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時代を読む まとめ

【まとめ】 ギフトショー 見て歩記

 今も昔も、東京インターナショナル ギフト・ショーには発見があります。斬新な切り口だったり、逆に、昔ながらの伝統を重んじていたり、その先に見られる商品は実に様々。かと思えば、才能のある作家もいて、コンテンツの奥の深さを実感したり。ここではその時々に感じたギフトショーのエッセンスをまとめました。

■職人技が織りなす工夫に圧巻

 派手さはないけど、地味にその工夫と職人技が、手にする人の心を打つ。そういうことだってありますよね。木製玩具でもテコの原理を用いて、自然の馬の動きを再現する。そういう職人技に触れるたび、ものづくりの意味をおもいます。

記事:地味な中にもきらりと光る燻し銀の中小企業の努力と個性 ギフトショー2023秋

■意外なところでコンテンツが羽ばたく

 ダサめな格好でベットで寝そべり、こう一言。 「世界一素敵な場所って絶対あたしのベットの上だわ。」

 なんとキャッチーな言葉でしょう。「麗しのアンジー」というキャラクターは女性の等身大を映し出します。そして、SNSを中心に共感を集めます。必ずしも可愛らしいというわけではないその視点にこそ、女性を惹きつけています。その人気に後押しされて、ガチャをはじめ、様々な商品になっています。

 商品も魅力的なコンテンツと結びつくと引き立つものです。お菓子のPEZをモチーフにしたグッズで展開するのは「PLAZA」です。もともとアメリカンカジュアルなテイストのお店。そこにあわせるように、これらのコンテンツの商品を並べていきます。

関連記事:大人の女性の心を掴む 麗しのアンジーの世界観 ギフトショー・キャラクター事情

■その素材もアイデアで見違える

 今度は斬新な切り口の商品群です。多様性に満ちたアイデアが随分、ネットの力も後押しして、可能な時代になりました。ありそうでなかったアイテムが続々。紙でプリーツを作って、それをお皿にするという発想など。創業150年の歴史を持つ鳥居の商品で、それって伝統を重んじるが故のチャレンジなんです。

 他にもクラウドファンディングのコーナーでは海外で脚光を集めたものの、まだ日本では馴染みのないものなど。熱い鍋を触る時にミトンを使うのはもう古い(笑)。手のひらサイズのミトンで、貝殻型。あわせられるように、磁石がついています。このように発見があるのも、ギフトショーならではですよね。

関連記事:生活の変化で視点が変わり 素材の価値は時代に合わせて更新される ギフトショー見て歩記 2022 春

■ニッチでシュールな視点もまたよし

 今回は、かなりキャラクターにしても、ニッチな視点で迫るものが増えてきました。それはSNSなどで、大きくなくとも拡散力があるからでしょう。その話題性から消費が生まれます。だから、皆に受け入れられるかどうかではない。「にじどうぶつ」なんて、まさにそう。このYouTubeは万人受けするものではない。けど、きっと確実にツボにハマる人はいて、その深さで熱狂が生まれます。

 グッズもキャラもそういう特定のユーザーに確実に狙いに行くことで、商機が見えてくるのではないでしょうか。

記事:ニッチな視点 きらり光る雑貨 輝くキャラ ギフトショー 2022春 見て歩記

■SNSだけで判断されない作家の発掘

地道にキャラクターなどの作家の才能を発掘を続けるFEWMANYが久しぶりに出展していました。

 キャラクターのコンテンツが近年、違った様相を見せています。その中で、SNSでのセルフプロデュースがうまく行っている作家が評価される時代になりました。それはそれで、多くの可能性が拾い上げられる。それはそれで、歓迎しながらも、彼らはそこでだけ、評価されることのないようにしていきます。商品に落とし込んだイメージから逆算して、商品化に相応しい作家に光を当てるのだそう。

記事:SNSの外側の価値に光を当てる 「 FEWMANY 」の“作家”愛(Clickで飛べます)

■仕入れるにしてもクラファンを活用して先に資金を集める

クラウドファンディングのブースに何故か、ネットショップの運営者が。

 実際、商品を仕入れて販売、もしくは商品を製造して販売するのも、いずれも先行投資で行われている。けれど、その一方で、クラウドファンディングを使って、最初に資金を調達するって手法もあるよねと。確かに、新たな視点で、商品開拓をして、新規顧客をとる上では得策かもしれません。なるほど、あって然るべきの方法です。

ギフトショー春

ギフトショー春

記事:一見すると…でも! ギフト・ショー で見た 変わり種商品(Clickで飛べます)

