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“花”や“服”で売るのはもう古い 価値観で心動かす D2C に刮目せよ

 ものの価値っていうのはどこに潜んでいるかわからない。だから、ものに依存して、力任せに売るのではないのだ。そういう価値観を探して、商売に変える工夫がこれからは大事だ。先日、ふらりとフラクタの会社に立ち寄り、新感覚のブランドのポップアップストアに触れて、感じたのである。

花 を集めて価値にする

1.ものではなく価値で追う

 言うなれば、それは「ものではなく価値で追う」時代だと言うこと。だから、僕らが当たり前に向き合っている商材も視点を変えてみる。すると、全く別の価値観で、人々の心を満たすことだってある。それが企業とお客様との長きに渡る関係性を築くかもしれない。

 まさにそれを後押ししているのが「 D2C 」だ。例えば、花ひとつにしても、それが集まれば、その色合いは価値となる。僕が「BOTANIC」というブランドと話をしてそこに気づいた。

2.花単体ではなくシーンに共感

 BOTANIC代表取締役 上甲友規さんは、こう話す。「例えば、どれだけ鮮やかなピンクのものでもただそれを集めてくるだけではダサく見えてしまう」「何をどう組み合わせるかに価値がある」と。そうか、花もまた、服でいうところのコーディネイトのようだ。僕はそう思った。

 それはセンスであり価値観。だから、そこをお客様と心を通わせることができるのだ。そこが共感できていれば、このブランドが毎月、それを提案して、日常の心を満たすことができる。

 花そのものを売るというよりは、花がもたらす人の気持ちの方にフォーカスしている。通常の花よりももっと人々の生活そのものに馴染んでいる。だから、サブスクが成立する。だから、ユーザーとの間でもっと共感を生み出し、ファンを醸成しなければならないと、彼は言う。

 実はそれは生産性も高い。いざお客様がリピートすれば、セレクトも彼らが生産の状況も踏まえ、行える。つまり、良質なものを最適な環境で必要な数だけ用意できるわけだ。D2Cだからこそできる利点。深いお客様との関係性がもたらす、花の新しい価値。この発想がこれから大事になると思う。

自然を思い価値にする

1.無駄にしないアパレル

 服にしてもそうだ。季節ごと新作を提案して、プロモーションして売り出す。それがこれまでの常識。しかし「O0u(オー・ゼロ・ユー)」は敢えて生産数を抑える。真に必要な数だけ、必要なものを手掛けて、お客様と向き合うのが信条だ。「材料を無駄にしない」。その理念を掲げることで、実は、そこから生まれる発想も新しいものになった。

 例えば「手元には既に材料が存在している」という話。必要に応じて、いろいろな商品へと作り替えていくのである。それも最初、必要最低限の数量で商品の生産にかけて、その後の受注状況に照らし合わせて拡大。世の中から在庫過多による廃棄を防ごうというのである。

2.アダストリアの新基軸

 これらの素材が用意できているのは、この会社自体がアダストリアの関連企業だからという強みもある。通常のラインとは敢えて違った姿勢を彼らは打ち出す。そして、その生産体制、売り方を含めて見直して、新しい発想を取り入れ、次の時代につなげるのだ。

 「これは無染色なんです」とアドアーリンクの高橋朗さん。このブランドの運営に関わっているのが彼だが、その手にはニットガウンがあった。

3自然への優しさ

 「アルパカってご存知ですか?その毛を使ったもので、この色はそのアルパカそのものの色なんです」と続けた。

 染色しないという姿勢を打ち出した。商品そのものにも彼らのメッセージを添えている。また、ダウンジャケットにしてもそれ自体再生ナイロンを使用している。バッグもリンゴの皮を用いて、自然への優しい配慮を忘れない。

 今はこういうポップアップストアを繰り返すという。そこでメッセージを伝え、それらをネットショップへと誘導していくのだ。その価値観に触れてもらって、継続して購入するファンを作っていく狙いである。彼らの姿勢はしっかり届き始めていて、現状でも商品に対するリピート率が高い。それを実感しているので、未来への手応えはバッチリだという。

生活に密着して価値にする

1.生活をヒントに商品が生まれる

 大手企業が新たな姿勢を模索する一方で、洋服の知見もない中、無名な人物が一人で立ち上げてそれがビジネスになると言うのも面白い。「Jocund(ジョコンド)」というブランドもまた、服に新しい価値をもたらすものであった。

 着目したのは、リモートワークに特化した仕事と家の間をいく洋服である。

 自らが質の高い暮らしを意識して、インテリアなどの良さを日頃から、YouTubeで発信している。登録者数は万を超える。既にその価値観は一部の間で浸透していた。けれど、彼が言うのは、自らその質の高い暮らしに連動して、こうしたリモートワークに特化した服の必要性である。

2.想いあるところに広がるD2C

 リモートワークを繰り返す中で、考えたのだ。ボタンのない袖、お尻で踏まない裾など、そこに相応しいと考えるこれまでにないタイプのアパレルデザインを。それこそ自ら、ネットの検索から始めて、自ら工場に問い合わせ、必要な予算を割り出して、クラウドファンディングに挑むのである。

  まず価値観を醸成すれば、ものづくりが後からついてきているという現実。かつてであれば、考えられないわけである。ものではなく、価値から生まれるものづくりである。

 だから、思うんだ。僕らは商品に対しての固定概念を一度、取り外した方がいいと。大量生産大量消費にはない、真にお客様と育む価値観をどう構築するか、である。ものではなく価値で追う時代だと痛感させられたわけである。

 今日はこの辺で。

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