「ふんばるず」「ソニーエンジェル」ドリームズは革新的なアイディア商品で日常を彩る
流行に乗るのではない。地に足をつけてコンテンツを育てたり、商品力の向上に努めること。その大事さを痛感させられた「東京インターナショナル・ギフト・ショー」。極めて当然のこと。けれど、それができる企業とできない企業の二極化は起こるだろう。今回、紹介するドリームズはメーカーだが、その「商品力」こそが熱狂の源泉。面白いのは、それで話題を生んだことで、その商品のキャラクター性が脚光を浴びて、コンテンツとしても評価されている点なのだ。
1. ドリームズのユニークな商品展開
ドリームズは、常に20数年、創業以来、商品力で勝負をしてきた。生活を豊かにするアイディア商品が多数見られる。それが需要を生む理由は、日常生活での「困りごと」に対してユニークな発想を取り入れ、実用性と楽しさを兼ね備えた商品を提案しているから。
たとえば、デスクワーク中の姿勢をサポートするぬいぐるみ型クッション「ふんばるず」シリーズ。その可愛らしい見た目と機能性で多くの注目を集めている。要するに、「ふんばるず」シリーズは、単なるぬいぐるみではないのである。
デスクワークでの「猫背を改善するために」作られており、抱えるように使う。
自然と背筋がピントしてしまう理由は、中に硬いハート型クッションが入っているから。
まさに、このハート型クッションが、「ふんばるず」の商品力の“心臓”であると言って良い。
利用する側も、飾っておくだけでもよし、ただ挟んで使うだけでもよし。それで、姿勢が自然に整うという実用的な効果をもたらすから、ウケが良い。また、彼らの場合、デザイン性の高さも好感度に直結しており、机に置いておくだけでも癒される可愛らしい外観が人気である。
2. ドリームズの独創的な企画力
分かる通り、通り一辺倒な発想ではない。ドリームズがなぜ、このようなユニークな商品を生み出すのか。その背景には、企画部門の熱のこもったクリエイティブな会議があるという。
社員が奇想天外なアイディアを出し合う。でも、それが商売に直結するのは、それでいて生活に密着した便利な商品を具現化していくプロセスが存在するから。このような独自の発想へ敢えて挑むこと、他社とは一線を画す魅力的な商品展開に繋がっている。
そもそも「ふんばるず」シリーズは動物から始まっていて、ウサギ、クマ、ナマケモノなど。可愛らしい動物をモチーフにしたぬいぐるみがラインナップされており、中でもナマケモノはブランドのアイコン的存在。動物キャラクターの持つ親しみやすさと、機能性の融合が、幅広い層の顧客に支持されている。
ただ、そこには商品力がある。だから、そこにとどまらず、派生して、キャラクター展開も人気。今ではサンリオのキャラクターでも「ふんばるず」が出て、広がりを見せているのだ。
3 ソニーエンジェルで広がるファンコミュニティ
改めて、そんなドリームズの原点を辿るとやっぱり「ソニーエンジェル」なのではないか。もともと「ソニーエンジェル」は、約20年前に誕生したフィギュアシリーズである。
誕生当初は、18センチほどの大きめな人形(今はない)として発売されていた。その人形は横にすると目を閉じるような仕掛けが施されている。そのギミックが当時は話題を集めた。他とは違う彼らの着眼点の片鱗がそこからも垣間見られる。
ただ、時代の流れとともに、ソニーエンジェルも変化を遂げていく。初期の大きめサイズから、現代のライフスタイルに合わせて持ち運びしやすい小型フィギュアへと進化。この小さなサイズのフィギュアは、ファンが旅先に持っていき、一緒に写真を撮るなどの使い道を生んだ。つまり、ソニーエンジェルを手軽に持ち運べることが魅力の一つとして支持されたわけだ。
それゆえ「ソニーエンジェル」は、次々新たなタイプが出て、現在では100種類を超えるバリエーションが存在する。つまり、コレクション性が高くなっており、新しいシリーズが発売されるたびに、ファンたちは「これとこれが欲しい」「全種類集めたい」と熱心に購入する。
ただ、そこに安易に乗らない。やっぱり商品力。こちらの商品然り、遊び心のある仕様は、K-POPアイドルが興味を示して、SNSにアップしたほど。そうすると、日本国内の若年層が関心を持つ似たり、顧客層に広がりが出たというわけだ。
6. 時代に合わせた商品開発の柔軟性
そして、「ソニーエンジェル」の発展を語る上で、欠かすことができないのは、海外でも高い人気を誇っていること。アメリカでは「ニューヨーク・タイムズ」に紹介されるなど、世界的に注目を集めている。
理由は先ほど触れたコレクション性。ファンたちが自主的に「交換会」を開き、ソニーエンジェルを交換するコミュニティが形成されているのだ。このようなファン主導のイベントが多く開催されていること。それが、ソニーエンジェルの愛され続けている理由の一つだというのだ。
おわかりいただけただろうか。そうやって商品力をテコに、差別化要因を生み出し、時代の変化に柔軟に対応していく。それはこれからの時代においてさらに大事になるだろう。
最初は大きめの人形だったソニーエンジェル。それが、現代のライフスタイルに合わせて持ち運びしやすいサイズのフィギュアへ。でも、商品力では抜かりない演出。
「ふんばるず」シリーズでいえば、機能性と可愛らしさを兼ね備えた商品。チルさを求める今の世代にとっての癒しとなっている。デジタルで消費者の間でシェアされる時代。だからこそ、消費者のニーズに応じた商品展開でありるる、オリジナリティは大事だ。常に新しい価値を提供していくことが急務なのである。
今日はこの辺で。