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蔦屋書店 OMO 戦略で 文化を醸成 胸打つ商品と共に

パッと見、メガネ拭きには見えない

 全国に点在する 蔦屋書店 の各店が醸成した文化は、ネットの力を得て、もっと身近に人々の心を触発させていくことになる。 蔦屋書店 が本日、記者会見で話している内容を聞いていて思ったことである。その記者会見とは、アプリを刷新し、TSUTAYAを起点に OMO を推進していくという内容である。

蔦屋書店 OMO で何が変わる?

  「OMO」は「Online Merges with Offline」の略称。要はネットとリアルの融合であって、TSUTAYAが提供してきた「レンタル」「オンラインストア」「配信」の3つを一つのアプリから顧客のニーズに合わせて楽しめるようにする、というものである。

 だから、オンラインストアで購入したのが、全国のTSUTAYAで店舗受け取りできたり、DVDレンタルとオンライン配信を合わせて定額制で1000円にしたりと、アプリの中にサービスを集約し、横断させて利便性を向上させている。これを手のひらのTSUTAYAと呼んでいる。中でも注目したのは、オンラインストアに関しての話。

 「店舗受け取り」そのものは別に目新しいわけではない。だが、蔦屋書店の特性を鑑みると面白いと思う。彼らはカルチャーを重じており、スタッフはコンシェルジュとも言われて、本の配置一つにも注意を払って、その世界観を構築している。それは店舗ごとに異なるから、店舗の数だけ文化があると言っていいだろう。そして、いつしか自らオリジナル商品も手がけるようになった。例えば、銀座蔦屋書店でしか買えない商品もあるのだ。

 この記者会見では、まさにその銀座 蔦屋書店でしか買えないアイテムに関しても紹介されており、これが今回、オンラインストアで買えるようになる、というわけなのだ。

 どんな商品?と思われるだろう。一つ挙げると「peti peto」。

 折り鶴の飾り物のように思えるがメガネ拭きである。折り鶴の形状になるようにプリーツ加工をしており、この形状が常に維持される。下の動画で見て分かる通り、どんなにグチャグジャっとしても戻る。手品みたいだ。

 CCCアートラボ 奈須彩夏さんが、自ら銀座の蔦屋書店の 仕入れなども担当しており、この商品力に惹かれて、その銀座の蔦屋書店のテーマに沿った形で、元の商品をオリジナルの柄で作成。他にも直接、アーティストと連携して作り上げたマスクなど、何らかの刺激を与えるだけのクオリティを持った内容なのである。(動画内で嬉しそうに説明するのは奈須さんご本人である。商品に夢中で顔を映していなくて申し訳ない)。

 とは言え、独自商品はそれなりのロットで作らなければならないし、店として在庫面などそのリスクは、気にならないのか。その点を奈須さんに聞くと、これは定番商品がコンスタントに売れているので、逆に独自商品に挑戦できて、その挑戦によって来店が増えるから、結果、定番商品の回転率が上がるという話をしてくれた。これらの商品は顧客を呼び込む大事な潤滑油なのである。

パッと見、メガネ拭きには見えない
パッと見、メガネ拭きには見えない

OMO で 蔦屋書店 の文化がもっと醸成

 つまり、それらのオリジナル商品はそのそれぞれの店舗の文化を背負ったもの。だから、今回のアプリ刷新によりオンラインストアで購入でき、身近なTSUTAYAで店舗受け取りできるようになったことで、僕らは全国の蔦屋書店の“文化”を買えるようになったと考えて良い。

 今日の会見の趣旨は様々な商品を揃えて「TSUTAYA冬のセレクション100」を開始するというもので、各地の店舗の想いがここに結集されることになる。

 ちなみに、このラインナップには、カリタブラック復刻版 など、その対象は二子玉川の蔦屋家電にも及ぶ。TSUTAYA総力を結集した内容である。

蔦屋家電の品揃えもそそる
蔦屋家電の品揃えもそそる

函館 蔦屋書店の地域密着っぷり

 下は、この会見でも紹介にあった、TSUTAYAの想いに通じる一枚の写真。文化を大事にするというのは、創業時代からなのである。モノを売り込むのではなく、自然にモノの必要性を、文化の魅力になぞらえて感じさせる姿勢は、僕も一目置いている。

TSUTAYA創業の意図
TSUTAYA創業の意図

 少し話が逸れるかもしれないが、だから、彼らは個性も大事にしていて、地域ごと、蔦屋書店の店舗の個性は際立っている。

 例えば、函館 蔦屋書店ではヨガをやったり、ものを売るというよりは、地域コミュニティのハブになっている。文化はコミュニティを作るのである。以前、函館 蔦屋書店について書かれた書籍を読んだところでは、地元のクリエイターと組んで商品を販売していたという話もあったように思う。もし、全国で受け取れるようになれば、そのコミュニティは広がりを見せ、その地域の埋もれた才能にスポットを当てることだって可能になる。

 取締役の田邊雄志さんはこの会見後に話を聞くとまさにそれに大きくうなづき会社としてもそれを応援する仕組みにしていると話した。「11月からはオリジナル商品で売れたものに関しては、関連企業に対しても粗利に応じた一定額をお支払いするようにして、店舗やそこに関連する企業の頑張りが反映されるようにしています」と。

 蔦屋書店が培ってきたそれぞれの店舗の文化に対する姿勢は、ネットの力により、全国へと羽ばたき、ネットで買えるようになればなるほど、各々の店舗での文化の醸成やそこで作られる商品開発は触発されることになるだろう。それぞれの店舗が自らの企画と文化への想いに誇りを持って、そのクオリティを上げていくことになれば、これこそ、ネットができる革命で、それぞれのリアルのお店を活かす施策だと僕は思うのだ。

 今日はこの辺で。

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