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【レポート】おもちゃショー2022へようこそ

先日、おもちゃショーが開催され、ここでは敢えて、これまで長きに渡り愛され続けている商品の今を追うことで、その理由について考えてみたいと思う。

他にはない創意工夫が長きに渡るヒットを作る

■「シルバニアファミリー」 変わらぬ魅力と進化の舞台裏

・大人にも受け入れられる理由

本来、女児にとって馴染み深いはずの「シルバニアファミリー」。しかし、「昨今、大人の女性にも受け入れられている」。そう、エポック社の担当者から聞かされて驚きました。実に、誕生したのが1985年で、当時はまだ馴染みの薄かったドールハウスを動物の家族で表現したのが始まりです。昨今、大人にも注目されるに至った理由は、消費者自身が様々な発信する側の立場になったから。

シルバニアファミリーをモチーフにしてSNSなどで投稿されることで、その裾野が広がっていったというわけです。本質的には変わらないものの、取り巻く環境と装いが少し変わってきたということになります。

商品の発売元のエポック社も、SNSでの発信は試行錯誤を続けていて、「そのこだわりは商品開発並み」というほど。そのフォロワー数はInstagramで17.6万人、Twitterで14.5万人で地道だけど、着実に伸ばしてきました。

話を聞いていて、今、女性の間ではスイーツなどのミニチュア素材をSNSに挙げる傾向があるので、それに近しい傾向なのかなと推測できます。

・あのパティスリーともコラボ

だから、女児といいながら最近洗練されていて幅が広がっていることにも注目です。昨年の話で恐縮ですが、こちらはパリのパティスリー「ラデュレ」とのコラボです。かわいいですね。

大人の感性を取り込みながら、違和感なくマッチしています。このブランド自体のその装いがより、感度の高いものへと進化しているというわけで、本当に何が“化ける”かわからない。

・綺麗な女性を連想させるポニー

いい意味でそれがいいサイクルを作り出し「女児の感性」も豊かにします。最近では、新しく「ポニー」が登場しており、そのデザインは大人びています。

「可愛い」というより「綺麗」なキャラクター像。それも、ポニーちゃんがヘアサロンを経営しているという設定です。

髪の毛を上手に結ったポニーテールが印象的ですが、それをフルに生かす「ヘアサロン」セットというわけです。

他にも「しろうさぎ、パンダの赤ちゃんセット」も展開しているけど、それもトレンドを抑えた動きです。昨今、SNSなどでドールの赤ちゃんをアップロードしたり、一緒に映るなどしてブレイクしていることもあっての事。子供向けなどと決して決めつけること勿れ、ですね。

本来、女児にとって馴染み深いはずの「シルバニアファミリー」は大人の感性を取り入れながら、幅広い女性にも受け入れられて、需要が拡大しています。子供と決めつけず、多様性を受け入れる世の中になっていることをシルバニアファミリーの商品が教えてくれました。

■アクアビーズも8周年!!

アクアビーズは、水でくっつくふしぎなビーズです。イラストシートに合わせてビーズをならべたら、 きりふきで水をかけると、それらがくっついて作品を作るというわけ。最近ではメタリック的な輝く素材を入れて華やかな印象へと変化しています。

そういう創作系のおもちゃは息が長くて、こちらは「ホイップル」という商品。

ホイップルはおもちゃでスイーツを作るもの。ホイップクリームを上からつけると、ケーキのような仕上がりである。何もないところにホイップすると、難しいので最新作では、そこに土台をつけて、そこにホイップすることでケーキを作りやすくするなどの工夫をして、その裾野を広げようとしています。

■“びっくら?たまご”その遊び心はお風呂を変えた

・20年目の節目でガンプラとのコラボ も

カプセルトイ然り、何が出るかわからないという要素は、人を好奇心に駆り立てます。それでお風呂場をエンタメの拠点に変えたのが「びっくら?たまご」という商品。たまご型の固形の入浴剤で、それが溶けた時に、中からマスコットなどが出てくる。それが20周年を迎えました。

累計出荷数にして、1億5000万個を突破しましたがその裏側には何があるのでしょう。

それは商品に向けられた並ならぬ姿勢でわかります。思わず、最新作で笑ってしまったのが、『緊急SOS!風呂の水 全部抜く大作戦』です。これは、テレビ東京の「池の水 全部抜く」をオマージュした商品です。

つまり、番組の名物である「濁った池の中にどんな生物がいるのか」という部分を連想させて、この商品では風呂の中身を隠してしまいます。

溶けるほどに風呂が濁って、たまご型の入浴剤が溶け切ると、池の中から何が出てくるのだろうという雰囲気をそのまま、ここに落とし込んだ上っで、マスコットがあります。

さて、そのマスコットは何かというと「カミツキガメ」「アフリカツメカエル」などキワモノ揃いなんですよね。

彼らは自らの遊び心を通じて、楽しいお風呂のシーンを演出するブランドとして進化したから、次はどんな遊びがあるだろうと期待して、今に至るわけです。

・女性にも配慮した視点

女性好みというところで言えば「サクレ」です。フタバ食品の「サクレレモン」のキュートなパッケージがそのままマスコットになっています。

その雰囲気を生かすべく今回は、入浴剤がボディスクラブになるような仕様にして、ドラマチックにその場所を演出するのです(この商品はボディスクラブ入浴剤とマスコットが別で入っています)。

女性の感性を取り込みながら、違和感なく「びっくら?たまご」の世界観にマッチしています。

・お風呂はもっとドラマチックになる

ここまでやるのかと思ったのが、「ガンプラ」とのコラボレーションです。この「びっくら?たまご」の発売元はバンダイであり、同社のシンボリックアイテムといえば「ガンプラ(ガンダムのプラモデル)」です。

「ガンプラ」は1980年の販売開始から現在まで累計7億個以上も出荷している世界的なヒット商品で、ある意味、伝家の宝刀です。

じゃあどうやって「ガンプラ」の世界観を損なわず、お風呂のエンタメに持ち込んだのでしょう。たまご型入浴剤から球体ランナーが出てくるようにしています。球体ランナーとは何か。ランナーはプラモデルの個々のパーツが連結されている“枠”の部分のことをいって、それが綺麗に球体になっています。

この商品ではたまご型入浴剤が溶けるとそれが出てくるので、解いて組み立てると全長30mmのminiガンプラが完成するのです。

驚いたことにそれと一緒に、ガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(グランドスラム装備)」が組み立てられるランナーが同梱されています。

とことん風呂をきっかけに楽しめるか。そのべクトルはおもちゃ会社なりに発揮され、商品の中でしっかり消化しています。「びっくら?たまご」が20年、やってこれた理由はそのような知恵と工夫の中にあるような気がします。

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