潜入!“冷蔵倉庫“ 通販で需要が増えるその舞台裏
昨今、様々なものがネットに置き換えられている。だから、通販でも生鮮食品が当たり前に流通し、ネットスーパーも躍進している。だから必然的に、物流拠点でも冷蔵倉庫の関心が集まる。そこで、東京・中目黒にやってきた。実は、ここに流通サービスによる冷蔵の配送センターがあって、都会のど真ん中で驚いた次第。同社は先駆けて、今から10年以上前から導入している。
ちょっと見せてよ“冷蔵倉庫” 通販 拡大で引き合いも多い
1.中目黒から祐天寺の閑静な住宅街
その場所は中目黒駅から約10分ほど少し山道を登った先にある。その広さは都心ならではでコンパクト。305.75坪である。
ただ、聞いてみると今から12年前から存在しているのだという。そうか、当時は今ほど生鮮食品における物流の需要はなかったものの大事な拠点だったわけである。要は理にかなっていた。
2.生産者のこだわりを再現する為に
背景にあったのは、生産者のこだわりである。彼らが請け負う通販企業は一様にその意識が高く、それを具現化する中で、この拠点が生まれた。
つまり、その生産者のこだわりこそがお客様にとっての付加価値。だから、その通販企業から継続して購入するのだと流通サービスは説く。ゆえに、その両者を繋ぐ品質を守る上でも、良質な物流拠点は欠かすことができなかったと。良質な生産者の高いノウハウはこの物流拠点によって維持されてる。そしてそれが、通販会社の付加価値となっている。
この中目黒エリアは比較的こだわりのある生鮮食品を購入している人が多かった。それも少なからずプラスに働いている。今ほどネット通販が生鮮食品に関心を示していない時代でも、この倉庫は十分な役割を果たしていたのだ。
今はそもそもの物量が増えて、冷蔵倉庫が必要とされている。その視点とはまた別の視点で、物流を強みに変えて、店の真価を発揮した、一足早いデジタル革命だったのだ。
3.大事な中継地点で保管拠点
「こちらです」ガラガラと重い扉を開ける。すると、半袖では寒いくらいの冷蔵であった。ここに仕分けされた生鮮食品が入ってくるのである。
通販企業は日中、様々な生産者から野菜などを集めてくる。そして、こことは他の場所にある倉庫でそれをお客様ごとに仕分けするのだ。仕分けされた商材が、この中目黒の倉庫に運ばれてくる。
今は空いているけど、夕方には、この倉庫はぎっしり商品で埋め尽くされる。それがその日の晩、そのまま保管されて、翌朝、各地のお客様の元へと、鮮度を失うことなく届けられる。
物流を効果的に活用して顧客満足度を高める仕組み
1.受注予測ができているから倉庫のキャパもわかる
そもそも通販企業は受注予測をしながら動いている。そこに基づき、受け入れる倉庫のキャパシティを押さえておけば、いいのである。
自分たちは、それですぐにお客様の分を取りまとめれば、この倉庫に出荷されて、保管される。つまり、そのまま適量、この倉庫に入れて保管のうえ品質を落とさず、お客様のもとへ出荷される。なんと無駄がなく、スムーズな連携だろう。
特に、荷主の通販企業は、サブスクリプションを取り入れている。その利点で、なおさら、受注予測がしやすくなる。生産性高く、計算された集荷と出荷が具現化される。
品質を保つという要素で物流を上手に活かすわけである。
2.鮮度が高くて美味しいからリピートする
これで、迅速に劣化させることなく、お客様のもとに届けるわけで、物流を味方につけて、顧客満足度を上げているわけである。
語弊を恐れずいうなら、スーパーマーケットよりも早く鮮度が高く届く。だからこそ、僕は便利云々の話ではなく、物流は強みに変えられると思うわけだ。今まで当たり前に「スーパーマーケットで生鮮食品を買う」という行動すら実は変化していくのではないかと思うのである。
単純に需要が多いからという今の視点とは少し違うわけである。これも大事なデジタル化がもたらす利点だ。それゆえ、この拠点のように都心のど真ん中にこういう冷蔵などの物流拠点があってもおかしくない。
本当に「よりいいものを手に入れる」ために通販を使っていく。その裏側ではこういう物流などを組み込んだ、俯瞰的な目線で、メカニズムが組まれている。おそらく、これから先ネット通販の躍進とともにこういう冷蔵倉庫の需要は更に伸びるのではないか。
要は視点を変えること。ここでは物流を付加価値に変えた。デジタルは利便性だけではなく、顧客満足度にも隣り合わせている。その創意工夫次第で、価値へと変わる。
今日はこの辺で。