AnimeJapan 2025のステージ裏側――アンバサダー櫻坂46が語る、アニメの融合が作り出す、とびきりの空間――

「世界最大級のアニメの祭典」。そう言われて、まず想像するのは熱気にあふれた会場。そして実際に足を運んだ「AnimeJapan 2025」は、その想像を軽く超えるパワーで迎えてくれた。東京ビッグサイトを舞台に、国内外からアニメファンや業界関係者が一堂に集まるこのイベント。それは、全体がまるで一つの“文化祭”のようだ。ブースやステージ、フードにグッズ。いたるところで歓声や笑顔が咲いていて、それぞれが自分なりの楽しみ方を見つけている。
そんなにぎやかな空間で、今年アンバサダーを務めたのは櫻坂46。彼女たちの姿を追いかけてみると、AnimeJapanの魅力が次々に見えてきた。
櫻坂46からAnimeJapan 2025を俯瞰する
僕が来場した2日目。櫻坂46のアンバサダー・ステージをのぞくと、松田里奈さん、森田ひかるさん、谷口愛季さん、的野美青さん、中嶋優月さんの5人が明るい笑顔で登場した。彼女たちを迎える拍手や声援がパッと広がった瞬間、もうその場に独特の“ハッピー感”が満ちるのを肌で感じた。

ステージのMCを務めるR藤本さん(「ドラゴンボール」のベジータのモノマネで知られる)が、軽快なトークでメンバーをリードしていく。
すると、谷口愛季さんの口から飛び出したのは「昨日は会場をぐるっと回って、足がパンパンになりました!」といった、なんとも親しみやすいエピソード。出展社は117社で、過去最大規模のボリューム。年々スケールアップするこのイベントの広さを、まさに全身で体感していたようだ。

森田ひかるさんが「体験型のブースが本当に面白かったんです」と話せば、的野美青さんは「同じブースの中でも、いろんな切り口で楽しめるんですよね」と応じる。
中嶋優月さんは、「キャラクター(着ぐるみ)と一緒に写真が撮れるエリアもあって、ついテンション上がっちゃいました!」と弾んだ声で教えてくれた。
そうやってステージ上で彼女たちの生の感想を聞いているだけなのに、不思議とAnimeJapan全体の姿が浮かび上がってくる。また、松田里奈さんが述べた様に、櫻坂46も1日目、4ステージこなした。「めちゃめちゃ楽しくて、作品の世界に入り込める」など、体感する櫻坂46の言葉を通じて、会場の熱さや懐の深さが自然と伝わってくるのだ。
どこまでも“体験”を広げるブース巡り
この二日間でなんと複数のステージに立つというのに、さらに会場隅々まで巡っていたのだとか。フットワークの軽さがさすがである。彼女たちが特に盛り上がっていたのは、いろんなブースで“アニメの世界に浸る”瞬間だったらしい。つまり、体験型の要素である。
たとえば『鬼滅の刃』のコーナー。甘露寺蜜璃との腕相撲対決や、岩柱の岩押し稽古など、作品に登場する場面を体験型アトラクションに落とし込んだブースが大人気だった。森田さんは『鬼滅の刃』のアフレコ体験ブースで声優に挑戦をしたとか。
また、彼女たちは「小学生以下の子どもとその家族だけが楽しめる『ファミリーアニメフェスタ』もすごく和やかな雰囲気です」と紹介。実は、AnimeJapan 2025の会場と少し、離れたところで開催されて、違う雰囲気で、微笑ましいひとときが生まれているのだ。

キャラクターのワークショップが充実している点も見逃せない。たとえば手作り石鹸のコーナーでは、お気に入りのアニメキャラクターをかたどった石鹸を作ることができるとか。
入り口付近から親子が手を取り合って楽しめるように工夫されていて、「子どもの大きな笑顔を見るだけで、こっちまで嬉しくなっちゃう」と中嶋優月さん。アニメ愛が世代を超えて共有される場所。それがAnimeJapanというわけだ。
こだわりが止まらないコラボグッズの世界
また、子どもから大人まで心ひかれるのが「コラボグッズ販売」だ。アニメ作品ごとの公式グッズは言わずもがな。ここでしか手に入らない限定デザインや、今話題のキャラクター同士がタッグを組んだアイテムもある。
「キャラクターがこんなに勢ぞろいするのは、ここでしか見られない光景ですよね」。そう彼女達がいうように、まさに夢の競演状態だ。何気ない一言だけれど、このイベントの醍醐味を言い表している。
中嶋優月さんと松田里奈さんが持っているのは『ぼっち・ざ・ろっく!』と『おでかけ子ザメ』のコラボタオルである。

