着て見て触って日常を変えるもの 子供と共に好奇心を育む商品たち HOHO
僕らは大人になるにつれ、日常に好奇心を抱くことはなくなっていく。けれど、大人だって何かしらに好奇心を抱くだけで、実は、閉塞感のある日々も「彩りある」ものへと変えていける。「HOHO」というブランドが着目したのは子供服。え?大人の話でしょ、と思われた方、それは違う。子供が着用するアパレルのデザインにひと工夫して、子供の好奇心を駆り立てると、不思議と、寄り添う大人にも明るい気持ちと気づきをもたらすということなのである。
子供の好奇心を大事にする 商品
1.物置の扉の向こうに誰が住んでいるのだろう
きっかけはこの一言。「子育てをしていると、大人の私たちが子供たちから学ぶことは沢山あります」
「例えばどんな時ですか?」と僕が聞くと「集合住宅などにある、床のすぐ上あたりにある何に使うのだろうというような小さな窓です」と。「窓?」と怪訝そうな顔をする僕に、ニコニコしながら、スタッフは「はい、小さな窓を見て、それをみて子供は『あそこには誰が住んでいるのだろう』と平然と口にするんですよね」と。
少しハッとさせられる。
大人たちにとってみれば、何の変哲もない小窓でしかなく、誰もそこに住んでいるわけなんて、ないでしょ!時間の無駄!くらいに思いがちだが、それこそ、そういう想像力が貧困になっていると言わざるを得ない。
2.楽しみ損ねないための洋服
けれど、彼らにとってみれば、その分だけ、日常を楽しみ損ねているというわけで、そういうことが閉塞感のある日々を招いてしまうのではないかと強調するわけだ。もしも、好奇心を持って、その扉を見てハリーポッターの世界のように、世界が広がると思えば、何気ない日常も楽しく思えてくる。
着るための服ではなく、好奇心を抱くキッカケ作りとしての服を商品として作れないか。ここが彼らの着想の原点である。子供の想像力をテコにしようと。手がける商品を「商品と見ていない」。子供のフィルターを通して、何を作ったら、想像力を駆り立てられるかに思いを馳せる。
2.好奇心を持てば日常も変わる
一番身近なその入り口は、キッズ用品だと。
洋服一つにしても、写真を見るとわかるが、背中にフードがついているけど、フードではない。服でありリュックであるというジャンルが不明な逸品。洋服であれば子供に向けられる言葉は「ちゃんと着なさい!」ってことになるけど、それだとギスギスするだけだ。
だから、変に洋服の形に当てはめないことで「これはどう使うのだろう」と想像力を駆り立てられる。「なんだろうねぇ」そう言って、親子それぞれ、それの使い道を考えてみるこの時間こそ、実は子供だけではなく、大人にとっても大事な時間だと言うのである。言っている事は奥が深い。
3.御伽噺に入り込むような、日常をチェンジさせる洋服でありたい
恐竜になりきる帽子などもある。要は、デザイナーの娘が恐竜好きすぎて、恐竜になりたい、というから作った、恐竜になり切るためのグッズである。それも日常を楽しくチェンジさせてくれるもので、僕はそういう風にして、洋服を再定義したところに面白さがあると思っている。
雑貨でもこういった形で、おとぎ話のような世界へと誘う。雑貨やアパレルでそれをみにまとい、その世界に浸って、本当に親子ともども充実してほしいと思っているわけである。
今の時代はものに溢れていて、欲しいものが手に入る。でも実は潜在的に、大人たちが欲しているのはこういう時間なのかもしれないと思った。ぽっかり空いた心の穴を埋めてくれる、これからの時代に必要な商品なのかもしれない。
今日はこの辺で。