時代を読む まとめ
【まとめ】この店に来ると買ってしまう “シナブル” EC特化「MA」の腕の見せ所
ネットの強みは、データを活かすことにあります。それも的確なタイミングで活かしてやる。だからつい「買ってしまう」。 MA (マーケティングオートメーション)はそれを可能にします。MAでは溢れるデータの中で必要なものだけを抽出。その顧客に合わせたアプローチをすることが大事なのです。それゆえ、ECに適したUIであることが重要だとシナブル代表取締役 小林裕紀さんは言います。
MA マーケティングオートメーション の価値を知る
まずはじめに、マーケティングオートメーションとは、何でしょう。それは「シナリオ」に従いお客様との関係構築を、効率よく自動化していくもの。その「シナリオ」というのは、ステップメールなど、メール配信に関する機能を通して、その関係構築を自動化することを言います。
だから「オートメーション」なのです。
ただし、その「シナリオ」は各業界ごと、違っているわけで、それで難しいと言われちゃう。だから、シナブルはそこをEC特化型にして必要なデータを必要なだけチョイスして、それをアクションに繋げようとしたのです。ここに価値があって、誰もがやりやすいと言われる所以なんです。
記事: “マーケティングオートメーション(MA)” EC特化のシナブルの仕組みは何故やりやすい?(Clickで飛べます)
シナリオの作り方。直感的で楽しい道筋
次にシナリオについて、深掘りしましょう。マーケティングオートメーションは必要な行動から積み上げて、アクションに繋げるわけです。そこには店ごとの「シナリオ」があります。EC特化で 「EC Intelligence」を提供するシナブル。彼らの仕組みの場合、それは紙の方眼紙に、
そのシナリオはフローチャートのよう。そこからアクションを作り出します。そこでのやりとりを積み重ねるほど、アクションにバリエーションができてきます。お客様に自分たちの商品の魂を注いで自然にその行動履歴にあわせてやるほど、成果につながるのです。
記事:マーケティングオートメーション “シナリオ”の簡単な作り方 「EC Intelligence」で紐解く(Clickで飛べます)
■手段を複合的に掛け合わせて
続いて、MAツールの使用上の注意ですね。シナブルにしても、唯一無二と誇れるものがあるわけではありません(怒られちゃうかな。汗)。
一方で、EC業界では「メール配信ツール」「レコメンド」「サーチ」など実に色々なツールが存在しています。彼らもまたMAツールの中でそれらは実装しています。でも、それらと違うのは、どれか一つを使って結果を出そうとこだわっているわけではないということ。それらを複合的に重ねながら、実績を作るわけです。
大事なのは、ブランドが確立できたお店においては、データの収集と分析がキモになります。それを踏まえて、何が最適な機能なのか。それを手段を色々仮説と検証のもと、迅速に判断してパッパッと進めていく。これが大事。
関連記事:データを通して自らを知り、アクションは迅速に 仮説と検証がMAツールで一番大事な理由
■社長の真意
世界に通用するサービスだという自負を持って
実はシナブルの代表取締役 小林裕紀さんは二言目には、世界という言葉を口にする。図らずも、チャネルトークのJayさんが韓国を起点に、日本に進出し、世界を目指す理由を聞きながら、思わず彼の真意を述べ始めたのです。
彼は本気で「EC Intelligence」で世界を変えようとしていることを熱っぽく語ります。機能一つ一つは極論、実は他にもあるものなんです。けれど、彼は、それをECに寄せて考えたときに、必ず自分の知見が役に立つと。そこで必要な取捨選択と優先順位をつければ、日本位限らず、EC利用者の全てにとってその使いやすさを実感させられると思っているからなのです。サービスを説明するのとはまた違って、会社自体を知るという意味ではとても大事な言葉じゃないかと思うのです。
関連記事:The 社長対談 韓国の本気が日本のECに発破をかける
■ありそうでなかったMAによる「チャット」の実装
さて、上記を踏まえて、最近、シナブルでは自らの「MA」にチャットを実装させました。いうまでもなく、チャットに本格参入するということではありません。
メインステージは基本「メール」です。でもチャットを実装させればどうなるでしょう。そのチャットの内容を、そのシナリオ設計の入れ込むことができます。例えば、その問い合わせのチャットで寄せられる言葉のうち、管理画面上、共通のキーワードを抽出できます。だから、それもまた閲覧履歴と同様にお客様のデータとして、共通にしかも深くアプローチできる要素となります。
関連記事:マーケティングオートメーションにチャットを実装するその理由
(番外編)
元 千趣会 中山茂 氏に学ぶ カタログ通販とECは似ているようで違う
コロナ禍で、ネット通販に打ち込まざるを得なくなりました。
ただ、これまでリアルなど他の事業をやっていると、同じ手法でやるのは難しい。そこで、中山茂さんに聞きました。カタログ通販を主としていた千趣会に、ネット通販の手法を持ち込んだ張本人。他で事業が成り立つ中で産みの苦しみを知った人ですので、適任です。まさにカタログ通販とネット通販は一見すると似ている様で異なります。
例えば、カタログ通販で言えば、年四回発行されています。そこに合わせて商品の生産を行うし、そこで在庫が一気に増えてしまう。だが、それにネット通販を合わせようとすると無理が生まれます。つまり、カタログ通販の手法をそのまま、ネット通販で再現しようとするほどにうまくいかない。ネット通販への関わりを余儀なくされた中で、事業者が何を意識すればいいのかを考えます。
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