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「やずや」が「健康補助食品」にこだわる理由 接客とセットに差別化する

 やずやは、「養生青汁」「熟成やずやの香醋」など健康食品で、一躍、名を馳せることになった。彼らのやり方の特徴は、“定期購入”と呼ばれる手法を確立したことにある。ただ、その定期購入に繋がる土台を築いているのは、商品。特に彼らの場合、健康補助食品であるから、その躍進を掴めたと言ってよい。「補助」なのである。その部分について考えたい。やずやグループ 株式会社未来館 取締役社長 西野博道さんに話を聞いた。

継続して買ってもらえる 商品 その 作り方 をやずやに聞く

1.素材を見れば、実はどこも同じ

 のっけから、西野さんはぶっちゃける。笑。「うちで扱う黒酢といっても、ほとんど原料は同じですよね」と本音で語って笑う。確かに「酢」であれば、成分にはどれも「クエン酸」が含まれている。「酢」を作る工程にしても同じで、酒を作りそれを発酵させて作るわけだ。

 極論、同じようなものを作れてしまうわけだ。それでも彼らの商品がなぜ、ずっと売れ続けるのか。大事なのは、そこの部分である。

 大抵は、素材が同じだからこそ、多くの企業はその素材自体を指して、うちは違う!という風に説明してしまうわけである。多くのお店は「膝が〜」や「目が〜」と言った具合で、短絡的な機能を言いがちである。ここで、西野さんがいうのは「そこの部分で競い合っても仕方がないんです」。

  ほう、確かに商品の差別化要因は商品自体でもある。けど、もっと別のところに彼らなりのロジックがあるということか。 「痛む箇所を良くするのは、厳密には薬でも難しいはずだし、ましてサプリメントでそれを解決しようなんて、もってのほか」と続けた。なるほど、確かに。

2.健康「補助」食品だからできる役目がある

 そこで、彼らが重要視している考え方は「栄養補助食品」であるということ。薬ではなく栄養素。栄養素を効果的で、効率よく摂取していくのがやずやの商品なのだと説明するのである。

 そこで、彼らはターゲットを60歳以降にした。

 サプリメントを提供する60歳というのは「20年後が見えない人たち」なのであり、ここで、やずやの商品が「栄養補助食品」である意味が出てくるのである。20年後の元気な自分を支える為に、今日飲んだ方が良い商品なのだと説明をしている。「ずっと飲み続けましょう」。そう言って、顧客の生活の一部になっていくというわけなのだ。

 つい買い続ける理由がわかる。僕らも「健康のために」とよく野菜を食べるけど、別に翌日、腕の痛みがなくなっているか、などを期待しているわけではない。何年も健康でいられるという自信を植え付けてくれるからこそ、野菜を食べる。それに近い。

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買ってからのケアを含めての商品の価値

1.第一段階「小さな実感」

 その前提がわかったところで、とはいえ、商品を買った当初は誰しも不安である。しかも、薬ではないので、咳が治まったというようなことはない。

 ここで大事な役目を果たすのがコールセンターである。彼らが買って良かったという安心感を与えるわけである。「どうですか?調子は?」などと、最初のアクションを忘れず、そこからコミュニケーションを絶やさない。これを、西野さんは「小さな実感」と呼ぶ。これをフックに関係性を積み重ねていくのだ。

 大事なのはそれと連動して彼らが描く健康というのは商品単体の話ではなく、下記の3つの健康をフォローする。

  • 「身体的な健康」は食事、健康食品、運動、睡眠などを意味している。
  • 「社会的健康」はひとりぼっちじゃなく社会の一員として生活しているという実感
  • 「精神的健康」は幸福感。

 商品を手段としてお客様に提供しながらも、この3つの「こと」を、コールセンターとお客様に二人三脚で、足並みを揃えて、使い続け、応援していく。

 その上で、理解しておきたいのは、お客様は赤ん坊のように、すくすく育っていくということ。

・初回顧客、よちよち顧客 F1-F2顧客
コツコツ顧客 F3-F6顧客
・ 優良顧客 F7-F14顧客
ゴールド顧客 F15以上顧客
※Fは購入回数

2.第二段階「会社の信頼」

 だから、コールセンターは赤ん坊から少し成長した青年少女と対応を変えるように、接し方を過去の他のお客様とのやりとりを参考にしてチェンジしていくわけである。

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 合わせて、お便りの中で、他の人の体験談を添えて、こんな多くの人が「飲んで良い」と言っているんだ、と前向きな気持ちをサポート。医者から寄せられたメッセージを一緒に送るなどして、健康全般をトータルにケアしていく。

 商品に対して実感を得られるようにしていくとともに、コールセンターと顧客の距離が近づいていく。それが具現化されていくと、「この商品を作っているのはどんな会社」であって、「どれだけ社員がいる」のかという気持ちが芽生える。

 そうすると、今度は、社員からのメッセージや社員の日常などを伝えていくわけだ。「やずやさんなら、こんな事してくれるんだな」と。商品の信頼だったのが会社への信頼へと変わっていくことで、お客様がアクションを起こすようになって信頼は一層深まる。

3.会社と顧客一体となって

 ここまでくると、やずやの一員であり、敢えて特別感の演出を行うべく、時に、綾小路きみまろさんを舞台に呼んで、五千人だけ招待をすることもあった。人数を絞ることで、「仲間内でも自分だけしか誘われていない」高揚感を作り出し、それがまた人生の楽しさを倍加させていて、エンターテイメントに近い。やずやは、健康というのを「心身ともに」追いかけ続ける。

「病は気から」と言ったもので、商品をきっかけにして、間違いなく薬とは違って、内側から元気にしてくれている。だから、西野さんは声を大にして言う。「商品単体を送ってもダメで、複合的な要素、他の人とは違う特別感などがあって初めて成立するのです」と。

 今日はこの辺で。

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