アーバンリサーチ リメイクの競演 アートな 木彫りの熊
「新しい」ということの基準ってなんだろう。今、株式会社 アーバンリサーチ が「THE GOODLAND MARKET (ザ グッドランド マーケット)」というブランドを始めていて、それは、廃棄予定になっていた衣料やデッドストック生地に光を当てる、サスティナブルを重んじる動きである。現在、そのポップアップストアがアーバンリサーチ KYOTOの地下フロアで開催中。廃棄予定だった品は、その感度の高いリメイクによって、魅力的に、生まれ変わっている他、 木彫りの熊 など、馴染みあるものの変貌ぶりも一見の価値がある。
このポップアップストアの存在を教えてくれたのが、株式会社株式会社家’s 代表取締役 の伊藤昌徳さんである。THE GOODLAND MARKETは、自らの店舗で使用していたアンティーク什器を出品する一方で、共感した企業やクリエイターのプロダクトが並べていて、そこで、彼らの商品も並んでいるそうなのだ。
ちなみに、家’sは自身で「yes」というブランドを展開していて、例えば、家庭で長く受け継がれてきたタンス一つにしても、一見、時間の経過とともにさびれて価値を失っているように見えて、そうではないと説く。
むしろ、昔であればあるほど、無垢の木材を使い、金具もとても細かい装飾がされ、もちろん職人が手作りで作っており、それはまさにアートに近いというのだ。だから、彼はその価値を見失わず、リメイクを施すことで、その価値を今に伝え、また、新しい魅力を持って、人々の心を動かすのである。
何気ないものに価値をもたらす、クリエイター的発想はとても共感できた。
アーバンリサーチ の店内で、生まれ変わった 木彫りの熊 が目を引く
一方、THE GOODLAND MARKETは、冒頭、書いたとおりで、サスティナブルな価値を追い求める中で、この「yes」が、木彫りの熊を再生する「Re-Bear Project」という取り組みをしていることに目を止め、共感し、今回、出店の運びとなったわけだ。木彫りの熊を再生した”THE GOODLAND BEAR”も数量限定で販売している。
冒頭にも書いたが、「新しい」の定義ってなんだろうと思う。必ずしも新しく手掛けたものが新しいではなく、古さの中にも新しさを求めることができる。それはサスティナブルとも相性が良い。
特に、ファッションとサスティナブルは実は親和性が高く、アパレルなどを通して、ファッションは、人を魅力的にコーディネイトして、その素材に光をもたらすものである。そう考えれば、一見、廃棄されそうなものに、素敵な“感性のベール”を施して、生まれ変えさせるのも、ファッションブランドの得意技なのではないか。
彼らの持つ感度の高さが、結果、世間で言われるサスティナブルな流れに合致して、素敵な価値とともに、地球を救うことになるとすれば、その動きは拍手を送るべきなのではないかと思う。