1. HOME
  2. News
  3. マーケットイン
  4. モノ談
  5. Bean to Barへの想い チョコで“幸”あれ sachitakagi

Bean to Barへの想い チョコで“幸”あれ sachitakagi

 商品はメディアだな。そう思ったきっかけは“sachitakagi”というブランドにある。それを手がける高木幸世さんはこう僕にたずねた。「Bean to Bar(ビーントゥバー)」という言葉をご存知ですか?と。僕はその言葉の意味とともに、彼女の並ならぬチョコレートの思いに触れることができた。

sachitakagi チョコレートに込められた原料 植物への愛

1.Bean to Barとは

 「Bean to Bar(ビーントゥバー)」。

 皆さんはご存知だろうか。実は、この言葉は2000年代前半にアメリカで広がった考え方で、カカオ豆から板チョコレートになるまで一貫して製造を行うことを指すものである。

 その言葉と高木さんとは、深く繋がっている。

 元々菓子職人である彼女は、遡ること数年前、自分の技術の向上のために、少しハイレベルなチョコレート菓子を作れるようにと、その為の勉強を始めるのである。そして、学ぶ過程で、チョコレートの原料カカオ豆の産地国でコスタリカにいくことになって、そこで運命が開ける。

2.コスタリカで開かれた運命

 彼女はそこで、現地の人の頑張りを目の当たりにして感激する。それと同時に、カカオ豆をはじめとする植物の魅力に惹かれることになるのだ。彼女は、自ら手がけるそのチョコの使命として、現地の人たちの頑張りやその魅力を伝えるようと考え、ブランドを立ち上げた。

 多くのお菓子屋は“既に出来上がった”チョコレートを前提としている。

 だから、その背景について多く触れることはあまりない。けれど、むしろ彼女の場合はその逆で、商品を作って広がるほど、その原料の魅力を知ってもらえる機会が増えれば、と考えている。そこが、他のチョコレートブランドと視点が違うわけである。

 だから、商品はメディアとしての側面もあるのだなと思った次第である。

コスタリカからカカオ豆を仕入れチョコを作る

1.sachitakagi その想いは仕入れから

 ゆえに「sachitakagi」はコスタリカからカカオ豆を仕入れて、自分たちの会社がある京都でチョコレートにして、そこで出来上がった商品で、そうしたバックボーンと共にその想いを伝えようと意気込む。

 商品はどちらに?

 僕がそういうと「これなんです!タイル屋さんですか?って言われちゃうんですけど」と笑顔を浮かべた。紹介してくれたのが「chocography」というシリーズだ。一つは、正方形のチョコレートがアートのように美しく表現されている。その横にはもう一つ。薔薇に象られたチョコが華やかさを際立てる。

2.見た目はきっかけでしかない

 見た目だけではない。

 チョコレートというのは、味わいをより滑らかにするためにミルクなどを使う。だが、敢えてそれを一切使わないようにしようと決めている。それは、その商品を通して植物の力を伝えたい。そう思っているから。そう高木さんは力強く語ってくれた。

 また、生チョコレートというのは多くはココアパウダーを乗せて提供する。しかし、このブランドでは植物のカラフルさを表現したいと思って、敢えてこのようなデザインにしているという。花であれば華やかさというように、それを素直に伝えることで、彼女のいう植物への想いも表している。

3.チョコを通して重いと主張があってそこから広がる

 僕は通販という文脈で、多くのブレイクするお店を見てきている。特に最近は、堂々と自分の思いを主張して、そこに強い共感が生まれて、その関係性は商品によってより強固になって、成長を遂げているという印象を抱いている。

 高木さんのようにチョコを売りたいのは勿論だろうが、そこだけではなく、チョコを通じて伝えたい思いがある。それは今の通販のヒットに通じる物がある。きっと、そこにお客様との心を通わせるきっかけがうまれるに違いない。また、商品自体のこだわりをみるに、それを通してお客様はチョコの美味しさという実感を伴って、彼女のいうチョコが生まれるまでのストーリーに想いを馳せるだろう。