■アラビックヤマトのあの会社の地道な努力

派手さはなくてもいぶし銀なものも素敵で、アラビックヤマトで有名なヤマトも出店していました。

彼らが意図しているのは、今までなかった価値を提供すること。なので、トレンドに左右されません。ヤマトなりのこだわりと定着するだけの強い商品力。最近、発売されたのが、「テープノクリップフセン」という商品です。

 付箋なのに、テープカッター付きで、好きな長さで切れる商品。何故かトライしたくなる「そそる」商品です。

「テープノフセン」

「テープノフセン」

記事:メーカー 輝く いぶし銀の 技術力(Clickでで飛べます)

■アナログとリアルを融合させて利便性を生む

何気ないアナログ商品もデジタルと融合することで、これまでにはない、利便性の高い価値を生み出しています。それが「CA-TON」という商品。

 例えば、どこかに収納ボックスがあったとします。そして、そのボックスにタグ入りのシールを貼り付けます。どうするかというと、ここでアプリが出てきます。何ができるのかというと、蓋を開けずにスマホのアプリで中身を確認できる収納ボックス。なるほど。

記事:新たなものづくりの幕開け ~GiftShow2020(Clickで飛べます)

■その発想 に 皆がホッとする

 些細なところにアイデアのヒントが潜んでいます。「ミトン」と言いつつ、指先にはめるタイプ。「ホットスルー」といいます。カルチエの代表取締役 佐藤光子さんは、これまで色々アイデアを商品として具現化してきました。耐えることのないアイデアのうちの最新商品はまさにこれ。何気ない家庭の中で、アイデアって潜んでいるんですよね。

関連記事:電子レンジ 利用時に便利な「 ホットスルー 」その発想 に 皆がホッとする

■地方ならではの技術や特性を活かして商品に落とし込む

京都の「 京都烏丸六七堂 」は文具の魅力を、和紙の貼り絵の手法を使って表現しています。

例えば、ポストカードには、寿司ニッポンの食文化の定番「寿司」のデザイン。紙を愛し、紙で楽しみ、紙の未来を考えるブランドと謳うわけです。伝統を重んじつつつも、新しい切り口で光を当てるその手法が素敵です。

京都烏丸

記事:京都烏丸六七堂 の 和文具 和紙 の伝統に今の息吹 新風を(Clickで飛べます)

■地元の生産物を菓子に変えて価値に変える

その他では、富山で収穫される しろえび そして 富山米 。それらを礎に商品を作り、その地域に根差して、多くの人に慕われ、創業90年。それが 日の出製菓産業である。しろえびを使った煎餅です。このしろえびは「富山湾の宝石しろえび」と言われ、透き通った宝石のような姿をしています。素材が一級、そしてアイデア自慢の逸品です。

しろえび煎餅

しろえび煎餅

記事:富山米 と しろえび に想い託して 日の出製菓 の富山愛(Clickでで飛べます)

■ミニチュアにあるリアルさに胸が高鳴る

 きっかけはハリネズミでした。え?と思われる人もいるでしょう。実は、この会社の創業者が、ハリネズミを自分で飼っていて、自宅では可愛らしい背景で写真を撮ることにならないので、自分で、それ用の家具を作ったのが、スタートなのです。

 ハリネズミは掌サイズであるので、これに合わせる形で、小さな家具を作っていた。そこを背景に数多く写真を撮り、組み立てては、折りたたんでいたその最中に気づく。こういう背景で写真を撮りたいというニーズがあるのではないかと。その家具のキットは思いがけずファンに浸透。誰でも、ミニチュア家具を作れる仕様になっています。だから、本格的なジオラマだって、簡単に作れるのです。

記事:小さな 小さなドール家具 店が生まれた不思議な 理由(Clickで飛べます)

■磁石を使って変形を遊ぶ

そして、斬新な発想といえば、磁石ってこんな使い道があるんだな、と。アメーバのように自由自在、変幻自在に形を変形する磁石なのです。商品名を「SPEKS.」という。写真のように、ぐちゃっと崩すこともできるし、綺麗に四角に固めることができる。

記事:クラファン で みつけた! Mantaフォームローラー SPEKS.(Clickで飛べます)

 

 その強みは、地方であったり、他にはない視点であったり、SNSを通じた話題性だったり、と様々。そのそれぞれで商品は輝いています。売り場、戦略に合わせて、それらの魅力を最大化させて、コロナ禍に悩む世の中を、楽しく演出していきたいものです。

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