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エンタメが今出来ること。 SUGIZOさん西川貴教さん その想いは行動と共に未来へと続く

 一流が一流たる所以は、その想いやメッセージの強さにあるのかもしれないと思った。何気なく足を踏み入れた講演だったけど、感慨深くそれを聞いていた。その講演は、Japan Event Weekというイベントでのもので、登壇していたのはアーティストのSUGIZOさんと西川貴教さん。エンタメへの愛、そしてそのエンタメが、サスティナブルに寄与できないかと真剣に向き合う姿であったのだ。

SUGIZO さん 西川貴教さんと サスティナブルの結びつき

1.地域のお祭り

 エンタメでサスティナブル?そう思う人がいても当然だ。彼らが声を揃えて言っていたのは、「エンタメで、そういう要素について議論されることはなかった」ということだ。でも、だからこそ、彼らは自らの影響力を持って、行動を起こす。

 逆説的にはなるのだけど、行動を起こす彼らだから、影響力を持ち続ける一流であり続けているのだろうと思った。だから、目を向けてほしいと思ってこの記事を書いている。それぞれの視点が冴える内容で、西川さんはどちらかというと、地方創生寄りな視点の中でサスティナブルを語っている。

 西川さんは「イナズマロックフェス」というイベントを行なっており、意図しているのは地域のお祭りなのだという。皆が都会に行くからこそ、来てもらうきっかけが大事だとしてこの企画を始めたのだという。

2.地域の活性化から琵琶湖の保全まで

 そうか。だから、このフェスにはロックと言いつつ、声優をはじめ幅広い層が集まる。ロックにありがちな硬派なイメージはないけど、それは「祭り」なのだから、様々な才能が混じり合い受け入れ合うところが真骨頂だ。そして、いろんな人にここに来てもらい、いろんな価値観に触れて、この街にまた、遊びに来てもらおうというわけだ。語弊を恐れず言えば、盆踊りのような賑わいをイメージした。

 他にも、西川さんは和菓子のお店「叶 匠壽庵」と連携して「水羊羹」を作るなど、地域のポテンシャルを自らの価値と掛け合わせて、最大化させる動きをしている。これに関連して、そこでの売上の一部は、琵琶湖保全の活動に寄付されるとしており、そこにサスティナブルが垣間見られるというわけである。

3.エンタメになかったサスティナブル

 一方で、SUGIZOさんは早い時期からサスティナブルに関しての意識が高い。そのライブの中身すら、それ仕様にテコ入れするほどの力の入れようだ。例えば、ライブでは沢山の電力を消費するから、敢えてその電気の使い方を見直そうと提唱する。

 これは彼曰く、別に電気を否定しているわけではなく、色々な電源の生成方法に目を向けていこうというもの。そこで未来に何が必要かを各々自分ごとで考えようというのである。彼が素晴らしいのは、それを発信するだけあって、それが口先だけではなく、自らの行動で示されている点である。

 実際、先日、さいたまスーパーアリーナで「LUNA SEA」のライブが開催された。その際、メンバー全員が使った楽器の電源は、実は水素燃料を用いたという。「まだステージ上の全てをその燃料にできなかった」そう悔やんで見せたが、十分、エンタメに革命は起きている。

4.ステージ衣装でエシカル要素は皆無

 しかもSUGIZOさんは自らのステージ衣装も、自然に配慮する徹底ぶり。「こういう衣装においてエシカルなものは皆無」とSUGIZOさん。その素材にはヘンプを積極的に使うなどして、ものづくりの根本を覆そうとしているのである。

 そのほかでも、ステージ衣装で定番なのは、レザー素材だから、「ヴィーガンレザー」という素材に着目した。要は、それ自体、見た目では革だけど、実は動物の皮を使っていない。レザーを作る為に殺される動物が少なくなることを意味している。

 「まだ色の表現で動物の皮を使ったほうが良いことがあり、ここの課題をどう乗り越えていくか」。その先を見据える目は真剣そのもの。今は、レザーにしても不要になったものからチョイスするなどして、少しでも動物への影響を低下させるようにしている。先ほどの素材に関して貪欲に知識を取り入れ、活用しようとしている姿勢然り、ステージ衣装でもいずれ水素燃料と同じように何かやってくれそうである。

商品でメッセージを形にする

1.取り組みから商品まで

 それはステージに止まらない。SUGIZOさんはまだ立ち上げたばかりであるけど、「THE ONENESS」というブランドを創設して、そのメッセージを商品に乗せて販売し始めている。ちなみに、僕が探したところではこのオンラインストアで購入できるようである。

 ちなみに、実際に、Tシャツなどを展開しているが、ここでは、オーガニックコットンを使用して、しっかり受け取った相手がそのメッセージに気づけるようにしている。しかも、ウクライナ情勢を受けてカラーを黄色とブルーにして、平和を願うタイプもある。

2.商品が広がるほど、そのメッセージの裾野が広がる

 心からその姿勢に感銘を受けた。これを耳にして、個人的な意見ではあるけど、そういう部分にものづくり側が敏感に察知すると、もっと道は開けるのではないかと思った。西川さんのお菓子然り、SUGIZOさんのTシャツ然り、理念あるところに商品も存在するものなのだ。

 想いは商品へと「形」に変えて、メッセージとともに、いずれ僕らの手元にやってくるだろう。商品はメッセージを届ける“伝書鳩”でもあり、それを受け止めた時に僕らの行動が変わる。メーカーはそれを果たせる重要なファクターだけに、この部分に対して、鈍感ではいられない。

3.今こそメーカーも彼らの想いに学ぼう、なぜそれを作るのか

 しかも、もう一言付け加えるなら、今はデジタルの時代である。マス広告で一方的にブームが生まれる時代ではない。お客様側の発信がその後、定着する文化のきっかけになる時代なのだ。では、そのお客様の間で広がる話題は何かというと、その多くが「誰かと誰かの共感」に基づいているということ。だから、僕は、SUGIZOさんや西川さんのようなメッセージを持つ人が、その口火を切ることの大切さを思うわけである。

 最初に話したとおりだけど、一流が一流たる所以は、そこに強いメッセージを持っているからではないかと思う。そして、今の時代の広がり方。そして何より、そうやって広がる活性化が世の中を良い方向へと導くとしたら、こういう発信が大きな意味を持つ。今一度、彼らが強いメッセージを持ち、行動し続けることが、これからの未来を変えていくことに繋がるわけである。エンタメが今何するべきか、そのヒントは彼らのその行動の中にある。

 今日はこの辺で。

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