 結果、それがコスタリカの人たちの誇りとなって、もっと人を魅了するチョコが生まれる土台となる事を切に祈る。それも彼女にしかできないメッセージの発し方において生まれていくのだとしたら、それは真に素敵に思うし、僕はエールを送りたいのだ。

 今日はこの辺で。

関連記事

145が自らの考えを大事に、わかりやすく想いを持ってビジネスの本質に迫るメディアです。主に小売業、ものづくりとキャラクターライセンスを追っています。
詳しくはこちら

all/初心者 culture/SDGs culture/学生クリエイター culture/推し活 culture/渋谷 culture/生成AI culture/調査・データ DEEP DIVE: 1推し(イチオシ) DEEP DIVE: ものづくりのセオリー DEEP DIVE: アーティストの感性に触れる DEEP DIVE: ボーダーレス─僕らは空間と時間をクリエイトする DEEP DIVE: 奥深きキャラクターの背景 DEEP DIVE: 店の声─舞台裏での奮闘記 DEEP DIVE: 潜入イベントレポ DEEP DIVE: 賢くなろう─商売の教科書 DEEP DIVE: 超境─クールジャパンの新次元へ EC/Amazon EC/au PAY マーケット EC/BASE EC/Instagram EC/LINE EC/Shopify EC/Yahoo!ショッピング EC/YouTube EC/フューチャーショップ EC/メイクショップ EC/接客 EC/日本郵便 EC/楽天ファッション EC/楽天市場 Fancy/Curious George Fancy/PEANUTS Fancy/すみっコぐらし Fancy/カピバラさん Fancy/サンエックス Fancy/サンリオ Fancy/シルバニアファミリー maker/バンダイ maker/ユニクロ RealShop/ZARA RealShop/コンビニ RealShop/スーパーマーケット RealShop/百貨店・商業施設 RealShop/飲食店 Shop/ウォルマート 【Buying】CRM 【Buying】MD(品揃え/自社開発) 【Buying】OEM 【Buying】アプリ 【Buying】オムニチャネル・OMO 【Buying】オンラインモール 【Buying】コンサルタント 【Buying】コーティネイト・採寸 【Buying】コールセンター 【Buying】サイト制作 【buying】サプライチェーンマネジメント 【Buying】チャット 【Buying】フィンテック・金融 【Buying】フルフィルメント 【Buying】フードデリバリー 【Buying】マーケティングオートメーション(MA)・メール配信 【Buying】ライブコマース 【Buying】リユース 【Buying】レンタル 【buying】ロジスティクス(流通) 【Buying】一元管理 【Buying】新規獲得/SNS販促 【Buying】決済 【Buying】自社EC 【Buying】越境EC 【Buying】運営代行 【Fancy】ディズニー 【Fancy】ピーターラビット 【Fancy】ムーミン 【Game】Nintendo 【IP】Buzzverse – SNSから拡がる共感の宇宙 【IP】Storyverse –誌面とスクリーン上で広がる原作 【IP】キャラクター・スポット 【IP】ゲーム 【IP】ファッションブランド 【IP】未来図(WEB3/NFT等) 【Product】ふるさと納税 【Product】アクセ・ジュエリー 【Product】アパレル 【Product】インテリア 【Product】コスメ・健康 【Product】スイーツ 【Product】ホーム・台所 【Product】文具 【Product】玩具・ガチャ 【Product】花・植物 【product】製造業テック 【Product】雑貨・小物 【Product】食品 【Product】飲料・酒 オフラインショップ キャリアと生き方|HERO insight —逆境をチャンスに変えるストーリー ビジネス思考法|HERO insight —“仕組み”と“本質”を捉える視点 事業化のリアル|HERO insight —アイデアを持続可能なビジネスへ 創造のヒント|HERO insight —人の心を惹きつけるアイデアの源泉

最近の記事