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女性の感性に心を澄ますとSDGsが理解できる理由

 最近、SDGsに関してよく耳にしますが、それを誤って使っている人が多いように思う。また、同時にそれを綺麗事で捉えて、頭ごなしに毛嫌いする人も多いのも事実で、それも違うなと思っている。別に綺麗事でもなんでもなく、必要なこと。それを紐解くヒントが、僕は女性の感性にあるのではないかという話なのだ。

SDGs と 女性の感性 には因果がある

1.商品の商品たる所以

 この話をする前に、インフルエンサーであり、若き経営者でもあるハヤカワ五味さんから生理用サプリ「TICKET supplement (チケットサプリ)」について話していたことを取り上げておく。これがまず大事なことだ。

チケットサプリから生理に対して意識を変える
チケットサプリから生理に対して意識を変える

 それは、女性の場合、体調が悪くなった際、それが生理のせいにされる事はなく「自分の体調管理が悪いだけ」と決めつけて我慢することも少なくないという話なのだ。だから、彼女はこのサプリを通して、その現象は「あなただけのものではない」ということを商品を通して伝えたいと話していたのである。

 今までの商品というのは「価格」と「自分が得られるもの」が釣り合っているかどうか、という部分に寄っていたはずなのだ。それが商品たる所以。商売としてそれが分かりやすいからだ。

2.ネットが商品のあり方に変化をもたらす

 でも、そこに少し揺らぎが出ているというのが今の時代であって、それは、ネットによって誰でも、それぞれの「表現」に簡単にアクセスできるようになったからではないかと思っている。だから、効くか効かないかではないのである。

 この部分をおさえた上で、女性の感覚を捉えておきたくて、特に、これまでのマーケティングで蔑ろにされてきた「情緒的感覚」という部分である。以前、女性マーケティング企業のハーストーリーの日野佳恵子社長が男女の違いに関して、こう話していたのを思い出した。

3.次世代継承型に対しての責任

 男性は「結果として何が求められるか」を主張するのに対して、女性は「買うプロセスを楽しく演出する」ことに注力すると話しているのだ。つまり、そこでは「買い方」「選び方」「スタッフとの会話」などを重視しているのであり、それこそまさに情緒的感覚で、他者と共存する意識の高い共存する意識の高い女性ならではの本能だと僕は思うのである。

 つまり、ハヤカワ五味さんの話は、女性らしく生きるそのプロセスの大事さを提示して、だからこそ、共感に訴えかける事によって、そういう女性に対して、長い目で見て、何が提案できるかを考えているという事になって、だから、サブスクリプションが成立しているという事になるわけである。

 「SDGs」はまさに、そういうプロセスを重んじるという事なのだと思う。これは女性が「次世代継承型に対しての責任」を持ち合わせていて、その部分が、表現力を増したネットの時代で顕在化してきたものではないかと思うのである。

サスティナブルな買い物の高まり

1.20代女性を中心に意識が高まりつつある

 これは楽天リサーチのデータで「新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてから、『サスティナブルな買い物』に対する意識に変化があったかというもの。20代女性に関して言えば、全体の41.8%にまで及んでいる。

 それに対して40〜50代の男性においては20%程度。倍近い差が出ているという事になるから、その感覚は軽視できない事になるわけである。

2.SDGsを前面に出すと痛い目に遭う理由

 さてさて、なぜこういう話で、僕は、最初にこのデータを持ってこなかったか。それが先ほど話した女性の感覚が大事だからで、このデータだけを見ると「よし!SDGsを前面に押し出せば売れるぞ!」という具合になりがちだからである。それはまさに、男性の特徴だからである。

 しかし、それが全くの逆効果である。これを紐解くヒントは20代女性が反応を示しているということであって、次の時代に残しておくべき「次世代継承型」のテーマだからこそ、彼女は大事だと言っているのだと思うわけである。そう考えると、SDGs的なものをいかに「継続できるか」という視点で見流ことが大事か、というわけである。

3.継続できるかの視点

 すると、こういう価値観が出てくる。以前、hinataという会社の入野さんという女子大生の社長に出会った時に、彼女はジェンダーフリーコスメ「UNILUSTER(ユニラスター)」を提案しようとしていた。その時、彼女は「男性にもコスメを」と話していた。

 でもこの「プロセス」が大事。化粧というと、女性はつけていないとダメ、マナー違反といった雰囲気に対して彼女は違和感を感じた、という。「女性がつけなくてもマナー違反ではない」と彼女は思っているから、「男性もつけておかしいと言われる筋合いはない」ということを導き出し、この商品を販売しているわけである。

 この発想こそ、「次世代継承型」ではないかな、と思うわけだ。だから、毛嫌いする意味もわからないし、SDGsで世の中に貢献してますよというのも違う、というのを理解いただけただろうか。極めて、真っ当な考え方の中に「SDGs」があって、もっと大事なのはずっと継続する事によってその後の未来に価値をもたらすかどうか。ここなのである。

 今日はこの辺で。

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