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マーケティングオートメーションにチャットを実装するその理由

 よりお客様とのやり取りがOne to Oneになっていくほど、蓄積されるデータは多様化されていく。だからこそ、データの収集もきめ細やかでなければならず、お客様とのやり取りが、中身を伴って進化していかなければならない。だからシナブルがMA(マーケティングオートメーション)ツールにチャット機能を実装させたことに僕は関心を抱いた。今、向き合うお客様にとっての最大の顧客満足度とは何か。この取り組みに、そこに応える新しい未来の予感を思ったのだ。

マーケティングオートメーションとチャットとの親和性は?

1.その発想の原点

 シナブルは元々「EC Intelligence」というMAツールを展開している。複雑になりがちなMAを、ECに特化させることでその担当者には相応しいUI、UXを構築していることに特徴がある。だから、自然に初心者でも図面を引くようにして、設計できる。お客様の行動履歴の何をデータとして抽出して、どうシナリオを作れればいいのかがわかりやすい。最終的には、それらのシナリオはメールなどで活かされて、自分達に向き合うべきお客様にしっかりとアプローチする。

 さて、チャットの話だ。

 MAをやっている会社が「チャット」機能を実装するという話はあまり聞かない。でもなぜ、やるのだろう。そもそも「チャット」をやっている会社は数あれど、別にシナブルがそこに参入するつもりでもないだろう。あえて、彼らがやる意味はそれをすることで自分達のサービスの良さを際立たせることに繋がると見ているからだ。

 その中身は何かを考える部分で、昨今のECにおける本質があると思うのでシェアしたい。

2.MAの価値を考えてみる

 元々、彼らの仕組みを考える際に、よくEC サイトでの「カゴ落ち」の話を引き合いに出すことが多い。せっかく買う寸前まで行ったのに、購入しないお客さまに対してどうアプローチするかが大事になっている。だから行動履歴をログで捉え、掛け合わせることで、相応しいシナリオを設計して、メールで成果を出すわけだ。

 ある一定の共通した要素を持ったお客様に共通にそして自動でアプローチする。ここがMAの真骨頂である。

シナブルがもたらした効果
上記はシナブルがもたらした効果だ

 その中にあって、シナブルで言えば、その担当者の使いやすさに加え、シナリオに合わせて、閲覧履歴からニーズに合わせてレコメンドすることにある。結果、購買意欲を高めて実績につなげているのは上記の通りだ。

チャットがお客様を知る手がかりになる

1.メールではあるのだけど

 だから依然として、メインステージは基本「メール」ということになる。でもチャットを実装させることで、そのチャットの内容を、そのシナリオ設計の入れ込むことができる。問い合わせのチャットで寄せられる言葉のうち、共通のキーワードを抽出すれば、それもまた閲覧履歴同様にお客様のデータとして、共通にしかも深くアプローチできる要素となる。これが大きい。

「EC intelligence」の中身
「EC intelligence」の中身

2.チャット自体もMAの要素をつけて付加価値となる

 加えて、チャット上でのやり取りも、その行動履歴からの分析が活かされる。担当者側が本来、MAで使う予定だったレコメンドを見て、それをもとにお客様に提案だってできるわけだ。勿論、一部効率化を図るために、チャットボット形式にもできる。ファイルの添付もできるから柔軟性は高い。

 購買率を高めているのは、閲覧履歴に基づくそのレコメンドだから、それがチャットでのやりとりに取り入れれば、そこで成果が出るのは確実だろう。下記のような感じで、ただ仲良くではなく、それこそ、これまでであれば、スタッフの頭の中に入っていたお客様に沿った提案が誰でもオペレーターができるようになるわけだ。

3.成果が出次第シェアしたい

 純粋に面白いと思った。これらの具体的な購買データについては、まだ始まったばかりで、彼らに聞いたところまだないとのこと。でも、僕自身、関心を持っているテーマだから、いずれ出してもらおうと考えている。

 少し、余談になるけど、以前、アーバンリサーチがライブコマースで成果を出したという話があって、それは別にそれ自体で価値があったというよりは、顧客満足度を重んじた成果であることに起因する。

関連記事:ライブコマース 成功の理由 データに基づき全員でお客様を考える“アーバンリサーチ”流 DX の賜物

 つまり、一人当たりの接客の質を上げていくと関係性が深まり、興味関心を持ってライブコマースを見る。だから、そのきめ細やかなライブコマース内でのお客様とスタッフのやりとりがダイレクトに反応して結果を出しているわけである。

 何が言いたいか。MAそのものがお客様を特定し、レコメンドを通して「自分のことを理解してくれている」という認識をお客様にもたらすもの。だから、具体的な数値として必ず実証されるのではないかと推測できるのである。きっとこの手の結果は、シナブルが取引する先のチャットでも同じ結果をもたらすのではないか。

4.One to Oneになるほど、きめ細やかな対応を

 思いがけず、以前、シナブルの代表取締役小林裕紀さんが「我々のシステムは足し算ではなく、掛け算だ」と話していたのを思い出した。つまり「EC Intelligence」というMAを入れることで、いろんな要素に複合的に紐付いて、価値へとつなげる。

 チャットの中身はMAのデータに生かされ、MAのデータはチャットに活かされる。

 チャット単体で成果を出す企業もある一方で、彼らは彼らでMAツールを提供しつつ、チャットを実装する意味がお分かりいただけただろう。

 よりお客様とのやり取りがOne to Oneになっていくほど、蓄積されるデータは多様化される。その分、データの収集もきめ細やかでなければならない。もっとお客様とのやり取りが、手段に限らず、中身を伴って進化していくことになるわけだ。

 MAツールが単に「チャット機能」を実装させた。ただそれだけでこの事実見ると、そんな時代の変化を感じ取ることができないし、活かしきれない。今向き合うお客様にとっての最大の顧客満足度とは何か。この取り組みに、新しい未来の予感がするのだ。

 今日はこの辺で。

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