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はじめよう ネット通販 、世界で何故浸透しているのか

はじめようネット通販、小売もコミュニケーション手段だ

 インスタグラムで自分の価値観を表現するように、小売を一つの自己表現手段と捉え、商品をきっかけに、まだ見ぬお客様とやりとりをしてコミュニケーションをとっていく。それが、新時代だと思います。それを可能にしたのが ネット通販 です。小売が誰でもできる、手の届くところになったのだから、 はじめよう 。今日は世界で、日本で、どうやって広がりを見せたのか、そんなお話をしたいと思います。

 例えば漁業に関わる人がいたとして、彼らなりのメッセージを添えて、直接お客様に、とれたての魚を送り届ける、それも今なら可能です。飲食店をやっているのであれば、普段来てくれるお客様に、いつもと違った切り口で、加工品を作って、ネット通販で定期的に販売したり、それも可能です。

ネット通販はどれだけ伸びているのか?

 ちなみに、今、ネット通販がどのような状態にあるのか、その説明をします。下の表は、経済産業省が発表している『BtoC EC 市場規模』と呼ばれるものです。BtoC ECというのはBusiness to Consumerで、企業から一般消費者の人に対して売る「ネット通販」のことを言います。

 このマーケットは拡大の一途を辿っていて、2016年は16.5兆円で、2017年17.9兆円(経済産業省調べ)となり前年比で比 8.96%増です。これは日本に限った話ではなくて、世界的に言えば、もっと成長しています。

ネット通販がいかに伸びているか
ネット通販がいかに伸びているか

世界のネット通販の伸びはいかほどか?

 世界のネット通販の市場規模についてですが、経済産業省のデータによれば、世界の EC 市場市場規模は、日本円にして313 兆円(2018年推測値)だと言われています。世界でもっともネット通販が盛んな地域はというと、下記の図の通り、アジア太平洋地域で、その市場規模は日本円で190 兆円、全体の中で61%も占めています。

アジア太平洋が多く、特に中国の成長がすごい
アジア太平洋が多く、特に中国の成長がすごい

 北米をもってしても、20%に過ぎません。中でも、中国は小売市場に占める割合は22%と米国と同程度なのに、ネット通販のマーケットに占める割合は52%で、米国の 3 倍近くの規模なので、ネット通販の活用が浸透していることがわかるし、それが国自体の成長を後押ししていることがわかります。

 中国には「天猫(Tmall)」や「淘宝網(Taobao:タオバオ)」というオンラインモールがあります。ここの売上を見れば、その勢いを知ることができます。これらのモールが11月11日に「独身の日(W11/ダブルイレブン、中国での表記は双11)」という、世界最大規模のショッピングイベントを開催しているのですが、この日の24時間だけの流通総額でも2,684億元(2019年)で、日本円にして約4.16兆円にものぼります。2018年が2,135億元ですから、約26%上回っている計算になります。それだけネット通販が身近になっています。

小さな単位で はじめよう ネット通販

 そもそも何故、中国ではそんなに浸透したのかというと、淘宝(タオバオ)などのCtoC(一般消費者同士の取引)が盛んだったからです。日本でいうところのフリマアプリで、中国は国営企業ですから、企業への信頼よりも、むしろ個人の発言などを強く信用して、そこからものを買うことが多かったのです。

 だから、日本よりもネット通販の活用が一歩先へ行っていて、ごく一般の人が自分で商品を作ったり、作品を手掛けたりして販売しているうちに、インフルエンサーとなって、影響力を持ち、小売をしています。

 これはネットというツールは個の可能性を引き立たせることを、可能にすることを証明しているわけで、これは中国に限った話ではなく、例えば、アメリカでもChoosyというブランドは自分達のファンにデザインを見せて、欲しい声が集まれば、その場で生産をかけ、ごく限られた数量だけ作って販売を行っていたりします。小売の従来の概念とは全く異なります。

 つまり、小売はネット通販という手段を手に入れてから、小さな単位から大きなものまで、小売全体をフォローできるようになったことで、小さくとも小売が成立する時代がやってきています。

小さくとも大事にしたい価値観、それがネット通販の土台を作る

 ちなみに、日本でも大きな百貨店ならずとも、ネット通販は、大きな資本がなくても、自分のアイデアを具現化できるだけのチャンスを掴んでいる店は数多く存在します。 例えば、福岡にある「ピアリビング」は防音器具のネット通販サイトです。防音器具の潜在的なニーズは、あったのかもしれない。けれど、それは、無機質に、そのユーザー任せで、あくまで施工に重きを置いたものでした。

