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心行き交う クリエイターの街 創設者 三人衆の一歩は小さくも大きい あっぱれ!「おべんとっ!」物語

 本当に面白い事を、考えるものである。たった3人のクリエイターの小さな一歩。けれど、それが、多くの才能を輝かせる偉大な一歩となったと僕は思う。クリエイターたちは、その才能をもちより、ネット上に街を作り、祭りを起こし、人々を集めて、来る人みんなの心を踊らすイベントを行った。その名も、オンラインイベントを短縮して、「おべんとっ!」という。

百花繚乱クリエイターの街

1.出展者と参加者が心を通わせる

 それが素晴らしいのは、わずか三人のクリエイターの一歩がなければそれもなかったという事。最終的には、開催期間、23時間50分ほどなのに、3人のクリエイターが作った街には、500人近くの人が集まった。なんと素敵なことだろうと思う。

 まず、この写真を見てほしい。

 一見、僕が大好きな「ドラクエ」風の街並みのよう。それだけで高鳴るが、この中に、多くのアーティストが店のような場所を構えている。

 この店内に置かれた水晶などをタッチすると、それぞれの店主が持つ、オンラインストアなどにもサイトに飛ばすことができる。下の画像をスライドすればわかるが、それはminneでも、lit.linkのようなポータルのプロフィールサイトでも良い。商売をしてもいいし自己アピールの場にしてもいい。

 まるで街に自分の部屋ができたような感覚になる。一方、ここには誰でも参加できて、皆、アバターに扮して歩き回り、参加者同士、チャットで会話をする事もできる。

2.始まりは実は“ゆるい”

 そのイベント発起人こそがこの3人。山口なこさん、タカハシユリさん、tanakasakiちゃんである。

山口なこ:ゆるかわいいキャラクターをメインに3頭身くらいの人物などのほんわかしたイラストが得意。キャラクター制作、雑誌の挿絵など幅が広い。

https://www.nakoyamaguchi.com

タカハシユリ:最初に絵のお仕事をもらったのは学生時代。絵に対しての想いは強い。チヨコに対しての想いは特別で、ずっと描き続けている。

https://aboutme.style/tiyoko

tanakasaki:ちょっぴり「レトロ」で「親しみやすい」イラストを目指して日々精進。日常で得たヒントをもとにイラストを描いたり。「牛乳坊や」など。

https://lit.link/tanakasaki

 ただ、始まりは案外“ゆるい”。きっかけはなんですか?そう僕が尋ねると、

「私がやりたかった、、、という」と笑う山口なこさん。

その横で「そうです、なこさんが始まりで〜〜す」とタカハシユリさん。

 なこさんは、以前からこの手のオンライン系の同人イベントには友達と参加していて、楽しさを実感していた。だから「それをクリエイターでやったら、もっと楽しめるのではないか」と着想したのが始まりなのである。

 ただ、若干尻込みしていたが、タカハシユリさんに声をかけて一変した。二つ返事で快諾されて、自信を得た。ほどなくして、もう一人のこのイベントの発起人、tanakasakiちゃんにも話を持ちかけることとなった。

 そこから2ヶ月弱でこれを作り上げた。そのスピード感たるや、天晴れである。

3.ソフビへの想いが繋いだ縁

 人との出会いというのもわからないもの。実は、この3人も、1年半前にとあるクラブハウス(音声アプリ)をきっかけに、知り合ったのである。

 皆一様に「ソフビを作りたい」という思いがあって、それを学ぶ意味でのクラブハウスで、それをきっかけに3人が出会った。だけど、ソフビを作るだけではなく、その後も、頻繁に連絡を取り合うようになって、気心知れた三人だから成し得たことのように思う。

 ふと、Zoomを見ると、sakiちゃんが画面いっぱいに三人のキャラのソフビを持って存在感をアピールしていた。画面の向こうから痛いほどソフビの視線を感じる。なるほど、これなのね。

 さて、その三人は出会うべくして出会ったのではないかと思うほど、見事なチームワーク。2ヶ月という短い期間ながら、出店したクリエイター数は72名にも及んだ。

4.手分けして出店者を呼びかけ

 しかも、この三人衆、どこかのベンチャー企業の“営業”かと思うくらいの精力的な動き。「友達に、片っ端から声をかけました。最近、連絡とっていない友達とかにも連絡して、今度、こんなのやるんだけど、、って言って(笑)」となこさん。

 sakiちゃんはまた、三人のソフビを持って、大きくうなづいている。笑。

 初めての取り組みゆえ、彼女たちは「Craft」というアプリを活用した。このアプリでは、資料を作ることができ、作るとURLが発行されてクラウド上でその資料が確認できるというもの。「Craft」で出店者向けに説明資料を作って、それを各自、友達に案内したというから、これがまた、効率が良い。そして、ここまでコストゼロである。

