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店舗 が切り拓いた大事な一歩 対話が 楽天 の未来を創る

 古くは三木谷さん自ら出店の案内をしにきたなどのエピソードを語る昔からの出店店舗の声も耳にするから、古い店舗は勿論、成長の分だけ、過去とは違う距離感を感じるのは自然で、だからこういう機会が大事。「 楽天市場サービス向上委員会 」の事である。20年ほどで楽天の存在感は随分変わって、お互い意見を擦り合わせる機会が減って、特に送料無料ラインのあたりでは、それが顕在化した感がある。今こそ、この委員会の意味を見る。

楽天市場サービス向上委員会 の背景

 最初に話してしまうと、このサービス向上委員会は3回目。でも、記事を書くのは初めてである。それは以前はこの内容に関して、箇条書き程度でしか明らかにされなかったからだ。 

 それで僕は広報に伝えたのだ。それじゃ意味がない。その理由はとある店舗の動きに背景がある。

 「楽天市場出店者 友の会」である。送料無料ラインに関する動きの中で、「対話の機会を作るべきだ」と立ち上がったのが彼らであった。彼らは対立していくことは不毛であり、店舗と楽天に溝があるかのような動きが生まれるのは対話不足だからとして立ち上がったものだった。2020年3月のこと。

 まさに、その後押しにより、彼らと楽天の経営陣が意見交換をする「楽天市場サービス向上委員会」を開催することになったわけだ。

 だから、彼らは対話の代表者であり、店舗皆が主役なのだから、その内容は丁寧に明らかにされるべきだと。話し合われた内容がオープンにされてこそ、この会合の意味があると僕は伝えた。広報の方々は本当に動いて、前より様子が見えてきたので、ここに書いたというわけだ。生意気を言って申し訳ない。

 僕がここから感じたのは「楽天社員のやるべきこと」と「楽天がまずやるべき施策」が見えた点が互いにとって良かったのではないかということだ。それでは見ていこう。

コミュニティの創出や未来に向けての成長の必要性

 この日、参加したのは、副社長執行役員 コマースカンパニー プレジデント 武田 和徳さんと執行役員 コマースカンパニー COO&ディレクター 野原 彰人さんをはじめとする数人。店側は、この前段階で、分科会が行われている。

 分科会は幾つかに分かれていて、地域・コミュニティ、サステナブルといった具合で、店舗側で話し合ってそれを楽天側にちゃんと伝えていることに注目したい。

 まず「地域・コミュニティ」ではこうだ。

 コロナ禍で地元の店舗同士が「オフラインで繋がることができる機会が減少している」現状を改めて指摘している。その中にあって「情報交換や交流ができる場」として、地域ごとに店舗が集まれる地域コミュニティの創出や地域でのオフラインイベントの開催を検討してほしいという声があがっている。

 また、ECに従事する、各地の事業者とそのステークホルダーが相互に理解し合う環境づくりを念頭に置き、地域の学生向けに「ECに関する出張授業」の開催などを提言した模様。地域の将来を支える「次世代への教育」を支援してほしいという地方ならではの切実な声も。ここに店舗の未来に対する率直な気持ちも垣間見れた。

 「サスティナブル」の分科会で言えば「楽天大学」に関して言及。昨今、取り沙汰される「SDGs」に対しての取り組みを促進させる事を目指し、その中で講座を拡充すべきではないかと。そこに、ECCのサポート体制の強化なども盛り込んで、検討材料として掲げた。

その指摘に楽天社員のやるべきことが見えてくる

 さらに「システム」分科会からは、より具体的な指摘も飛び出したようで、それもそのはず、システムの改善に関する内容だからだ。例えば「商品購入時に配送予定日を表示してほしい」「商品検索時に、アイテムごとにサイズやカラーなどをわかりやすく表示してほしい」といった具合。

 合わせて、店舗同士でシステムに関して情報交換できる場を作ることの意義を唱えるとともに、そこに「楽天社員が積極的に参加してほしい」との条件もつけた。

 これも関係構築におけるヒントがあるような気がする。語弊を恐れずいうなら、それは「楽天社員からは広告の提案しかこないからスルーする」という声を店舗から少なからず僕は耳にしているから。

 この発言には「楽天社員がどこで関係構築をすることが信頼につながるか」ということのヒントがあって、それを踏まえれば、そこへの答えが見えてくる。

 そして、昨今の要となっている「物流」の分科会。これはやはり重要性はわかっているものの、物流サービスそのものの理解を深められる機会を求めている様子が分かる。単純に「ルールとしてこうだ!」ではなく、その意味や背景、理由などをしっかり抑えた上で、それを活用しなければ、確かに、本当の意味で店舗にプラスに作用するとは言えない。

 また、商材ごとに、その配送に関わる課題が異なるという悩みも明らかにした。この部分も楽天社員(ECC)が向き合うべきことが何かを示しているだろう。ただ、それも全部をECCに委ねるのではなく、会社自体がそういう部分を一緒に考える仕組みの構築を考えることが大事だ。

優先順位が見えてくるからやるべき施策が見えてくる

 一方、楽天の幹部からも発言。「楽天スーパーロジスティクス」での更なるサポートの必要性を実感したことが明らかにされ、反映させる事を意図した。また、コロナ禍が落ち着き次第、「楽天タウンミーティング」の各地での開催など、この場で約束されたこともあったようだ。

 何より、彼らにとって大きかったのは、数ある課題の中で店舗側から「優先順位が示された」ことのようである。これらは彼らが今後取り組む施策においても活かされることになっていくだろうし、僕が思うに、役員側もそこに対する具体策の明示が次の「委員会」でなされることが大事なのではないか。

相互に意見を交換する場所なのだから。

 以前、「楽天市場出店者 友の会」の立ち上げの記者会見で、彼らから聞かれたその言葉は今でも忘れない。対立する動きもある中で、彼らは毅然と「言うことはしっかり伝えて、働きかけをしていき、共に共存していく」ということを主張していた。そこには勇気も必要だったろう。

 その意味で第3回目の内容を見ると、店舗が意図する世界は歩み始めたと言って良い。

 ただ、これは序章にすぎず、安心はできない。お互いそれがパフォーマンスにならないためにも、店舗が対話によって得たものが本当にプラスかどうかはその後、検証することも大事なことを付け加えておきたい。楽天自体は20年前とその存在感は変わったものの、こういう機会を通して、心の距離感を以前と変わらずいれるよう、信頼しあえる関係である事を祈りたいのだ。

 今日はこの辺で。

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