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楽天 新春カンファレンス 三木谷浩史 語る 指し示す未来に店舗はどう備えるか

 「グリーン!グリーン!グリーン!」店舗を前に、そう話すこの人は「先導役なのだな」。そんなことを思いながら、楽天グループ代表取締役社長兼会長 三木谷浩史 さんの話を聞いていた。「 楽天 新春カンファレンス 」での光景である。

グリーン! 楽天 新春カンファレンス 三木谷浩史 さん の真意

1.グリーン!グリーン!グリーン!

 店舗は売上を上げるプロであり、一方で、そのプラットフォームを提供する楽天市場は、各々の店舗に照らし合わせて、どう売上を上げるかのヒントを提示する。そのヒントの中には未来への提言も含まれる。

 「グリーン!グリーン!グリーン!」に込められた意図はSDGs、サスティナブルに相当する意味合い。昨今、特にZ世代の間などでは、意識が高い。そんな風に人々の価値観が変容していることを示し、その売り方を変えなければいけないことを提示して、店舗が共通して意識すべきこと、と三木谷さん。

2.皆にとって関係があるサスティナブル

 彼自身もそれに率先して取り組んでいて、環境、社会などに配慮した持続可能的な商品に特化して「EARTH MALL with Rakuten」というサイトを立ち上げ、12.7万点を掲載したことを明らかにした。実際、それに対する数字も示して、この中での流通総額は、前年同期比290%増で、サイトアクセス数も約4.5倍に相当していることを示したのである。

 正直、「グリーン!グリーン!グリーン!」と言われて、ポカンとした人も多いだろうと思う。けれど、この講演中、彼自身が触れていたけど、2007年くらいから「モバイルでの利用が7割を超える時代が来る」と言った時も、多くの店舗がポカンとしていた。過去と今を比較すれば、この提言も未来への先導役としての役目を果たすもののように思える。

未来に対して投資 これまでもこれからも

1.モバイル時代にも楽天は備えてきた

 僕自身、店舗の方々とは色々話す機会は多いけれど、彼らは勿論、売上のプロ。ただ、流石に俯瞰して世の中がどう動いているかまでは追いきれないから、こういう例えば、三木谷さんの話などを参考にしながら、少しずつ世の中の大局的な動きを咀嚼して、成長へとつなげてきたのだろうと思う。今年何をしよう!そのための「新春カンファレンス」なのである。

 当然、今店舗が関心を寄せるところで言えば、積極的に投資をしている「楽天モバイル」と「楽天市場」との親和性に関してである。この点、まず楽天モバイル経由で「楽天市場」の新規ユーザーが増加していることを示し、契約者中の新規ユーザーの割合は19.5%にも伸びている、と彼は言う。

 また、「楽天モバイル」ユーザー一人における年間流通総額も、モバイル契約の前後で74%も増えていることが明らかになっている。結果的に、モバイルは生活に密接に結びつくインフラ部分であり、主たる継続的な利用を伴う部分であるから、毎月、固定でポイントが発生しやすい。そうすると、楽天に寄せてポイントが貯まりやすくする傾向が強くなるので、その結果が出やすいのもうなづける。

2.モバイルユーザーの伸びが経済圏を磐石に

 そもそもの「楽天モバイル」の利用者に関しては、今や経済圏の土台となっている楽天カードの顧客獲得スピードが3倍以上。利用者増となるほど、上記に示したメカニズムが機能して、結果的に、楽天市場にもたらす影響が大きくなるのは言うまでもない。

 確かに単純に「楽天市場」だけを売り込むのではなく、経済圏を武器に集客し、購入を後押しするポイントの活用をフックに、時代のあらゆる要素を味方につけて、「楽天市場」に集客させている。勿論、モバイル然り、当時からその手の予測はしている人はいただろうが、彼の場合は、それを行動で示して、自らのビジネスに変え、店舗に還元しているという点が大きいのかもしれない。

3.スマホと決済がリアルとネットを近づけた

 そこに加え、ペイメントのサービスを拡充させて、オフラインからの恩恵を楽天市場にもたらす。実際に楽天ポイントの利用額は発行している額の1.6倍まで超過しているから、そこでの投資もしっかり回収して、新たなジャンルからの流入も促していて、自信を示すわけである。

 もはや楽天市場の話は競合も増え、楽天市場単体ではどうにかなるものではない。それを見越して、先導役を務めながら、自らの投資をしてきたことの価値を示したいのだと思う。継続的な利用を促しポイントを蓄積しやすい「モバイル」は確かにそうだし、「ペイメント」の活用によるオンラインからの流入による相乗効果で、銀行などのフィンテック系の要素も取り込む事で、流通総額を上げていくということになって、先駆け投資をしてきたからこその集客なのである。

一点言うなら、過去を見てくれと言うのはわかるが、モバイルの投資が莫大なものであるがゆえ、その投資が会社全体に与える影響がどれだけのもので、どれだけの価値をもたらすものなのかの指摘はもう少し詳しく説明する余地があるだろう

以前に増してオンラインでの売上に自信

1.国内EC流通総額10兆円

 とはいえ、投資の甲斐あっての2021年の国内EC流通総額(取扱高)が二ケタ成長という力強い伸びで、年間5兆円を達成し、近い将来、年間10兆円を達成してみせることを約束した。今まで彼の発言を聞いてきた立場でみると、以前よりもオンラインでの売上に自信を見せる部分が心なしか強くなったように思う。

そこには「楽天ファッション」などの好調さや「楽天西友ネットスーパー」などの顕著な伸びも背景にあるのかもしれない。この二つで言えば、リアルとの親和性も高いので、リアルネットを行き来しながら、生産性を高めて、必要に応じてネットに呼び込む。それはまたポイントを発生させることになって、「楽天市場」に還元していくことで、購入を触発できるという構造に以前にもまして兆しが見えてきたからかもしれない。

2.EC化率上昇を担う楽天のシナジー

 「日本のEC化率は現在8%前後であるが、これが20%前後まで伸びること」を示唆して、そこに貢献するのが「今や色々な生活インフラになっている楽天」とも強気に言ったのは、最たるところだ。Amazonしかりであるが、最強の会員組織を作っていき、その会員とともに、イノベーションを起こしていくと、その絶対数が増えれば、結果、世の中が変わるということになる。

 そこを踏まえた改めて「グリーン!グリーン!グリーン!」の言葉に目を向けよう。

地道に目の前にあることをしっかり、継続的にやり続けて、結果を出してきた楽天の出店店舗とはまた、違った目線で世の中の流れを大きく捉え、自らの価値に変えるとすれば、この「サスティナブル」という部分になるのだろう。一番、遠くもありそうで、実は今のうちからやっておくと、価値をもたらすものなのかもしれない。

三木谷さん自身、楽天市場の商品全てが、サスティナブルになるくらいの世の中ではないといけない、というのは、以前でいうところのモバイルと同じで、ポカンとする部分もあるかもしれないが、少し先の未来を見据えた必然の動きなのかもしれない。ここまでの彼の動きで示されている通りである。信じるも信じないのもあなた次第である。

 今日はこの辺で。

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