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「普通でない」が「普通」な世の中に ヘラルボニー とベルメゾン、JR横浜駅でアートで人を惹きつける

 僕らって既成概念にとらわれすぎだと思う。勝手な偏見が実は誤った理解を促し、そして間違った方向へと人を導く。だから、僕はそんな殻をブチ破るブランド「ヘラルボニー」に関心を持ち、JR東日本 横浜駅にやってきた。同ブランドと一緒に、千趣会の通販事業「ベルメゾン」が商品を手がけて、ポップアップストアを開いたからだ。

ヘラルボニー ベルメゾン 人々の意識を変える

1.殻をブチ破るの意図は?

 殻をブチ破る?どういう意味かと思われるだろう。実は「ヘラルボニー」は障がい者が手掛けたアートをライセンスすることで、様々な企業とコラボレーションしているブランドである。僕はあらゆる才能は発揮されるべきで、その一つに障害者の独創性はきっと、新しい価値になると思っていた。だから、当然注目していたのだ。

 実は、この先進的な企業に出資をしているのがJR東日本グループであり、またその出身で、今は千趣会 取締役の佐野太さんの声がけもあり、このベルメゾンとのコラボ企画が実現したのである。想いを込めたベルメゾンの商品は、この日、多くの人は行き交うJR横浜駅の改札付近で、その始まりを告げた。

2.日常に普通でない感性を

 アートにおける視点。これは勿論あるが、もっと大事なのはそのアートを世の中に浸透させた後の世界である。人々がそういう障がい者への意識を変えていくことこそが、ヘラルボニーの真意。例えば、この道路は凸凹しているけど、そういう人には不便かな、と考えてみる。つまり、共存することを前提にした発想がもっと浸透するようにと考える世界を思い描いている。つまり「普通でない」という部分を、普通な世界に自然にいかにして溶け込ませるか、という事。両方の正しい理解ある世界を目指すわけだ。

 この日、このポップアップショップに足を踏み入れると、パッと晴れやかで独創的なアートが目に飛び込んできた。純粋さに満ち溢れていて、例えば、五十嵐成美さんの手掛ける作品「チューリップ」。

 赤や黄色などのポップなパステル調の色合いで描かれたチューリップは、どこか華がある。そこでベルメゾンの商品企画が、彼らの得意とするママ層に対して収納ケースを手掛ける。「どうだ!」とばかり、それらをモチーフに使い日常に明るい光を灯す。

ヘラルボニーの挑戦

1.既成概念を打破した軌跡

 何気なく、その会場で、千趣会の佐野さんから紹介されたのは、ヘラルボニー取締役 佐々木春樹さんである。元々、ファッションデザイナーであった彼は創業から間も無くジョインして、ずっとその現場に関っている。いわば、これらの先進的なアートをよりファッショナブルに引っ張る大事な存在だ。

 それらは例えば、どう生まれ変わったのかといえば、こちら。ヘアメイクアップアーティストの冨沢ノボルさんを迎えて、モデルの池田エライザさんを起用。それらのアートと日常が寄り添うイメージを演出して、あっと驚かせた。

 彼ら自身も自社ECを運営していて、それらをモチーフにした家具などを展開。かなり高価なものも多いけど、そのアート性が人々の心に訴えかけて購入するお客様も少なくない。一方で、ハイアットセントリック銀座と、それらのアートを存分に持ち込んだコンセプトルームの提案をするなど、企業との連携も盛んである。

2.ベルメゾンはそのアートをもっと身近に

 しかし、アートの可能性をより多くの人に、様々な形で伝えていくことも必要だ。勿論、上記のように高価な家具を提案する一方で、その裾野を広げる意味で、ベルメゾンのような存在は大きい。

 先ほどの収納ケース然り、エプロンやTシャツなど、どれも彩り豊かで、日頃の疲れも吹き飛ばして、晴れ晴れとした気持ちにさせてくれるデザインである。また、下のシャツでは親子で揃って楽しむシーンを演出するなど、アートを等身大のユーザーの視点に合わせて作っている。