ネットだからできた防音に特化したピアリビング
ネットだからできた防音に特化したピアリビング

 けれど、ピアリビングはユーザーたちの住宅環境を考慮し、悩みに耳を傾け、シーンを考えて提案し、お客様の支持に応えて来た結果、そこの求めるお客様の姿があったのです。 店長であり社長である、室水房子さんは、「お金儲けと考えず、まずは実際の悩みに耳を傾けて欲しいとスタッフに普段から話している」と話していて、小さなニーズとも、このネット通販が商売のきっかけを生み出してくれています。ちなみに、このお店は10年以上、愛され続けて今に至ります。

 ファンとの交流も深く、東京都内で開かれたイベントに伺った際には、「足が悪いのに、杖をついて、イベントに顔を出し、ありがとうと言いにきてくれるお客様、防音商品を自分の家でこう使っていると写真を見せて、感謝してくれるお客様、本当に感動の連続でした」そう語っていました。これが先ほど、記事にも書いた、小売はコミュニケーションだとする所以です。

店長さんの室水房子さんのYouTubeもあります。

 他にも、エソラワークスさんという会社では、子供達の描いた絵をぬいぐるみにするという商品を手がけています。その視点は大手の小売を考えていたらできないもので、自ら思い立って、自ら商品を作って、それを販売したから、今があります。自分たちに商品があるなら考えがあるなら、このネット通販という土壌で、発信してみる必要性があるのかもしれません。

小売は今やコミュニケーション手段の一つです

 また、このネット通販が注目される理由の一つとして、発信すればリアクションがあるということです。一度のメールの往復で、様々なキーワードとヒントが出て来ます。まさに、遠くの相手と交流できるのがネット通販の醍醐味です。

 すると、ファンは生まれる。インターネットはそこのファンと発信者の距離を近づけてくれる。そして自らの商品の方向性や未来を考えるヒントもくれる。だから、繰り返しますが、ネット通販もまたコミュニケーションです。

じゃあ、ネット通販、どうやるの?

  • 1.オンラインショッピングモール(出店型) 簡単にいうと、商店街のようにして、お店を出店する「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「au Payマーケット」があります。これらのモールが最低限、販売するのに必要な環境と、各モール内において、広告やクーポンなどの何らかの施策を打つことで、お客様を呼び込むことができます。最近では、経済圏と言って、それらに関連する企業で得られるポイントなどをここで活用できたりするので、それも購買意欲を高める要因になります。
  • 2.オンラインショッピングモール(出品型) Amazonが出「品」型。出「品」型とは、Amazonという巨大なお店の中に商品を出品する形式をとっています。だからAmazonには店単位ではなく商品単位で閲覧します。1商品に対して1ページです。でもこの仕組みこそが商品の売れ行きをそこに集中させ、生産性を高めて結果を出します。1ページなので配送環境や価格など、条件のいいお店しか上に来れませんが、上にくれば効果は絶大です。
  • 3.独自ドメインサイト 上記のAmazon、楽天などのカラーなく、完全にオリジナルの自分のお店ができます。その反面、何もない平地に家を建てるようなものなので、人がいまhttps://www.future-shop.jp/せん。なので、ユニクロのような名前が有名なところが比較的多く見られます。ただ、そうでないところも自ら広告を駆使して集客をして、売上を立てています。ただ、一度お客様になればお店のファンでリピーターになりやすいです。カラーミーショップショップサーブフューチャーショップ、新興勢力で急拡大するShopifyなどのサービスを使うと実現します。
  • 4.即席サイト とにかく細部のことはさておき早く作りたい!そんな人向けに、BASESTORESなどがあります。数分でショッピングサイトを作れて、かつ商品登録も簡単にできて、既に決済環境が整っているというものでシンプルです。アーティストが自らの作品を売りたい、本当に小さいな売り場でも可能になるので、手始めに、ここからスタートする人は少なくありません。

 老舗は1990年代後半にできた、楽天市場と2000年初旬に頭角を見せてきたショップサーブです。なお、数分さえあれば、ショッピングサイトを作れてしまうBASEなどは、誰でもできてしまうその手軽さで、ショップ開設数が、100万ショップを超えたと言っていて、ニュースになったばかりで、誰もが当たり前に小売をやってもおかしくない土壌ができています。

 従来の小売のあり方というのは、ここの記事でも触れているのですが、メーカー、問屋、小売店という構造の中にありました。しかし、それは、上記の通り、ネット通販の登場により、変化を迎え、場所がなくとも、販売できるコストパフォーマンスの良さから、小さく商売を始めることが可能となり、また、最近ではちょっとした自分の作品をたまに販売するくらいの程度でも、BASEなどがあるゆえに、売ることすらも身近になりました。

 ただ、自分として何が売りたくて、その売った商品で、どんな価値を提供したいのか、が大事です。買っていただけるお客様がいれば、その価値は広がる可能性を持っていますし、そうやって商品を増やしたり、販売を繰り返していく中で、初めてお客様から自分の立ち位置を教えてもらい、小売を通して、求められる自分に変化できるかが、これからの小売にとって大事なことになります。

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