視点を変えて魅力を発掘 ISOT 文具はやっぱり奥深い
どこに心を動かす要素が潜んでいるかわからない。先日、ISOT(文具・紙製品展)が開催され、そこに潜入して感じた事だ。これまでとは違った視点と価値は僕らの気持ちを触発する。日本出版販売が手掛けたブランド「Old Resta」は気づかぬ「古き価値」を拾い上げ、商品で魅力を発揮した。
古さも価値となる
「Old Resta」というのは、その名の通り、古いものこそ、シンプルで良いという事。面白いのは、かつて商品として売り出していたものも、時を経過すると、変わる。それ自体がもはやコンテンツとして、懐かしさと共に受け入れられるのである。
こちら、今治産のタオルハンカチで、そこに描かれる刺繍をみて欲しい。
マジックインキであったり、キャンパスノートであったり。ユニークなのは「象が踏んでも潰れない筆箱」でお馴染み、サンスターのゾウ。しかも、今治産タオルだから、吸水性にも優れた品質。抑えるところはしっかり抑えている。
ちょっと分かりづらいかもしれないが、キャンパスノートのイラストを入れたピアスである。
さすがの文具女子博の感性
スタッフの話を聞くに、その着想に感性があるのは、文具女子博のプロデュースによるものだから。
以前、文具女子博については記事にもさせてもらった。文具を消耗品ととらえず、使い方や見せ方に重きを置いているのが特徴。付加価値のある文具は、想像力豊かな女性の感性を刺激。使う場面や、自らの手帳を可愛らしくする為の必須アイテムが揃う。最近では、その裾野が広がり、雑貨に至る人気が高いイベントである。
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こちらは巾着だが、デザインに味がある。真ん中にジャポニカ学習帳のイラスト等。持ち物が多い女子の間では散らかりがちな小物を整理するために、このようなアイテムの需要もある。素朴な巾着の素材にマッチするようにと、このテイストを持ち込むわけだ。絶妙なバランスに、ブレイク中なのが良くわかる。
古さもまた、価値であり、昔馴染んだ人には特別な感情を抱かせ、世代を越えれば、新しくなる。さすが文具女子博といわせるだけのセンスの良さがキラリと光る逸品である。
クリスマスカードも一工夫
さて、こちらは興和が手掛けた「クリスマスカード」。カードというと平面的なものを連想するかもしれないが、同商品は組み立て式。
ご覧の通り、折り畳まれた状態から、簡単にメリーゴーランドになって、回るのである。この手の立体型のカードは数あれど、ここまで手が込んだものは、作れないだろうと、同社もこの商品に太鼓判を押すわけだ。
工夫一つで、商品は生まれ変わるものである。そのコンテンツにしても、商品の仕様にしても、である。だから、旧態依然ではなく、新しい切り口でチャレンジできるところにこそ、文具の面白さがあり、深掘りしたい点である。
今日はこの辺で。