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#ワークマン女子 乙女心 研究中 日大商学部 学生の声を取り入れ 違い 鮮明に

 大学生がインスタライブをやっていて、なんだ?と思った先に取材先の「 #ワークマン女子」の旗艦店 錦糸町があった。聞けば、彼らはこのお店をディレクションした一員でもあるという。日本大学商学部の学生と内装などで、コラボレーションをしてい。これまでの女性を意識したものを展開しつつも、規格外で楽しい取り組みがみられる。“乙女心”を研究し、他のとの違いを鮮明にするワークマンの姿勢を追った。

#ワークマン女子 より感度高く 違い 鮮明に

1.敢えて差別化することで利点が生まれる

 #ワークマン女子というのはその名の通り。

 扱う商品は基本、他の「ワークマン」のお店と変わらないのだが、マネキンによるディスプレイなど、見せ方を変えることで、女性が買い求めやすいようにしている。

 一方で、同社の作業着を愛用してきた男性ファンへの思い遣りでもある。明確にお店の用途に合わせ、看板を分けることで、棲み分けをしている。通常の作業服の元祖「ワークマン」の店は男性客がサッと買って、そのまま立ち去るのとは真逆で、滞在時間を長めにその場で楽しみ、インスタなどを撮るなどして楽しめるように工夫している。そもそも、店に流れる考え方が異なるのである。

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2.横浜の第一号店はそれが的中

 実際に、反響は大きくて横浜の第一号店は初日のデイリー売り上げでその時の過去最高を記録するなどして、主婦を中心とする女性が多く集まって、話題を集めているわけだ。

 ただ、ここでワークマンにも愕然とする事実があった。実は、それらの内装を見た、Z世代に相当する、日本大学商学部の水野ゼミの大学生から、ことごとく酷評を受けたわけである。ワークマンとしては、これから「#ワークマン女子」を400店まで拡大しようと意気込む中で、その声は見逃せない。その評価に対して危機感を感じたワークマンはこの旗艦店と位置付けるこの錦糸町のお店の内装自体にこの大学生の声を取り入れたのだ。

#ワークマン女子 どこが変化しているのか?

1.本当に女性目線?

 以前の横浜のお店に比べると、若干、「#ワークマン女子」だけど、女の子らしさを抑えた感じになっていた。少しクールさが漂う感じは、寧ろ世間が抱く(男性が描きそうな)「女性らしさ」と違くて、だから良いと思う。

 例えば「わ」と書かれたミラー。「ワークマン」だから「わ」なのだろう。そう言ってしまうと元も子もなくて、みるべきはこの文字のデザイン性である。ベタな可愛らしさではなく、興味関心を引く先進的なデザインを思わせる。

 そこに加えて、面白いのは、「わ」の使い道だ。学生が意図するのはこの「わ」の鏡の中に友達が入って写真を撮る。というわけで「友達のわ」である。

2.ばえるだけではだめ

 フォトスポットも違う。横浜のお店では(下の左の写真)一番目立つところにメルヘンなブランコを設置していた。だが、この店のそこに該当する場所では(下の右の写真)キャンプをイメージしたディスプレイ。巨大なゴリラを置いた。

 学生の意図するところが違う事を感じていただけるだろうか。洒落っ気がある。あくまでも川らしさを追求するのではなく、人目を惹き、コミュニケーションの起点となる内装なのだ。アイキャッチにゴリラを入れるのもそういうことなのだ。単に「映える」だけではダメという学生の声が聞こえてくるようである。

 Z世代の声を取り入れ、より気持ちに近づこうとする「#ワークマン女子」。その発展途上の中で、やっぱり商品力は健在。ここに並ぶ商品もまた機能性を捉え、値頃感のある形で提案している。

価格設定と機能性では自信があるからこそ

1.カーディガンの裏地に秘密が

 「これ、普通のカーディガンじゃないですか?」。そう僕がいうと、「いやいや、違うんです。あったかくなるんです」と。スタッフはそう言って裏返すと、アルミの裏地が出てきた。

 そうか。焼き芋をアルミホイルで包むと温かさが逃げないのと同じ要領なのである。この『ダイヤフリースカーディガン』はその機能を備えていながら、1900円(税込)。安いなぁ。

2.機能性がもっと活かせる場所を探し求めて

「前提として、ある一定のラインで価格設定されています。その中にいかに機能性を盛り込めるか。そこにこだわっています。恐らくこの機能性でこの価格はないと思います」と胸を張る同社。

 要はだからこそ、女性にも使ってもらえるという自信があるのだ。

 しかし、まだまだ機能性に依存している部分がある。だから「#ワークマン女子」を展開しながら、その裾野を女性のニーズに合わせていく。そのために、日々そうした声を貪欲に吸収していこうと。先ほどの日大との取り組みは、まさにそういう姿勢を示したものだ。

 「見てください。この商品も見た目は普通のボアコートなんですけど・・・」

「撥水加工になっているので水を弾いてくれる。それと一緒に提案しているスカートの方も撥水になっています。別に雨でなくともしっかり役に立ちます。例えば食事などでもケチャップなどが跳ねても大騒ぎになることはありませんよね」と。

 なるほど。特に小さな子供がいるお母さんには歓迎されそうな視点である。

発展途上だから「生の声」吸収を惜しまず

1.試着すらもエンタメだ

 その試着室もどうやら日大商学部の学生のアイデアを取り入れた。

 行けば、試着室なのにライトアップされている。思わず「ライブ会場かっ!」と叫んでしまった。右下の写真は、靴べらに当ててみた時のものだ。これ自体が楽しい。勿論、このライトを消して普通に試着する用も存在する。わざわざ、試着室に照明のスイッチを2個つけるあたりが、本気である。

 ここでも、敢えて、学生の感覚と比較してみる。

 スライドしてみてほしいが、従来の「#ワークマン女子 」でも試着室で撮影はできていた。ただ、以前取材した際には「花を持って写す」というテイストだった。でもそこには「いかにも女性」感がある。

2.変えるところとブレないところ

 どちらが良い悪いというわけではない。学生のアイデアの方が「固定概念にとらわれいない楽しみ方」がある。そういう視点こそがもっと違う層にも響く顧客体験になるのではないかと思ったのである。

 以前も話した通りだが、勢いのある企業はブレないところと柔軟に受け入れるところがはっきりしている。彼らが、柔軟に受け入れるのは流通や人の感性など。

 時代と共に敏感に移り変わるところに対しての部分である。それは逆にブレない企業の強み(価値)を未来に向けてどう残して守っていくかという伝統を重んじることの裏返し。両者のバランスの中で躍進がある。

 軸を持っていること、でも世の中の変化に聞く耳を持つこと。両方の視点こそ大事なのである。彼ら自慢の商品力はどう時代に適応させて、進化させていくことができるか。それはそのまま彼らの未来にかかわっていくのだと思う。だから期待したいのだ。

 今日はこの辺で。

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