優れた街並みと活気づくりのための演出

1.優れた街並みにあらゆる才能が集約されている

 僕も当日、アバターに扮して、街並みへと入っていったが、それだけではなく、この雰囲気に合わせて、ゲーム風の音楽が流れ始める懲りようで、「それ、私の弟が作曲したBGMです。」となこさんがサラリという。オリジナルなの?マジか。

 そこに、この優れた街並み。それも、あらゆる才能が集約されたもので、お見事。

 元々、この街並みは「pictSQUARE」という「オンライン即売会」をウェブ上で簡単に作れるツールを使っている。発起人の三人は皆、絵が描けるので、アイデアを出し合い、オリジナルでこの街並みを作り、それを一枚絵で表現して、ツールに当てはめたというわけである。

 何が凄いかって、加えて下の写真の通り、出店ブース部分にはアーティストが各々一枚絵を持ち寄って、その街並みの区画に合わせて当てはめている。だから、百花繚乱といえるだけのクオリティに仕上がったのだ。

2.作るだけではなく楽しむ演出に愛がある

 ただ、これだけの素地がありながらも、放置していたら、上記に示した盛り上がりはない。人あってのイベントだからだ。ここに、なこさん、ユリさん、sakiちゃんの旺盛すぎる「サービス精神」がイベントを強力に成功に導いている。

 例えば、この写真を見せると、

 人が集まっている。なこさんが「これ、コアタイムの時かなあ」と言えば「そうそう」とユリさん。

 話についていけず、「コ、コアタイム?」と聞くと、要は、個展における在廊時間のようなもの。この時間に皆で集まろうと決めれば、より一層、そこに人が集まるから、コミュニケーション機会が一気に増える。愛ある工夫が活気をもたらしたのである。

3.こまめにイベントを設定

 それ以外にも、こまめにイベントが設定されていて、このような感じ。

 例えば、撮影会と称して、Twitterなどで「この場所に皆が集まろう」と声がけを行う事もあった。各々のアバターで参加し、その場所に移動できれば、画面上で各々キャプチャーをとれば、写真撮影だってできる。それは思い出となって、いつまでも心に残る。単なる遊び場でも、物を買う場でもない。

4.Twitterの音声機能スペースをフル活用

 創造性豊かな彼女たちの感性ゆえに、楽しい知恵で溢れている。そこで特に有効に働いたのが、Twitterの音声機能「スペース」である。

「2日目はほぼずっと「スペース」をやってましたね」とsakiちゃん。

 その背景には、イベント前日の夜中になって、突然、なこさんが「全員のクリエイターさんのブースを訪問するツアーをした方がいいよね」と、思いついたことにある。

 要は、タコチューというメインキャラが引率する形で、アバターを操作し各クリエイターの各ブースへ移動。

 一方、「スペース」では、そのブースの案内をする音声をひろっていく。そうすれば、皆で、各ブースを一緒に見学できるというわけである。

  • 「あれ?何時から、スペースをやりましたっけ?」とsakiちゃん。
  • 「3時だったんじゃない?」となこさん。
  • 「でも丁寧に説明していたら、時間が足らなかったんだよね」とユリさんは笑い、
  • 「そうか、それで5時からの撮影会で中断して、、、その後また、ツアーを再開して」とsakiちゃん。

 ・・・ということは、ずっと「スペース」を使っていたことになる。笑。

5.交わることで大きな価値となり笑顔が生まれる空間となる

 こうやって色々な要素を掛け合わせると、まるでリアルのような臨場感で、そのイベントを堪能できるということが、彼女たちの旺盛なサービス精神によって証明されたことになったわけだ。

 基本的には、彼女たちの温もりのある仕掛けが大きい。街はかなり広いと思えば、アバター像を随所に設置。それらの設置数を当てた人には、オリジナルの壁紙のダウンロードができるようにしたのは、すみずみまで歩いて欲しいという思いのもと。それが自然と各ブースへの訪問機会を増やして、楽しみを倍加させる。

 こんな風に、いろいろなアイデアを彼女たちは盛り込んで、皆が一様に楽しみ、忘れられない一夏の思い出をウェブ上で作ったのである。おそらく、ただその場所を用意しただけでは、参加者が約500名弱にも及ばなかったはずだ。

 「おべんとっ!」あっぱれ。だから、たった3人のクリエイターの小さな一歩。けれど、それが、多くの才能を輝かせる偉大な一歩となった。そう書かせてもらった理由がお分かりいただけただろうか。とは言え、大事なのは、自分たちも楽しむということ。この取材中、放課後の学生のように、三人が無邪気に笑いながら、このイベントを振り返る姿が、このイベントの素晴らしさを象徴している気がした。メタバース云々語るより、よっぽど、こちらのがデジタルのステキさを抑えたものだと思う。

 三人衆、お疲れ様でした、グッジョブ。

 今日はこの辺で。

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