カスに着目した SUS coffee その一杯にも地球への優しい配慮を
サスティナブルは物事の課題を浮き彫りにして、かつ商品企画のヒントをもたらしてくれるのかもしれない。国際 サステナブル ファッション EXPOでのことだ。何気なく「コーヒー『で』作りました」と言われて「コーヒー『を』作りましたでしょ?」と聞き返してしまったが、そのスタッフの言葉に間違いはなかった。本当にコーヒーのカスで作ったサスティナブルな雑貨であった。アイグッズという会社が出している「SUS coffee」という商品シリーズである。
コーヒーのカスに着目した雑貨
1.実はカスの廃棄も増加を辿っている
なぜサスティナブルだと言えるのか。実は、僕も知らなかったが、コーヒーというのは消費量が年々増加する一方で、抽出後のコーヒーカスの廃棄量も比例して増えているのだそうだ。しかもそれは温室効果の高いメタンガスを生成することから環境にも悪影響を及ぼすと言われている。その実態に目を向けてもらうための商品開発をと考え、また、それを有効活用することで、実践しようというわけである。
コーヒーカスを使うことで、プラスチックを削減できるのだそうで、それに合わせて製造段階から、環境への負荷を考慮し、生産管理も見直したそうだ。通常、エコを題材にしているものは割高だが、敢えて値頃感を持たせて提案しているのだと言う。
2.コーヒー雑貨にする事でより浸透しやすく
では何を作っているかというと、下記のような感じとなる。
左がコーヒーミルで焙煎されたコーヒー豆を粉砕するための機械。それをコーヒーのカスで作るという発想はおそらく日本初だろう。勿論、コーヒー好きに買って欲しいから、コーヒー雑貨を作って訴求するというわけである。
右はフレンチプレスであり、コーヒーとお湯を入れ、フィルターを押し沈めたら注ぐだけでできる機械。言うなれば、抽出器具とポットが一体化したものでこれであれば、手軽にコーヒーが淹れられる。
その色合いを活かすデザイン性を意識しており、マットなブラウンは部屋をシックに演出するインテリアにもなる。どちらも2500円(税抜)という価格設定で、サスティナブルにありがちな高価なイメージを払拭する狙いがあるそうだ。
3.もっと裾野を広げるために
そういうファンならではのものだけではなく、タンブラーなどに加えて、コーヒーカスをもっと身近に感じられるようにと、ノートなどの雑貨なども展開。「ものづくり」企業なりの地球にやさしい行動を身近に提案しているというわけである。
僕らの知らない実態というのはまだまだあるかも知れない。より時代が個になっていくに従い商品も個性を持って、何かしらの主張を持つ時代なのかも知れないという思いを持った。実は、地球環境などそういう課題を考えていくことが商品開発のヒントになるのではないかとも思った次第である。
今日はこの辺で。