森田ひかるさんが持っているのは、前髪クリップ。

そして、谷口愛季さん、的野美青さんが手にしているのが、ユーモア溢れるTシャツである。

また、ブースによっては、缶バッジやステッカー、キーホルダーなど、自分で名前や好きな文字を入れられる“カスタマイズグッズ”を作れるコーナーも。普段なら通販でポチッと買ってしまうものも、イベント会場でしかできない“体験”が加わると、なんだか愛着が一段と増すのだから不思議だ。
“おいしい!”と“楽しい!”が同居するフードエリア
もうひとつ、メンバーたちが夢中になっていたのがフードエリア。たとえば「冒険者ギルドバー by MBS」というユニークな飲食ブース。“RPGの世界観”そのままに、料理名も冒険者気分を高めてくれる。

場所自体もRPGの世界に登場する酒場をリアルに再現したようなスポット。入口をくぐると店内の装飾で、一貫して“冒険者”気分を盛り上げてくれる。
ステージで紹介してくれていたけれど、鶏肉を大胆に使った料理は、見ただけで胃袋が刺激される。R藤本さんが試食したけど、大きさがお分かりいただけるだろうか。

しかも対象のキッチンカーやブースで商品を購入すると、イベント限定のコースターがもらえる。こりゃ、一層テンションが上がる。クリームと生姜のシュワシュワ飲料を食べた時の谷口愛季さんの表情がこちら。

また、フードパークと同じホールにはガチャガチャやグッズ販売エリアが集まっている。食後にすぐ近くのガチャに挑戦できるのもポイント。櫻坂46のメンバーもガチャを回して「何が出るのか分からなくてドキドキした」と言っていた。けれど、まさにその瞬間こそイベントの醍醐味ではないか。
櫻坂46が挑んだジェスチャーチャレンジとAJ兄弟の“飛び入り”
ステージでは、後半に「アニメジェスチャーチャレンジ」なるミニゲームも行われた。
作品をジェスチャーだけで表現して、他のメンバーが何のアニメか当てる。そんなシンプルなゲームなのだけれど、みんなが全力で変なポーズを繰り出すものだから、会場は笑いの渦。

たまに「え、それは何?」と全然伝わらないこともあるし、ぴたりと正解して「わー、すごい!」と盛り上がる瞬間もある。自然と様々な作品を思い浮かべる契機となって、演出がニクい。
締めくくりにはAnimeJapan公式キャラクターの“AJ兄弟”も現れて、お決まりのポーズで記念撮影。

「昨日、会場のどこかを歩いてる姿に遭遇できて、すごくテンション上がりました!」と振り返る。こうしてさりげないトークや仕草からも、メンバー自身が心の底からこのイベントを楽しんでいるのが伝わってくる。
アンバサダーが見つめた“アニメを愛する人たち”との空間
ステージを終え、ファンや来場者に向けて「今日も1日楽しんでいってください!」と声をかける櫻坂46。笑顔のままステージを後にする彼女たちを見送りながら、「この空気を一緒に作り上げているんだ」という感覚を改めて噛みしめた。
アニメが好きで集まった人たちはある意味、推し活。キャラクターと共に、写真に収まる女子の姿は至る所で見られた。また、それを応援するアイドルの熱もここにある。
そこにあるのは、規模や華やかさだけではない。“好き”を共有できる喜びや優しさ。それはまるで巨大な学校の文化祭みたいで、誰もが思い思いのペースで歩き回りながら、新しい発見やワクワクを持ち帰る。
「気づくと足がパンパンになるほど歩いていた」。そんな櫻坂46の言葉は、そのまま皆の気持ちでもあっただろう。だって、ここには“アニメを感じる”だけでなく、“新しい楽しみ方を発見する”喜びがぎゅっと詰まっているから。
櫻坂46が届けてくれた春のようなあたたかさ。そして、会場中にあふれていたファンのアニメへの情熱。どこを見ても“好き”と“楽しい”が連鎖する。そんなAnimeJapan 2025を体験できたこと。それは、きっと誰にとってもかけがえのない思い出になるだろう。
今日はこの辺で。