デザインフェスタ 2020 妄想 と情熱から受ける 刺激と笑顔
奇抜なアイデアに、一本取られる。そこは、自由な空間で発想、妄想に溢れる。アーティストにとってかけがえのない作品や商品を展示したり販売したり。新しい才能や可能性に光を当てる貴重な空間。 2020 年も デザインフェスタ がやってきた。
デザインフェスタとは、プロ・アマチュア問わず、「自由に表現できる場」を提供するアートイベント。歴史は古く1994年の誕生で、実は、著名な人たちの中には、実はここに出ていたという人も少なくない。
色々駆け回っていたら、声をかけられた。ガチャの世界では有名人、小野尾勝彦さんである。以前もこのメディアに出てもらったが、彼らしく、今日も現場を大事に新しい刺激を提供していた。「レミングス」のレミンちゃんというキャラのグッズで、ガチャの無料体験をやっていたのだ。
関連記事:大事なのは何を作るか ガチャ 伝道師 語る おもちゃの歴史
やってみなよ、と言われ、僕もチャレンジ。
下記は、そのグッズの写真だ。小野尾さんに聞けば、「元々、その名のパズルアドベンチャーゲームが日本でも出ていたので、知っている人もいるかな。ただ、最近では海外で浸透していて、モバイルアプリのゲームとなっている」と話す。そこに目をつけ、そのキャラで、日本にも持ち込もうと意気込む。来場者に直接、披露して、反応を見つつ、その存在を知らしめようというわけなのだ。
続いて、僕の目に強烈に飛び込んできたのは『パンT』。大きなキャンパスに描かれたインパクトのあるイラスト。もう説明の余地はないだろう。この柄のTシャツなどが並べられていて、「これ、何年も描き続けてます!」とスタッフの方は満面の笑顔で楽しそう。遊び心溢れる、文化祭的な空気が人を高揚させる。
他に、作家の中には、この日初めて作品を公開する、という声も聞かれた。下の写真の「ごみうさぎ」もこのデザインフェスタで初公開。ウサギがゴミ袋になっているというキャラクターのグッズ。お腹の部分(?)の「30ℓ」が目に焼き付いて脳裏から離れない。スタッフもゴミ清掃員さんの格好をしていて可愛らしくも、本気モード。Twitterもやっている様だ。
最近は企業もこのイベントに一目置いている。下の写真は株式会社クオンが関わる「ドーロベア」。同社 兼田ひかるさんは、「熊童子という植物をモチーフにしているので、その名に因んでベアのキャラなんです。今日は初めてのお披露目の機会で、緊張しています」と語り、デザインフェスタは、様々なコンテンツにとっての登竜門なのだ。
さて、こちらは斬新というか奇抜な、「てってストア」さんのレコードのバッグである。
手前に陳列されたバッグは、レコード2枚を使い、表面のフチに穴を開けて、縫い合わせて作ったものだ。一品一品手作りで時間をかける。手掛けるスタッフの方の見た目はファンキーだが、「できることなら、ずっとこれを作る作業をずっと続けていたい」と繊細で真っ直ぐな職人の一面も見せる。「たまに盤面を張り替えて欲しいという声もあるが、レコードに対してのリスペクトを忘れない様、絶対に盤面の絵柄は元のものを使う」と語るなど、彼女なりのこの商品へのポリシーを感じる。
思わず笑みが溢れる商品も少なくない。独創的なアイデアが溢れる「妄想工作所」で、乙幡啓子さんは、知る人ぞ知る、面白クリエイター。ユニークな発想で人々を虜にし続けるが、この日も「放水小僧ブローチ」など。小便小僧風のブローチで、粘土で作った小僧から糸が流れている。
そして、その横には「放課後片思い系妄想開発家」のたいがー・りーさん。これまたシュールで、腕時計にスイッチがついている風の「ONOFF計」。
たいがー・りーさんは、「日常でスイッチを切り替えたいとき、あるじゃないですか。そこで、本当にスイッチがあったらいいなと思って、スイッチつけました」と。曖昧になりがちな気分転換。しかし、これがあれば、確かにカチッとスイッチオンで、気分転換できて、スッキリである。
世の中のお店に並ぶものは、ある意味、行儀が良すぎると思う。だから、ときに奇抜に、ユーモアたっぷりに、人々を楽しませる発想が、今の時代にこそ、必要だ。デザインフェスタには、そんな素敵な常識外れで溢れていて、誰しもが笑顔になってしまう作品が多く、だから、いつも皆を惹きつけ、離さない。次回の妄想に期待しつつ、今日はこの辺で。