 ヘラルボニーとのコラボ商品を見ていると、一つ一つに、個々の作家の名前も合わせて紹介している。先ほどの五十嵐さんも僕は、ここで初めてその存在を知った。当然ながら、ライセンスの形を取り、採用された分のフィーを支払うわけだけど、同時に彼らの存在意義を名前を示すことによって知らしめることに価値があるわけである。

3.商品タグに込められた愛

 「こちらを見てください!」ベルメゾンで商品企画に関わる田村 英さんにそう言われて、見せられたのは商品タグである。そこには「暮らしをアートで心ゆたかに」と文字が書かれているのだけど、なんとも味わい深い筆跡だ。障がい者の方が書いたものだろうか。

 実は、ここにはちょっとしたエピソードがある。というのも、最初に話した佐野さんの動きとは別に、田村さんもまた、この価値観に惚れこんで既に動いていたのだ。

 不思議な話、両者の意向はこの商品企画で形になって現れた時に交わる事となったから、会社としての想いもひとしおである。田村さんもまた、この精神をいかにして伝えようかと考え、だからタグにその文字を入れ込んだ。単純に可愛いデザインを作ればいいという次元ではないのだ。

 「これは我々にとっても特別だ」と彼が話すのは、そういう風にして、商品企画やタグデザインは田村さん、佐野さんは、ヘラルボニーとの繋がり強化と、エキナカやJREMALLでの販路確保の役割という部分で一丸となって取り組んでいるという強い決意の裏返しなのだ。

 そこまで踏まえた上で、この文字が、ヘラルボニーの代表取締役 松田崇弥さんの兄が描いたものだと聞いて何を思い浮かべるだろう。

3.兄が教えてくれた大事なこと

 実は、この話はヘラルボニーの創業の話にもつながっていて、松田崇弥さんの兄が障がい者であり、そこで感じた違和感が起業につながっている。

 家庭内では何ら普通の生活を過ごしている。それなのに一歩外へ出れば特別視されて、「大変ね」と気遣われる。全く同じなのにと。だから、兄と同じような境遇を持つアートを集めて、それを企業とコラボして商品として、普通に人々の生活に馴染ませる。そこでの収益も彼らに還元して、格差をなくして、彼らが活躍する土壌を創出していこうというわけである。

 先ほど僕が言った「普通じゃない」けど「普通にしていく」その革命の意図は、こういうところからのインスピレーションからなる。

みんなの想いを一つに「ゆたかな世界を」

 今回、JR東日本の協力もあり、JR横浜駅の多くのお客様が通り抜けるその場所にベルメゾンの商品を通して、それらのアートに触れる機会を作った意義は大きい。

 ヘラルボニーの佐々木さんのようなデザイナーやベルメゾンの商品企画の努力の甲斐あって、JR横浜駅のその場所だけ、パッと華が咲いたように明るい。だから、障がい者云々抜きに、お客様はそれを手にとっていて、それが大事だと思う。

 また、丁度、その後ろにはJREモールと連携して、そのサイトで売られているものを展示している拠点があって、そことも連動して、華やかにこの取り組みを盛り上げる。

 まずはフィルターを通さず、そのアートの良さを純粋に感じ取ってもらいたい。それを購入して使用して初めてそのヘラルボニーの掲げる理念に触れて欲しい。それを手にした人は、その感性に訴えかける商品を通して、その価値観を変えて、自らの行動を変えていくことになるだろう。

 ヘラルボニーの活動と、JR東日本の応援、そして、それを身近に感じさせる商品を通して、生活に馴染ませるベルメゾンの商品力と、販売力。三者が成せる技である。既成概念にとらわれることなく、そんな殻をブチ破るこの取り組みに、僕はエールを送りたいし、ガラリと変わる世の中であって欲しいと願う。

 今日はこの辺で。

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