気付かされた。

・価値を見直しその可能性を伸ばす

 そもそもW TOKYOは「東京ガールズコレクション(TGC)」やメディア「ガールズウォーカー」の運営に関わっている。トレンドを先駆けるファッションのイメージが強い。実際、彼らが脚光を浴びた理由は、ファッションショーの世界を、一般の人の手の届くところに引き寄せたことにある。

 ランウェイを著名なモデルやタレントなどが、楽しそうに歩き、それを間近で見る。2005年当時は、“ケータイ”片手にそれに熱狂したわけであるが、それは代々続いた。

 ただ、その話でも分かる通り、彼らは当然、そのイベントの集客に重きを置くようになる。すると、観客の人たちにいかに楽しんでもらえる空間にできるか。そこに注力することになる。

 だから、企業と連携して、ファッションショーとは別に、ブースで試供品や体験コーナーなどを作ることで、よりイベントとしての精度を高めてきた。確かに、それはそれで、価値を持っていた。

 けれど、今の時代を考慮すれば、まだそのポテンシャルを活かしきれていなかった。それはコロナ禍がきっかけで気づいた。無観客でのイベント開催という負の経験で、彼らは変わった。具体的には、TGCに秘めていた可能性は発掘されることとなる。それは、寧ろコロナ前よりも最大化されて、結果、影響力を増している。

・個々に存在する熱狂をフックに爆発力を

 とはいえ、大事なのは「TGC」の中身を変えたのではない。そこで生まれる価値を見直した。そして、周りの環境を活用することで、来場者以外の人をも巻き込んだ。そこで欠かすことができないのは「SNS」の活用。

 彼らの注目すべき点は、それぞれのSNSでその役割を分けたことにある。例えば、Twitter。テキストベースで様々な交流がなされながらも、特に、アイドル・アーティストに関しては反響が大きい。これはいわゆる“推し活”が後押ししている格好。裏側にはファンの存在がある。

 だから、TGCに出演しているアイドル・アーティストについては、意図的に、ハッシュタグで名前を入れて発信。アーティストならびにファンが、それに関してポストしやすい環境を作るのである。つまり、その盛り上がりに関して、他人の力を借りてしまうのであって、ここがミソである。彼らは、メディアである必要はなく、そのきっかけ作りで良いのだ。

・自らで完結させない工夫

 もしも、これが「TGCのイベントとして完結させる動きをしていたら、その広がりは限定的だったはず。しかし、TGCに普段こないような人たちをも、それらのアイドルをフックにアクションを促す。まわりまわって、TGCの認知は広がりを持っていく。さらに、TGCに出演してほしいアーティストなどをTwitterで募集。そうすることでファンを触発して、アーティストの熱量をイベントに持ち込むわけである。

 YouTubeにしてもそうだ。これまででいえば、東京ガールズコレクションの「チャンネル登録数」に重きを置いていた。これも当然といえば、当然だが、考え方としては古い。上記と同じく、自らの価値そのものを高めようとするほど、それが限定的になる。

 もし、チャンネル登録数をKPIにすれば、投稿頻度を上げるのは相応しくない。登録者がそれを煩わしく思って、離脱するからである。

 でも、彼らは気づいた。Twitterの話と同様。そこでの熱狂をテコにTGCへの関心を集めればよいのだと。ショーが終わるなり、1時間ごと、タイムリーにそれをアップロードしていく。結果、それがその場に行けなかった人にとっては熱狂が生まれやすい。それをネタに交流が生まれて、個々の投稿動画の再生数が増えたわけである。これも、他人の力を借りて、注目を集めたことによっての利点である。

・TGCの財産を見直すことで見えてきた拡散力

 繰り返すが、それまではTGC関連コンテンツ自体が大きくなろうと、投資をしていた。今は逆なのである。個々に存在するアイドルの力を借りる。そして、クリエイターの発信する切り口やキャラクターを尊重して、自らの価値へと変えていく“したたかさ”も見逃せない。

 TGCの会場では多くの企業ブースがあって、試供品の配布や体験などが行われる。そのことが名物となっていることを先ほど、書いたけど、それも個々のクリエイターのメディア力に委ねてしまうのである。これも、上記と同じで自らで完結させない。

 今やSNSのツールで、ごく一般の人も上手に編集ができてしまう時代。だから、そこに発信者のキャラクターと合わせて、インフルエンサーが誕生している。可愛いだけではなく、話し方、切り口など、受け入れられる要因は様々だ。特にTikTokではその才能が発揮されやすく、新規獲得に繋がりやすい。

 だから、TGCとしてはそれらの企業ブースでの体験をオープンにする。それで、そうした方々に利用してもらって、各自発信してもらうのである。それぞれの方々は当然、自らの個性によって発信するネタを探しているから、そのような動きは大歓迎。TGCはそれぞれのインフルエンス力に便乗(失礼!)することで、結果、その影響力を自分たちにももたらせる。 

・緩やかな共通概念を創出し、その起点となるきっかけ作りをする

 このコロナ禍を経て、何が変わったか。それは、一極集中から大きなムーブメントを作り出すのではないということ。逆に自らのコンテンツを見直して、多くの人が活用しやすいように、用意しておくのである。すると、結果的にあらゆる要素を味方につけて、影響力を持つことになる。

 彼らはこれを派生させる。例えば、地方創生に結びつけているのだ。TGCはリアルのイベントであり、そこに上記に示したファンやクリエイターが一同に会するのは書いた通り。だからこそ、そのついでに地元の企業などに立ち寄ってもらう。そして、それを取り上げ、それぞれの編集力を活かすわけだ。

 でも、その起点はTGCにある。だから、イベント自体に関心を持ってもらえる。それが今度はイベントの運営内容にも活かされ、また最大化される。

 誰を呼び、どの企業と同連携していくことが、自らの可能性を存分に活かすことになるのか。それは日々、変動しているから、そこを捉えるのが彼らの役目となる。繋がったSNSのユーザーと寄り添いながら、その答えを探していくわけだ。もはやTGCという場はいい素材を集めておくことに意味があって、そこで継続的な運営が可能になる。

 こういう小さくとも個々の他の力を借りて、結果、共通軸としてのTGCを引き立たせる手法は、影響力となり、周り回って、イベントの活性化になるわけだ。お見事である。

 今日はこの辺で。

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