押し付けない「 A Little Something 」環境の大事さのその伝え方
昨今、環境を意識した商品は増加傾向にあるけど、「A Little Something」は、それを全面に出さないのが自然で良い。寧ろ、女性などがよくSDGsに関連して見られる傾向なのだが、そういうことを意識している企業はいかに「楽しめるか」という視点で語られることが多い。それはなぜかと聞くと「そうでないと、続かないですよね」そう口を揃えるのだ。
キッチンで楽しむ
1.楽しみながら環境を考えながら
ブランド名の「A Little Something」の意味は「小さなアクション」。自分にできる範囲で「楽しみながら」少し環境を意識したアクションを行う、という事だ。環境と言いながらそれを押し付ける事なく「楽しく」という言葉とセットにすることで、それ自体を身近に感じさせ、続けられる為の工夫をしている。ここが僕が惹かれた理由だ。
「みつろうラップ」と名付けられたその商品は、プレゼントの包装紙のようなデザインだ。別に環境のことなど触れていなくても十分、興味関心を引くものである。手にとって関心を持って初めて、「嗚呼、これは環境にもいいのだ」そう、気づかされるわけだ。
2.強制されることなくごく自然に環境と向き合う
ラップでありながら、華があって無機質なキッチンに彩りが生まれる。それでいて、ミツロウという素材は、ミツバチが六角形の巣を作る材料として、働き蜂の腹部にある分泌腺から分泌するロウ。そこには保湿や抗菌作用があって、だから、何度も繰り返し、洗って使えるわけである。
水洗いができて、いうまでもなくそれは「使い捨て」ではないけど、使い捨てにしたくない(保存しておきたくなる)カジュアルなデザインで、用途と価値がちゃんとリンクしているのが素敵なのだ。だから、楽しくて、続けられる。環境であるとか、その機能性などは使った後からついてきて、実感へと変わる。
洗濯を楽しく
1.洗濯を楽しくする延長に環境がある
もう一つ、僕が着目したのはこちら。写真を見ていただくとわかるが、羊のような毛並みの良いボール。これはどういう用途かというと乾燥機に入れるだけで、柔軟剤を使ったかのようなふっくらとした洗濯物の仕上がりとなるそうなのだ。
100%羊毛のみで作られていて、化学成分を含まず、洗濯による汚水を出さない。だから、これらは敏感肌の人や赤ん坊の衣類などにも使えて、人にも優しい。
先ほどの「みつろうラップ」と共通しているのは、環境を意識して買うのではない。これも「これはなんだろう」と言って、手に取り、関心を持つところから始まるに違いない。つまりは、デザインと価値と素材が全てリンクしている。
2.それとそれと思わせず、使ううちに気づかせる
使ってみたくなるその気持ちを生み出す商品は何かを考えてから、デザインを起こす。その方が、その商品が本当にもたらしたいメッセージが伝わることを、彼らはわかっているし、それこそがこのブランドの真骨頂だと考えているのだと思う。
機能性をはなから謳うなんて芸がない。これまでは必要性を訴え、購入を促したが、未来はストーリーが大事だと気付かされる。それをそれと思わせず、使ううちに気づかせる。この視点を大事にしたい。
今日はこの辺で。