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絵柄 に惹かれ お茶 に惹かれ「京都ぎょくろの ごえん茶 」

 ロマンチックな事業のスタートである。「京都ぎょくろの ごえん茶 」を運営している柴田彩巴さんは、こう言って振り返った。「好きになった人から『実家のお茶をネットで販売できないか』と相談されたのが始まりです。そこから、当時IT企業に務めていた私は副業でお茶を「BASE」で売り始めたのです」。見れば、なんとまあ可愛い 絵柄 の お茶 である。

 日本人にとって馴染みの深いお茶ではあるが、実は段々とお茶を出す機会が減っているという。例えば、かつては、会社を訪れれば、まずお茶を入れて、お客を迎え入れたものだが、それがペットボトルにとって変わったりもしている。

お茶業者が廃業に追い込まれている現実もある

 その柴田さんの“大好きな人”は、金沢に縁があって、お茶を嗜む人が多いと言われる地域でありながら、続々と廃業に追い込まれて、衰退しつつあるのを見ていられなくて、そんな相談を持ちかけたというわけだ。

 柴田さんは、そんな言葉を受けて、愛の力もあっただろうが、純粋に、お茶の産業を救いたいという気持ちも強かったろう。それで、ネット販売を副業で始めたわけだが、始めてみると、思った以上の反応が得られたというのだから、人生はわからない。

 彼女がIT企業に勤めていたこともあってか、SEO対策を徹底したところ、自分たちの提案しようとしていたお茶は相性が良く、検索結果では上位表示されて、受注が入り始めた。

 そこに可能性を見出した柴田さんは、一念発起して、勤めていた会社を辞めて個人事業主として、そのお茶屋さんに打ち込むことになるのである。 最初は「お茶でご飯を食べられるくらい稼げるように」と、自転車にお茶を積んで販売もしたし、雑貨店の横で売らせてもらうこともあったというが、そこで、ある気づきを得る。それは、自社製品の必要性である。

「オリジナリティ」と「人」がこの店の未来を作っていった

 まさに、その自社製品がこの店のカラーを作っていった。ちなみにSEOでは「お茶 ギフト」というキーワードでは百貨店が上位表示されてはいたものの、「お茶 オリジナル」などのキーワードが的中。これが主力商品たりうるオリジナル商品の売り上げの向上をもたらすのだから、ネットという選択肢は間違っていなかったのだ。おまけに、自社で製造から販売までできていたのでロットには困らなかったことも功を奏した。

 事実、自社製品の方が売れるようになり、そんな最中、思いがけず、転機を得る。京都の商工会議所から実店舗の展開の話をもらい、悩んだ末に、出店を決意する。それまでお茶を売ってコツコツ貯めてきたお金で、その店を開業させるのである。この行動力たるや尊敬に値するけど、彼女は謙虚にも、ここまで来れたのは周りにいる人のおかげだと強調する。

 スタッフに「斎藤さん」という人がいて、その方は開店当時、本当に支えてもらったと振り返る。実は、柴田さんはこの開店わずか1ヶ月にして病に倒れ、まさかの2ヶ月の入院生活となって、早々にも店を畳まなければならないと覚悟をしたという。まさに、救世主となったのは「斎藤さん」で、必死に切り盛りしてくれたのだ。

 いつしかその斎藤さんの仲間が、来店して、その商品の良さと斎藤さんの人徳も相まって、お客さんでありながら、お客さんを接客するという不思議な現象が起こって、この窮地を切り抜けたのだ。

 お茶の衰退は起こっている。だから、お茶そのものへの関心は薄れつつある。だから、それ以外の要因が大事だったのかもしれない。

 その意味ではこの店のオリジナル商品のイラストがファインプレーを見せてくれている。愛らしく、素敵なイラストが、お客さんの興味関心を引いて、お茶そのものとお客さんとをもう一度、引き合わせてくれたのだ。

 言うなれば、この店のオリジナル商品の絵柄はお茶の魅力に気づかせる「メディア」の役割を果たしたのだ。お茶そのものに、この新たな付加価値をもたらし、それまでお茶に関心の薄かった人すらも引きつけたわけだ。

「物事の価値を見出す達人」

 今やその売上は6.5倍にまで成長した。このイラストのセンスが、ノベルティの依頼も増やして、国立歴史民俗博物館、JTBコミュニケーション、椎名林檎さんのツアーグッズなど、多岐に及ぶお茶商品を手がける事になった。

 と、まあここまで色々聞いてみて、僕が最後に思ったのは、やはり柴田さんの人間力かなあということ。もう少し踏み込んで話すとすれば、柴田さんは「物事の価値を見出す達人」だな、と思った。

 こんな話がある。再三触れている、このオリジナル商品で人を惹きつけてきたイラストは、実は彼女の高校の友人で、今は社員となった人の手により生まれたものである。柴田さんはその友人にイラストを書くうえで、何を述べたかと言えば、得意とする才能を後押ししただけと話していたのだ。

 これは、斎藤さんのエピソートにも相通じるところでもあるけれど、柴田さんの話には、無理に自分の意思を押し付ける事なく、純粋にその人それぞれの良さを引き出して、人を暖かく見守ってる事が垣間見えて、素敵だ。

 だから、僕は、柴田さんは人の魅力と価値を見出すプロだと書いた。斎藤さんの人間的魅力に気づいていたから、それを受け入れ、後押ししてきたから、伸び伸びと、斎藤さんは斎藤さんらしく振る舞えた。それがお客さんのこの店への愛をうみ、ひいてはお茶そのものへの愛まで引き寄せたのだと思う。

 人を思い、お茶を思い、そのそれぞれの魅力も引き出したのだとすれば、やっぱり「物事の価値を見出す達人」ではないか。

 これから柴田さんはどんなものに価値を見出し、素敵なシーンを提供してくれるのだろうか。柴田さんの人懐っこい笑顔を見ていると、きっとこれからも可能な話で、楽しみになる。ロマンチックに始まったお茶の事業は、世の中をどうやってロマンチックに変えてくれるのだろうか。期待したい。

 今日はこの辺で。

(参考)このメディアとしてこの考え方に惹かれたので、応援の意味で、弊社の商品としてこのお店とコラボして自らデザインして、そのオリジナルのお茶を会員の方へお送りしました。

関連記事:素敵な企業の取り組みを、会員の方々に還元したい!

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