視点変えて面白く コロナ禍 ゆえの ヒット作 体育のにゃんこお兄さん
緊急事態宣言下で、今ならではの『売れているもの』って何だろう?何気なく、そんなことを思い、プランドゥ代表取締役 山中雅嗣さんにたずねた。同社は、独自の発想で意表を突くグッズを次々、生み出し続けている。それこそ、コロナ禍でどう心をそそる商品を切り出してくるのかと。やっぱり期待を裏切らない。二つ返事で送られてきたのは、これ。猫である(笑)。
運動不足でしょ?
まず、この動画を見てほしい。猫のフィギュアで体操服を着ている?頭にボタンがついているので押してみる。
すると、大音量で「ラジオ体操第一〜〜!」と始まった。
「うわっびっくりした。喋るのか、これ」。その音量と滑舌の良さにやや驚く僕。
この商品は「体育のにゃんこお兄さん(関西弁Ver)」と言う。
つまり、コロナ禍で思いつくのは、外に出られないから運動不足になるってこと。ここまでは想像はつく。
普通なら外でウォーキンググッズを考えるところを・・・
しかし、ウォーキングではないところがみそ。運動不足という点で見れば、コロナ禍を受けて、ウォーキングにまつわる商品は多く出ている。だからこそ、「家で」運動する他とは違う着眼点で攻めるのがプランドゥ。
目をつけたのが「ラジオ体操」。実はラジオ体操はウォーキングよりも運動消費量が多い。
ラジオ体操は57.00kcal 。それに対して、ウォーキングは (早歩き/m)39.75kcal (一般的な速度/m)32.25kcal 。※数字は体重50kgの人が15分間運動した際の消費カロリー。(主な運動のカロリー消費(NPO法人全国ラジオ体操連盟作成)より抜粋)
だから、猫のフィギュアにそのラジオ体操第一を丸ごと、吹き込むアイデア。
パッと手に取りたくなるわかりやすさとその根拠
このおもちゃの「可愛らしいさ」と「わかりやすい」ラジオ体操。アイキャッチで掴む。そこで、トドメにこのラジオ体操のデータを添えるのである。
まさに、この辺は山中さんらしい感性とロジックのバランスがなせる技だ。
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それで価格は2,178円。運動不足だし、家でエクササイズができるなら・・・。そう言って思わず、手が出てしま雨という発想だが、ズバリそれは的中。多くの人に受け入れられたと言うわけだ。
改めて、コロナ禍にはコロナ禍なりに売れる商品というのを、山中さんは心得ている。やっぱりここでもヒットを掴んでいた。人々の生活に目を向けて、ほんの少し視点を変える。それだけで、人と差をつけ、商品はグッと面白く見えてくるのだから不思議だ。
これは余談だが、何気なく先日、自分の母親と話すウェブ電話で「今、これ買おうかと思ってるのよ」と言われて見せられたのがまさにこれ。心底驚いた。まさか僕の親まで虜にするとは。
恐るべしにゃんこ。天晴れプランドゥ、一本取られました。僕もラジオ体操して、運動不足を解消しよう。
今日はこの辺で。