Mayuranoir アンティーク に宿る 指輪 愛と 職人 技

指輪 を手に「国内製に拘っているんです」そう言われ、思わず僕は「ということは山梨ですか?」と言うと、嬉しそうに相手は「はい!そうなんです」と答えてくれて、僕も嬉しくなった。会話の相手は アンティーク ジュエリーブランド「 Mayuranoir 」のオーナーであり、デザイナーの吉田麻由良さん。
彼女が手掛けている アンティーク ジュエリーは、その名の通り、少し、前の時代を彷彿とさせる、気品が漂うデザインであり、煌びやかな天然石が印象的である。そこには、19世紀ヨーロッパのエッセンスが深く浸透している。

それは、吉田麻由良さん自身が、以前、フランス、パリへ仕事で訪れた時、古びた指環に出会い、そこで、目が離せなくなり、アンティークジュエリーに惹かれたことに始まると言う。その想いは尽きることなく、自らのお金でブランドを立ち上げ、デザインをして、商品を販売するに至った。
だから、作りにはこだわりがある。写真の指輪は「Mélisande(メリザンド)」と言って、大粒のメインルースの周りを淡水パールで囲った仕様。注目すべきは、天然石を支える爪である。

爪が尖っていないのだ。もし尖っていれば、ストッキングに引っかかり、伝線させてしまうこともある。海外製であれば、これだけ繊細に、爪を削って、丸みを持たせて、馴染ませることはできない、と話す。
アンティーク の 指輪 に込められた Mayuranoir なりのイズム
冒頭の話に通じ、以前、僕も、ジュエリーの企画をしていたので、わかるのだが、ジュエリーというのは、その多くが山梨で作られる。ここに工房が多く存在し職人も多数、在籍しているから、彼女またそこに足繁く運んで、自らのジュエリーのそのクオリティに拘っているのだ。
海外のアンティークのテイストに惹かれ、それをデザインに取り入れながらも、その一方で日本の職人技を上手に取り込んで、オリジナリティを醸し出す。職人を大事にするのは、彼女は使ってもらった後も頭に入っているかだら。
アンティークがそうであるように、何か不測の事態が起こっても、常に修理できる環境を用意して、そのジュエリーが、いつもお客様と寄り添えるように、という思いもあるから、だ。気心のしれた職人だからこそ、お客様のジュエリーは年を追うごとに、修正を通して、逆に、個性的で魅力的な輝きを見せてくれるに違いない。
ジュエリーは長い付き合いになるからこそ、価値あるものを、選ぶべきなのである。今日はこの辺で。