直近1年で 急成長 BEENOS だから 見えた 越境EC 世界 ヒット ランキング
「世界は一つだな。」それは BEENOS が記者を集めて開催した「越境EC 世界 ヒット ランキング」で感じたことである。越境ECでの売上をベースにして、そのトレンドを可視化するこの発表会で、今年のキーワードとして、代表取締役 直井聖太さんは「世界同時消費」を口にした。
BEENOS が示す 世界 で何が ヒット しているのか
1.世界同時消費にこめられた意味
消費が同時?その言葉に込められた意図はこうだ。過去であれば、地理的要因もあって地域的な格差はあって、コンテンツ然り、段階を経て広がりを見せていたが、最近はNetflix、YouTubeなどが躍進し、それらを世界中の人が同時に見て合わせて消費も同じタイミングでヒットが生まれるようになったという事。
それを直井さんが強調する理由は、越境ECのインフラが整って国の垣根を超えて流通するようになった事を言いたいからである。だから、そのブレイクと同タイミングで消費が追いついている。BEENOSが越境ECのプラットフォームを早くから確立して、その環境を整えたからこそ、この会社はそうした傾向にも迅速に対応し、世の中の需要に応えている。そんな自負があるから、直井さんは声に出してそれをいうわけである。
2.Buyeeの加速止まらず
代表的なのは「Buyee」で、日本の通販サイトと海外にいる人の間に「Buyee」という通販サイトを挟む。「Buyee」は海外にいながらそこで現地の言語に合わせて、欲しい商品を購入できる環境ができているので、それで商品を購入すればその「Buyee」が日本の通販サイトから代理で購入して、現地のお客様に送ってくれるというのである。
こうやって海外と日本をフラットにするために表側とバックヤードの両面からサポートを強化して、その必要性は多くの企業から求められることになって、それは数値からも明らかだ。その「Buyee」の流通総額は、コロナ前の2020年1Qでは41億円。それが2021年4Qでは95億円。いかに伸びたか分かるだろう。そして、それは加速もしていて、2021年4Qを前年同期比で見ても51.2%増。その着眼点は正しかったと言える。
コレクション性が高ければ国を超えて欲しくなる
1.世界は一つで見えてきたヒット
国内と同じように流通するその環境ができて、実際に利用されている現実を見て、僕は「世界は一つ。」ということを思ったわけである。これはこれで、日本国内を相手にするのと違ったマーケットがそこには存在していて、そこには一定の傾向があるから面白い。
それではランキングを見よう。下は北米、ヨーロッパ、東南アジア、東アジアのデータである。いずれも日本から海外に対しては、おもちゃやゲームなどが強く影響力を持っていることがわかる。
2. エンタメ、ファッションなど趣味嗜好性がキー
それを細かくみてみると、コンテンツやブランドが垣根を越えて発信されやすくなっていることと連動しているのかもしれないが、需要が伸びているのは、趣味嗜好性の高いエンタメ系やファッション関連のようだと彼らは分析している。
それを数値にしたのが下記である。エンタメ関連商品の流通総額では3.16倍、ファッション関連で言えば4.82倍まで伸びていて、上記の越境ECの成長はこの辺の伸びが押し上げたと言っても過言ではないだろう。
商品で言えば、どんなものか。エンタメ系ならコレクターズアイテムの動きが顕著。クマのフィギュアをキャンバスに様々なバリエーションをつけて希少価値を高める「BE@RBRICK」シリーズ、その他、特撮ヒーロー系のフィギュアなどが売れているのに加え、トレーディングカードの伸びは抜きん出ている。2020年1〜9月と2021年1月〜9月とで比較すると3.44倍にまで伸びているのだから驚きである。
コンテンツが世界一斉に配信され一斉にものが動く
1.配信の破壊力 消費にも大きく
そして先ほどの話に通じるが、「YouTube」が国を超えて誰でも見れるからこそ、例えば「ホロライブ」「にじさんじ」などに代表される「Vtuber」関連のグッズの18.99倍。
最近は、Vtuber側も世界を視野に置いているから、最初から、あらゆる国の言語に対応させて、ローカライズを意識。早くから熱狂が生まれやすく、それに関連する希少性の高い商品は熱気と共に消費されていくので、まさに越境ECの相性とは抜群なのである。
2.世界を意識したファッションは追い風
ファッション系でいうなら、日本発信で裏腹系ラグジュアリーブランド「VISVIM」で、そのコンセプトを世界に向けて発信し続けてきたことが奏功している。例えば、ソールを交換することで、スニーカーを履き続けられるようにするなどの取り組みは、インフルエンサーの間で話題を集めた。そうしたカルチャーがKOLやインフルエンサーなどによって拡散されて、着実にその裾野が広がっていて、そこに買いやすい環境が相まって売れるわけである。
また、ロリータファッションはInstagramで「#lolitafashion 」と検索すると、123万件もヒットするほど、脚光を浴びており、それがそのまま消費に直結する。だから思うわけである。個性は価値であり、その価値が国を超えて伝わると、その規模感は、国内に対してアプローチするより遥かに大きくなると。
国内とは別視点で広がっていくその習性に目を向ける必要があるのは、例えば、アパレル市場で見れば、2019年データによれば減少傾向にあるのに、世界のアパレル市場の推移は2025年に約300兆円になるとされているからであり、視点を意識するかしないかでその明暗ははっきり分かれそうに思うわけである。
日本から国を跨いで価値を求める動きも
1.日本から海外の何に目を向けたのか
また、「eBay」の日本専用サービス「セカイモン」は、アメリカ、イギリス、ドイツなどから出品される商品を対象に、日本語での商品検索や閲覧、日本円での入札、検品などを担っていて、それをみると日本人が購入する場合のグローバルマーケットの特徴が見られる。
上記でも「トレーディングカード」の人気の高さは記載したとおりだが、ここでもトレーディングカードの人気が高まっており、特に大谷翔平選手の商品はオールスターシーズンで、通常の40倍の購入数だったという。
2.リユースでのやり取りも個性として定着
上記に示したもの以外で、世界に一つしかない個性として、グローバルに脚光を浴びるのが、リユースであって、そこについても言及。アメリカでは古着市場が現在、2021年段階で368億ドルが、2025年には770億ドルに達するとも言われており、日本での古着が世界に対して羽ばたく可能性を秘めていることを明かしたわけである。
世界は一つになった消費も
正直、ネット通販の文脈ではこれまでも度々、越境ECというキーワードが飛び出したが、実際にはそこまで期待したものではなかったことも多かったのではないか。でも、それはそのプロモーションがリンクしてこそその爆発力があるということであって、それが今回、配信系のサイトなどとの連携で、ようやく日の目を見たということなのかもしれない。
配信が世界に張り巡らされたことで、消費もそれと同時にヒットする時代が間も無くきていることを、コロナ禍で証明されたということになる。
配信系のプラットフォームがもたらす革命は、物理的な要因を超えて、同時にそれを享受できることであり、世界で同時にコンテンツを見るということは、世界で同時に消費が生まれるということになって、国内ターゲットでやっていたのとは違う消費が生まれています。
だから、一言で言うなら、世界は一つであり、だからこそ、引き立つ個性があって、それを見逃さずに適切に流通させていこうというBEENOSの考えは、結果的に証明された。勿論、国内市場でポテンシャルがあるブランドなり商品なりは、一度、海外を視野に入れて、その価値を最大化させるにふさわしい、インフラとマーケットが備わってきているから、そこにチャレンジする必要があるということだ。
今日はこの辺で。