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東京駅 から JR東日本 と ベルメゾン 変革の時 Disney グッズとともに

 こうやって親和性って生まれるんだなと思った。10月29日、JR東京駅 京葉線地下八重洲口改札内で『Disney Fantasy Shop by BELLE MAISON』が産声をあげた。兼ねてから、JR東日本と千趣会の業務提携に関連して、お互いの強みをどう生かすのかに僕は注目していて、以前、品川駅のポップアップストアも取材したけど、これは、れっきとした常設店。彼らとして常設店を用意したのにはどんな意図が込められているのだろう。

JR東日本 ベルメゾン Disney の力強い 三本の矢

1.駅という場所の利点を見直す

 この文脈になぞらえて語ってもらうべく、僕は千趣会 取締役 佐野太さんに込められた意図を説明してもらうことにした。佐野さんは元々JR東日本出身で、ディベロッパーの経験もある。リアルを熟知する中で、その価値を生かすべく、彼はこのプロジェクトの第一線に立って考え抜いて、千趣会こそが最高のパートナーと選んだ。それだけ両社だからこその利点があるのだろうと僕は思って、その中身が気になるわけである。

 まず、最初に店内について説明するなら、両社の気合の程がうかがえる52坪。広さを活かし、ずらりと並んだディズニー商品が壮観で、生活雑貨やレディース・キッズアパレル商品は幅広いラインナップ。「BED ROOM」「KITCHEN ROOM」なども用意するなど、シーン提案も惜しまない。

 写真を見るとわかるが、正面と右側の会計のところに大型モニターを数カ所に設置しており、ここでディズニーの動画を流すなどして、視覚的工夫を取り入れているのはリアルならではのメリットだ。

 それもさることながら、気になるのは両社がどんな親和性を持って、その価値を最大化しているのかの話の方である。まず佐野さんの話を聞いて「なるほど」と思ったのは「ポイント還元」。

 それ自体は目新しいことではないが、ただ、それを駅という特性に当てはめて考えてみると気づきがある。ちょっと視点を変えてみると、ずいぶん見え方が変わるものだ。

2.ポイント還元で新しい動きを模索

 まず思い浮かべてほしいのが駅は基本、これまでの認識で言えば移動場所でしかない。だから衝動的に商品を購入することが多く、目的買いをする場所ではないわけである。

 だから、敢えてここを覆すために、彼らはこの「ポイント還元」をフックにして、このお店の告知をメルマガ配信をJRE会員に対して行なおうと考えた。

 そうすれば、お客様は駅を「買うために訪れる拠点」として利用するポテンシャルをどれだけ持ってるかが明確になる。しかも、佐野さん曰く、「実は各々JRE会員IDで繋がっているから、メルマガを受け取った人が何を買ったのかも分かる。リアルでありながらメルマガの効果検証をしっかりできる」というわけである。

3.移動のついでの人も逃さない

 一方で彼らが抜け目ないのが、駅という場所が「乗り換え拠点」としての利点も備えていることから、「JRE MALL MY LIST SHOPPING」というアプリでそれをフォローしようとしている点である。このアプリでログインしておけば、いつでもその店頭の商品を見返すことができるようにしてあるわけだ。アナログ的な色彩を持つ、かつてのJR東日本の姿勢では考えられない事ではないだろうか。

 写真を見ていただくとわかるが、同アプリはその商品タグをのバーコードを読み取ると、その商品がをすぐに映し出される仕様になっている。だから、それをお気に入り登録しておけば、いつでも見返せるだけではなく、ウェブ上の「ベルメゾン JRE MALL店」と連動しているので、すぐに購入できるようにしている。

 発見はこの店であっても、それを再訪することなく、倉庫から発送され、それ自体は駅という特性を活かした見事なショールーミング活用術である。

3.スタッフの意識を一つにする

 その一方で、これらの仕組みを関わるスタッフ全員がフォローできるように、佐野さんは、このリアルのお店のスタッフとネットのスタッフはそれぞれ同じチームになっていることを明らかにした。勿論、販売計画、在庫計画のもと売り上げの目標はそれぞれあるものの、それを同じチーム同じ上長のもとで動ける組織体制にしており、お互いのお客様を奪い合う動きを未然に防ごうとしているわけである。

今までなら出せないタイプのお店にも挑戦できる

1.食品以外でも強さを発揮できる

 また以前、佐野さんがJR東日本として、千趣会を単に、通販の会社としてだけではなく、自ら商品を作れるメーカーとしての個性も強い関心を抱いていたことをふと僕は思い出した。それで「JRE会員の購買データを活かして、ベルメゾンの商品作りにうまく反映することもできそうですね」と言うと、彼もまたうなづいた。

 彼はそれに応えるように「JR東日本の商業施設は主に、食品を軸としたものが多く、雑貨に関しての商品開発はまだ得意とは言えない」と話してくれて、だから、ベルメゾンショップが雑貨や家具などの製造に長けている事が商品企画に活きてくることに気付かされた。千趣会は実は商品ラインナップや企画の面から見ても、JR東日本の弱みを補完する存在として相応しいパートナーなのである。

2.ついでではないからできるお店

 また、JR東日本としても駅で見られる光景も随分、変わったことを認識していて、それを象徴するのが女性の存在感である。2000年代以降、働く女性が増えているものの、それは常に変容しており、徐々にかつて見られたバリバリのキャリアウーマンではなく、子連れの母親に重きを置く姿勢にスライドしている。だから、ベルメゾンのターゲットが彼らの意図するところと一致したというわけで、そういう要素も業務資本提携には起因している。

 ただ、そうはいっても、キッズアパレルなどの商品などは、正直、人を選ぶし、売りづらい商品であるからこそ、「これを東京駅のど真ん中で展開するにはそれなりの覚悟が必要ですよね」と佐野さん。

 しかし、彼曰く「これも(冒頭話したような)メルマガなど、お客様を狙い撃ちして、そこから、このお店を目指してくるような仕掛けなどを併せ持てば、そういうお店も可能となる。それは駅としての幅が広がることを意味する」というのである。

 なるほど、これも駅の新たな可能性の発掘だと思った。

3.連携そのものが新たな顧客の開拓になる

 彼らにとってはこれらの一つ一つがJR東日本としての新たな収入源に繋がるタネであって、それは千趣会という会社の成長を後押しするものになっていく。駅という拠点の概念を覆すためのベルメゾンとの連携であり、その商品群であり、またお客様を触発する仕掛けであって、それはベルメゾンにも利する。

 佐野さんの話を聞いていると、これは単純に東京駅にベルメゾンのお店を出したという次元の話ではないことにきづいていただけただろうか。互いの親和性を生かすための工夫がきちんと計算されて仕込まれている。僕らの描く「駅」のイメージは変わりゆく、ベストパートナーの千趣会のこれまで培ってきた通販企業の価値とともに。

今日はこの辺で。

©︎Disney
©︎Disney/Pixar
©︎Disney.Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.

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