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ヤフー LINE 経営統合 と その利点

 ヤフー を傘下に持つZホールディングス株式会社( ZHD )と LINE 株式会社が、経営統合 を完了させ、新しいZHDのCO-CEOに就任した川邊健太郎さん、出澤 剛さんが記者会見を行った。僕はこの記者会見で話を聞いていて思ったことは、どうしても楽天のような経済圏での争いにはなるだろうとは思っているが、メディアを祖業に持つヤフー&LINEと、ECを祖業に持つ楽天とアプローチが違そうだと僕は想像している。

LINE ヤフー 経営統合 意図するのは?

 どういうことか。彼らからすれば、メディアの着地として小売があるわけで、そこでのデータの活用こそが事業の根幹部分となる。一方で、楽天は小売の活性化の為に経済圏の拡充させるという着地である。

 それでいうと、ヤフーとLINEにおいては、まずはユーザーとのコミュニケーションを構築するところで緩やかなマーケットを形成していくと思っていて、リアルとネットの融合も、企業と人、人と人とをそうやって繋げていくのだと思う。

「繋がる」軸における強さを発揮

 具体的には、LINEは「公式アカウント」があるので、リアルネット問わず、企業とユーザーとがダイレクトに繋がるコミュニケーションツールがあるわけだ。だからリアルで言えば送客で、ネットで言えばオンライストアへの誘導ということになる。

 ここをシームレスに繋ぐために、Xショッピングという発想があって、ヤマト運輸などを巻き込んだ物流の視点が交わって、お客様の利便性を高めていくと共に、極力、PayPayなどの彼らの決済ツールを使ってもらうことで、小売を絡ませて、それはデータを蓄積する土台にしていく、ということになろうと。

 ここで、オンラインストアに関しても、両社が強調していることの中に、LINEのもつコミュニケーションを生かした「LINEギフト」や「共同購入」、「ライブコマース」が入っているのも進化だろうと思っている。

 LINEギフトはLINEを使ってプレゼントを送るというものだが、このプレゼントの中身をYahoo!ショッピングの品揃えにするだろうし、何かを購入する際に同じ価値観を持った人たち同士で声を掛け合えば「共同購入」となる。

 ライブコマースにしてもベースはライブ配信であり、ライブ配信の肝は両者の関係性の深さで、タイムリーな会話に近いやり取りである。

eコマースに新規顧客を呼び込む新提案

 つまり、企業とユーザー、あるいはユーザーとユーザーの繋がりの強さを土台にして、これまでなかったeコマースを彼らなら推進できると考えているのだろう。ここでLINEのユーザーのメインである20代〜30代女性といった新規顧客の開拓をしていくのである。

 その地盤を固めた上で個が特定されることで、この席上でも掲げた「MyPrice構想」がわかりやすくなってくる。具体的には、一人一人の状況に合わせて、購入価格が変わるようにしていく。ただ、この裏側では、経済圏での一人一人のデータを有効活用させ、それら購入シーンに合わせて、ポイントなどを即座に反映させる、という意図なのである。

 旧来のeコマースの発想から離れて、そうやってをしていけそうに思っていて、この辺が僕が思うに、メディアを祖業とする企業の利点なのではないかと思う。

経営統合 により ヤフー の強みを LINE で最大化

 話を戻せば、「繋がり」という部分を強化するなら、今度はそのYahoo!ショッピングで培ってきたeコマースの視点で、ShopifyやBASEのような自社の通販サイト構築支援もできるはず。そこで、「Smart Store Project」といって、誰でもネット通販ができる環境であると。

 LINEの目線で見れば、eコマースでは存在感を発揮できなかったわけで、そこをヤフーの力を借りて発揮して、そこに自らの可能性を紐づけるというわけである。

 これが、いくら店ができても、お客様とのつながりがないとやっていけないので、ここで、彼らは顧客とダイレクトに結びつく、LINEなどを活用した「繋がり」軸の強さが生かされることとなって、ヤフーのeコマースの土台か生かされる。「Smart Store Project」は、あらゆる売り先の構築・運営、分析、接客・送客が可能になる仕組みでもあって、初心者にも安心して取り組める仕様になって、相対的に、小売のマーケットを拡大させようというわけである。

 その上で、事業者向けにこれから、煩雑になりがちなリアル・ネットのお店の運用を助けていくことを明らかにし、今後、すべてのショップはリアル、ネット双方からのアプローチを意識した方が良いかもしれない。

地元のお店を救うと共に地域に活力

 いうまでもなく、今、コロナ禍で苦しむ飲食店や観光産業を救う手立てにもなりうるわけで、LINEがスマホ起点でのアクションと、GPSを活用したロケーションを生かした施策の強みを発揮しやすいことを加味すれば、地域の創生を図ることもできそうである。

 決済に関しては、取り沙汰されている通り、LINE Payが国内においてはPayPayに統合していき、コミュニケーション、メディア、決済の上にさまざまなコンテンツを設置していく。

 その上をユーザーが行き来するほど、データは蓄積されて、それが革命になると考えていて、まさにそれがAI革命。そもそもソフトバンクグループの孫正義さんが強い関心を抱いているジャンルであり、海外で躍進する企業は日本向けに看板を変えたりして、国内に持ち込むことが考えられ、それが経済圏の活性化とともに、両社にもプラスに作用する可能性もある。

関連記事:ソフトバンクグループ は“製造業” 孫さんの発言で感じた事

 その他では、自治体との連携であり、ここも彼らの強み「繋がり」は有効に生かせる部分でもあって、例えば、LINEでこれまで住民票の写しができるなどという動きもあったのは記憶に新しく、その親和性の高さを伺わせる。

関連記事:LINE で “住民票の写し”可能に!渋谷区が習慣を変化

 今後は彼ら自身も話している通り、転居にまつわる事務手続きの簡略化などにも関わっていくことになりそうだ。

 そういう形で地元に密着すればするほど、勿論、災害時における情報発信などにも活用できる。そこから、地元のお店へのアクセスを促すなど、コマースをはじめとする様々な要素にも波及する部分も大きいと思うし、それもまた、彼らなりのメディア起点のビジネスなのだと思う。

  なので、記者会見を独自の目線で書かせてもらったが、一見すると、楽天との違いが見出せなさそうに思うが、メディア起点というキーワードで見てみると、彼らなりの個性が見えてくるのではないかと僕は思っている。

 先日、決算発表でヤフーは、正直、楽天よりはコマースに関してはまだ力不足である部分もなくはないが、LINEとの連携の意味も口にしていた。それはLINEの持つコミュニケーション性の高さを生かして、新たなショッピング環境を作り、それにより、これまでなかった顧客を獲得できるかにかかっている。彼らが意図するデータドリブンの構想にも結びつく。そういう視点を鑑みながら、一つ一つの施策に注目していきたいと思う。

 今日はこの辺で。

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