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Yahoo!マート 経済圏で動き出す クイックコマース

 15分で商品を届ける「 クイックコマース 」のインフラの整備は我々の日常を変える。ヤフーが「 Yahoo!マート 」という名のサービスを正式発表し、このジャンルに対して、いよいよ経済圏も動き出したからだ。

ヤフー Yahoo!マート で クイックコマース に本腰

1.見事にグループの価値を活かす

 改経済圏が乗り出す意味は、そのリソースを活用すれば、効率性を図って、それ自体、付加価値を発揮して、価値につなげられる。記者会見を聞きながら、思った次第である。

 クイックコマースというのは昨今、急激に拡大傾向にある販売形態だ。

2.互いの強みを補完し合う関係性

Yahoo!マートで言うなら、家に居ながらにして15分程度で現状約1500種の中から商品を届ける。翌日以降の配達を主とするネット通販とは差別化されているのが特徴。主に子供を抱える主婦などに歓迎されている。

 僕が経済圏のリソースの有効活用というのは、記者会見のメンバーを見ればわかる通り。ヤフーとアスクル、出前館が出席。

3.そのメカニズム

全体のプロモーションにおける経営資源の投下は主にヤフー(Zホールディングス)がYahoo!JAPAN、LINEを通じて行い、扱う商品はアスクルが調達して、お客様に届けるのは出前館という事になるわけである。

 既に実証実験を行なっており、その際にはコンビニのような見栄えの拠点を作って、そこから配送するスタイルをとっている。

出前館のアプリから「Yahoo!マート」を探して、商品を購入すると、お客様の近くの拠点の専用端末に届き、合わせて出前館の配達員とマッチングさせて、拠点でピックアップしてきた注文商品を丁寧な梱包してから、渡すわけで、見事な連携ぶりである。

アスクルにとっての利点

1.ヤフーは商品を持たないからアスクルが意味をなす

 ここで思うのはヤフーはプラットフォーマーなので商品を扱っていない点。だからアスクルの出番であり彼らは日用品を軸に商品を仕入れているから、この取り組みに参画することは理にかなっている。

 実証実験で売れた割合を出したのがこちら。

2.既に実証実験での結果が出ている

 食品が34%、水・飲料・酒が18%、日用品が17%となっており、アスクルの商品自体が「すぐほしい」と思える商品との相性が良い。また、それら三つはプライベートブランド(自社商品)を持っているから、在庫の面を考えてもメリットがあるだろう。

 実際に、平均注文頻度は3. 7日に一回で比較的、利用機会が多いのと、月間の最高注文回数は、70回/月、最高金額にして17万円/月というのが実証データから出ている。

3.注文回数も利用頻度も高い傾向

日常的に使うものから、おせち料理など高付加価値のものまで売れたと話して、人によっては相当の額を使う可能性が指摘されている。彼らにとってはここを伸び代と見るのが自然だろう。

しかも「ECマーケティングラボ」と言って企業と協業で商品開発している商品などもこの中に入れれば、このサービス自体の付加価値につなげていけて、WinWinとなりうる。

出前館も 注文時間帯による差が生まれない

1.時間により差が生まれる波動を作らない

 そして、出前館においてもここに参画すれば、プラスに働く要素がある。今までのフードデリバリーであれば、ランチとディナーのタイミングに集中しがちなものを、時間に関係なく、安定的に運用することが可能となり、配達員にとっても満足度を高める事になるからだ。

 彼らにとってはこういう配達員からの信頼もインフラを支える重要な要素であるから、今まで以上に安定的な配達需要が生まれるこれらの動きは、渡りに船という事になる。

2.今までのUI UX の整備も活きる

 さらに日頃から注文から配達までの迅速な流れは「出前館」で昨今、UI UXが大きく見直されたこともあって、利便性が増していることから、この上に「Yahoo!マート」を用意して、そのユーザーを自然に「クイックコマース」へと促すことも、その逆も然りで、その価値を活かせるというわけである。

 フードデリバリーを軸に「シェアデリングデリバリー」と呼ばれる「出前館」の配送のインフラは拡大中で、既に47都道府県に整備されているから、冒頭話したYahoo!マートの配送拠点の拡大と合わせていけば、今後、Yahoo!マートの全国拡大も容易になって、出前館としての価値も向上する。

リアルの拠点の利活用

1.デジタルで見直されるリアルの価値

思うに、この背景にあるのは、既存のリアル拠点の利活用なのであろうと思う。これもデジタルシフトといおうか。実際に、周りの声を聞いてみると以前、コンビニだった場所がこの拠点になっていたという話も耳にした。

リアルはデジタルを絡めて付加価値を高めるフェーズに来ていて、寧ろその点、デジタル企業の方が頭を働かせているから、結果的に動きが盛んに見える。

2.ピックアップで差別化したウォルマート

けれど、それは考え方次第だ。ウォルマートがECを強化したという話がまさにそうで、受注はネットで受け付けながらも、お客さまには店舗受け取りを推奨してリアル拠点を付加価値に変えた。

要は「ピックアップ」といって、店舗スタッフが駐車場まで、ネットで注文した商品を持ってきてくれるのだけど、これをすることで彼らは逆に店舗を強みに、配送料がない分、差別化できたという話である。

関連記事:2022年の飛躍は“オムニチャネル”にあり ウォルマート に学ぶ リアルとネットの融合

経済圏の動きと、リアルの利活用

その意味でリアル企業がデジタルを活用する例もあるのだ。

まずは、グループのシナジーを活かす事で「クイックコマース」を確立したのは見事。ただ、そこで大事なのはそこでのマーケットが確固たるものとなり、それを自らのグループの売上や価値につなげていけるかである。ちょうどリアルが苦境にさらされる中で、スッと入って得た領域。

今後は、リアル企業との協業や戦いも含めて、どれだけ先を見通し、リアルとネットの双方で価値を生み出せるか、が大事になる。ここには見逃せない時代の節目がある。

 今日はこの辺で。

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