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泥臭いけど、地道にやった Premium Food Select 東京ラーメンフェスタで未来を想い、奮闘する

 商品を売り、会社を育てていく。多くの店舗が熱くあたたかく向き合う姿勢を身近で感じるうちに、自身も触発されたのだろう。それまで、楽天市場に出店する店舗をサポートするコンサルタント(ECC)だった。なのにわざわざ部署を変えて、楽天の直販(ファーストパーティ)にやってきたのが、「Premium Food Select」で奮闘する 楽天グループ 大田萌子さんだ。

・東京ラーメンフェスタの一角で

 「Premium Food Select」こそが楽天の直販の一つ。その新たなチャレンジの場、駒沢オリンピック公園にやってきた。そして、そこで萌子さんの話を聞いて、地味ではあるけど(失礼)地道な努力を重ねてきたことを知り、記事にしようと思った。この日、同所では、「東京ラーメンフェスタ」が行われていて、彼らはそこに出展していたのだ。

 同フェスでは、厳選された合計30種類のラーメンが集う。写真を見ていただくとわかるが、その出来立てを食べられるファン垂涎のイベントである。余談ではあるけど、僕は早速、大阪の「中村商店」の「なにわの金の鶏白湯」を堪能した。「こりゃ、皆、集まるわ!」と叫ぶ僕。その現地で食べているのと遜色ない。汁が濃厚で、その味わいが染み入る玉子と角煮を、口に駆け込むと、しばし至福の時。

 国民食とも言われるラーメン。その中でも格別に美味しいものが揃っているとあって、平日なのに、かなりの人で賑わっているのである。このイベントでブースを構えているのが、「Premium Food Select」なのだ。有名店のラーメンの美味しさを冷凍に詰め込んだ商品がずらり。

 これが彼らの自慢の逸品。最近は冷凍の技術が進化して、おいしさの再現が可能になったのを受け、冷凍にして、それらのラーメンが全国どこにいても取り寄せられる土壌を作った。

 そして、チラシをまき、ラーメンフリークへとアピールをしていたのが、萌子さん。

・自ら在庫を抱えて苦労を買って出る

 彼女の話にうなづく僕。それは、楽天市場の出店店舗にとってのECCの印象。「広告を売り込むイメージ」が先行していて、それは否定しない。だから、彼女はECCをやりながらそれを肌身で感じていた。それでも、関係構築に努めて、見えてきたのは、社員を背負って真剣に挑む店舗の姿勢だった。

 そのECCとしての自分の力量とその真剣勝負を重ね合わせて、彼女はあることを思う。「売ることを勧める」のではなく、実際に自分で物を仕入れて、在庫を抱えて、自ら物を売る。その経験がしてみたい。どれだけ彼女は店舗に胸打たれたのかがよくわかるエピソードだ。本当の現場を知りたいということなのだから。

 裏側も知り、それを分かった上での「店舗運営」だと。それを社内で掛け合ったところ、そのタイミングが、ちょうどこの直販の立ち上げ時期。結果、思いがけずスムーズに、この「Premium Food Select」の初期メンバーとして加入することになった。

・出店できていないところを敢えて直販することでチカラになる

 最初の頃は、百貨店の「デパ地下」スイーツを再現するような世界観。

 時はコロナ禍であり、百貨店に行きづらい環境もあって、その世界観を意識したわけだ。実際、その内容を吟味してみると、「楽天市場」内にも、出店していないことがわかった。それらのブランドは楽天市場などに出店するような知見があるわけではない。

 だから、そういうブランドをメインに、声がけをすることに意味がある。そう考えて、交渉を重ねたのがスタートである。出店していないなら、楽天が自ら仕入れて、販売すればいいのではないかと。

 勿論、それは多くの人に歓迎されると思った。デパ地下にあるような有名店の商品を楽天でも買えるよと。それで、「Premium」 Food Selectなのだ。

 でも、そうは問屋が卸さない。必ずしも、歓迎されるわけではない実態を目の当たりにするからだ。古くからある格式高いブランドほど、ネットに懐疑的なところもなくはない。価格を下げられ、ブランド価値を下げられてしまうのではないかというのだ。ビジネスに対して真剣だから、慎重になる。その気持ちは痛いほどわかった。

 それでもこの部署の人間は真摯に皆が、ブランドと向き合い続け、交渉した。少量から商品を仕入れて、信頼と共にその数を増やして、貢献の度合いを高めて、信用を得るようになる。

・リアルはネットの入口となり ネットはリアルを補完をする

 その一方で、催事と連携してみようという動きが部署内で起こる。それは「楽天うまいもの大会」の盛況を見ているからだ。ネットを生業にしているからこそ、ネットだけでは伝わらない価値を、スポットで用意する。

関連記事:「楽天うまいもの大会 2023」ライバルであり師匠である店舗と共に歩み お客様と心通わす

 リアルの人と触れ合う機会を作ることで、お客様とより近い距離感で、サービスの魅力を伝えよう。そう考え、たどり着いたのがこの「東京ラーメンフェスタ」だった。

 国民食とも言える「ラーメン」。それをきっかけに先ほど触れたリソースや知見など、ブランド自体の都合で、「楽天市場」に出ていないお店の商品が、購入できる。Premium Food Selectの価値をそこでアピールするわけだ。

・徐々にラーメン屋の間でも裾野が広がる

 出展するようになって今年、2年目。さらに踏み込む。当初から、彼らが考えていたことがある。それは、このフェスに出ているラーメン屋の商品を取り扱いたいということだ。このイベントで、その魅力を感じたのであれば、いつでもそれを食べてみたいと思うのが人の心情だからだ。

 結果、イベントを通してOMO的な動きはできないか。そんな発想を意図するようになるわけだ。

 とはいえ、昨年は、そもそも扱う数が少なかった。全て集めて12商品程度。ゆえに、「東京ラーメンフェスタ」に参加しているラーメン屋に限って言えば、2、3店舗しかなかった。

 それが今年は扱う数は25種類まで増えた。

 「東京ラーメンフェスタ」に参加しているラーメン屋に関しても、11商品まで増やせた。逆に言えば、出展していないラーメン屋も増えている。だから、同イベントに集まるラーメンフリークにとっては発見にもなる。イベントの顧客満足度を向上させる意味でも機能し始めてきた。

・地道に足で稼いで伸ばしてきた

 これらを励みにしながら、また、現場に戻れば、物売りの難しさと向き合い、日々、奮闘する。Premium 「Food」 Selectなので、賞味期限に関しては悩みは尽きない。仕入れる数と粗利のバランスに頭を抱える。

 それがどれだけ厳しいかは、いうに及ばない。楽天市場の出店店舗と同様だ。

 萌子さんもECCとは違った意味で、悩み、苦しんでいる。でも、思いの外、彼女の表情は明るいのだ。店舗がかつて話していた言葉の重さを実感できつつあるからだ。勿論、自身は名だたる店舗の経験とはレベルは違うのはわかっている。けれど、そこに向き合えていることに、充実感を覚えるからである。

 shopping is entertainment!。萌子さんはそれを噛み締めているだろう。なるほどね、楽天の直販は、そういう店舗の思いが飛び火するようにして、成り立っている部分もあるとは知らなかった。地域の活性化を担う店舗達の熱意は、お客様だけではなく、彼女のような、色々な人まで触発している。全ての魅力的な価値よ、永遠に。

 今日はこの辺で。

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