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クラウドファンディングのアイデアを通して見えた 2022年とは?

 昨今の傾向を見ていると、除菌系の話題が形を潜めているのは、コロナ禍がやや緩和されつつあることを証明しているのか。僕は、ギフトショーでクラウドファンディングの数々の商品に触れて、それを感じた。それに代わって生まれる価値観とはいかに。心なしか、それを見ていると、人々の気持ちは、いかに日常の付加価値を高めるかという方向に向かっているようである。改めて、クラウドファンディングで見られるアイデアは時代を映す鏡である。

クラウドファンディングに見られる2022年の傾向

1.形状からは想像のつかないアイテム

 僕らが当たり前だと思っている角度から、少し違って世の中を見てみると、思いがけず商品のアイデアにつながるものだと思う。見た目の形状は、普通。なのに、用途で驚くアイテムである。想像がつかない利便性を持った商品は、クラファンのお家芸といえる楽しさを内包している。

 まずは、KAZABRELLA(カズブレラ)。一見、普通の折り畳み傘とは変わらないようではあるけど、異なる性質を持っている。異なる点は、その折りたたみ方にある。通常の商品は、折り畳もうとすると、手が濡れることが多い。浴びた雨粒がその表面についていて、それが手にかかってしまうから、濡れるのである。

 であれば、雨が当たった部分を内側にして折り畳めばいい。その逆転の発想で、手は濡れずに済むのである。

 折り畳んだ傘は逆さにすれば、そのまま下に置ける。置けば、先ほどまで溜まった水滴は地面に落ちる、というわけ。一度も手が濡れない仕組み。

 また、発祥の地がイギリスで、台風系の雨風は日本の比ではないという。そこで、実は頑丈な作りになっているとか。折りたたみ傘ほど、台風などの雨風に弱い。折り畳みでありつつ、豪雨に耐えられる仕様。今の日本のゲリラ豪雨に必須のこのアイテムは、イギリスの傘職人によるこだわりが随所に散りばめられた逸品だ。

2.コーラだって水筒に入れられる?

 続いてはFLSKの水筒。一見するとただの水筒である。ただ、FLSKシリーズはスリムな形状とトップの部分に特徴がある。

 ミリ単位で忠実に一つ一つの細部が設計されており、完全に密閉される。すると、中身が真空状態になるから、空気の漏れを完全に防ぐのである。

 これで、入れるものの中身がドラスティックに変わり、多様性に満ちた持ち運びが可能になる。例えば、炭酸飲料水のようなものまでいれられる。しかも、保冷は24時間、保温は18時間できる。本当に美味しいものを、長い時間、堪能したいという「こだわる人」こそ、支持者が多い商品である。

3.未完成感もクラファンの魅力

 このFLASKの日本の正規代理店であるcheer charmerによれば、この商品を皮切りに、日本では見られない奇抜な商品ゆえの楽しさを提供していきたいとしている。「これもみてもらえますか?」そう、言われて連れられた先にはスーツケースがある。でも、よく見れば、スーツケースを連結しているのである。

 なんだか双子用のベビーカーを見ているようだ。ズバリ一個一個、別々に運ぶよりも、移動しやすいというのが売りである。ただ、20キロをフルで入れられてしまうと、重くなりすぎて、移動できないというデメリットもあると正直に明かされた時は笑ってしまった。

 ただ、このアンバランスな感じがクラファンならでは。その未完成感が未来に向けて、改善され、良い商品になっていくのだと思うから、頑張ってほしいと切に願う。

4.周りの人の睡眠を守る

 全体通して商品に対して感じた時代背景は、「人々がより付加価値のある生活を求める傾向にある」ということ。注目されているのが「睡眠」に関してである。

 「ここまで来たのか」そう思ったのが、ZEREMAである。スマホ連動型のまくらで、一体、何をしてくれると思いますか?なんと「いびき」を抑えてくれる。「いびき」というのは頭の高さが関係していることにあって、そこをスマホとまくらで解決するのだ。

 そこで、まず枕の高さを変えて、どれだけ「いびき」を抑えられるか、データを集めたのである。それをAIで分析し、スマホで「いびき」の音を感知すると、そのアプリがそのデータに基づき、枕を上昇させるというのである。

 面白いのはこれまで寝る人自体の睡眠の快適さを求める中で、これは「周りの人」の快適さを求めている点にある。寝室で共にする夫婦などのウケが良いらしい。

5.ダニから守って快適睡眠

 さらに快適な睡眠を実現させるために、ダニの増殖を抑えるマシンを提案している企業もあった。僕はあまり考えたことがなかったが、人によっては、相当、ダニに悩まされているそうだ。例えば、ダニが発生した時、それで噛まれてしまったり、死んでからもその死骸を吸い込むことで、喘息に似た現象が起こる人もいるくらい。ただ、厄介なのは、ダニは掃除機を使ったところで死なないし、吸い込まれもしない。

 だから、ダニに悩まされている人は布団のクリーニングに四苦八苦しているというのだ。

 だからROCKUBOTというマシンの登場となる。強力な紫外線とダニにしか聞こえない超音波が出て、奥底に潜むダニまで除去してくれる設計なのだ。実際に、エビデンスもある。30秒照らすのを3週間、繰り返すだけで、200匹前後が47匹まで減少した(※愛研調べ)という。見た目の形状で分かる通り、どこでも持ち歩けるコンパクトさ。利用箇所も多種多様である。

時代を映し出すクラファン

 本当に、色々な視点があると思う。他にもSDGsの文脈なのか「ストロー」の提案も多かった。ストローもアイデア商材になる時代なのだなと思う。一つはプラスチック製で、パカっと二分してきれいに洗えるというもの。

 もう一つはステンレス鋼素材のもので、飲みたい角度に自由自在に回るスタイリッシュなものである。最近は、アルコール度数の少ないお酒を出す“居酒屋”などもあって、そういう場面などにも通用しそう。いずれにせよ、商魂たくましい。どんなストローを持つかでその人の価値観が見えてくる。

 昨今の傾向を見ていると、除菌系の話題が形を潜めているのは、コロナ禍がやや緩和されつつあることを証明しているのか。いずれにせよ、人々の気持ちは、いかに日常の付加価値を高めるかという方向に向かっているように思われる。改めて、クラウドファンディングで見られるアイデアは時代を映す鏡である。

 今日はこの辺で。

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