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電子レンジ 利用時に便利な「 ホットスルー 」その発想 に 皆がホッとする

 「これは、どう使うものなんですか?」と聞くと、答えてくれたのは、一見すると商売とご縁がなさそうな淑やかな女性で、奥ゆかしい雰囲気を醸し出して語り出す。「私が発明したものなのですよ」と。え?と僕。些細なところにアイデアのヒントが潜んでいて、ミトンと言いつつ、指先にはめるタイプで、「ホットスルー」という。

何気ないところに ホットスルー のヒントがある

1.アイデアは日常に潜む

 何気にこの商品は既に特許をとっており、その女性こそが発明したご本人。有限会社カルチエの代表取締役 佐藤光子さんである。実は佐藤さんはこれまで色々アイデアを商品として具現化してきたのであるが、最近のアイデア商品はまさにこれ。

 考えさせられるのは、何気ないことにヒントがある、ということ。ちょっとした時代の変化を見逃さない佐藤さんは、台所に着目したわけである。台所?

 かつてで言えば、ガスコンロ、オーブンで鍋を温めるというのが、家庭では定番だった。今も定番なのかもしれない。けれど、最近では、むしろ電子レンジで加熱する方が増えているというわけで、その時に、今までの「ミトン」でいいのだろうか、と着想する。

 巷の「ミトン」の使い勝手は鍋を運ぶのを意図しているから、電子レンジの中のものを扱うには大きすぎるし、厚手で取り出すのには不便なのかもしれない。「それならば!」と指先にはめるタイプのシリコン製のコンパクトなミトンを作ったのである。耐熱性があり、小さく厚みもなく「麻の葉模様」が表面についているから、ヒョイっと皿を取り出せて、滑らない。

2.時代が変われば用途も変わる

 その機能性は色々な用途にも応用できるとしていて、例えば、トンカツなどに包丁で切り目を入れる時。そのまま、抑えたら熱いし、、というところで、「ホットスルー」をはめてトンカツを抑えて包丁を入れる。「熱くもなく、汚れることもなくて、カットができますよね」とニッコリ。

 盛り付けでも役に立つわけだ。加熱したそら豆を盛り付けしようと、豆を箸を使って取り出すときに、抑えておいた方が中身を取り出しやすいのである。その時に何を使って押さえているだろうか。暖かいタイミングの方が美味しいのに、熱いとそれが取り出せない。歯痒い。

 ね、「ホットスルー」があれば楽でしょ?というわけだ。

確かに。ホットをスルーして「ホッとする」。

 既にあるもので勝負しているのではなく、日常をヒントに導き出しているのが大きい。

 まず生活シーンを思い浮かべて、そこからどの素材をどう使ったら、便利だろうかと考えた時に、予算を考えて、これだったらこの価格で提供できる、と着想すれば、あとは、その想像力が商品化へと誘う。それが意図する人にとって価値と価格とのバランスで「買うに相当するものなのか」やってみるだけのことで、一つ一つが繋がって行動へと駆り立てられている。

 ビジネスの原点だと。特許を取得すれば、それはその会社の個性となる。ものづくりの魂溢れる大田区の会社で、改めてオリジナリティこそ武器になると感慨深く、その話を聞いていたのである。

 今日はこの辺で。

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