お役立ち“文具” 秘密は クリップ 束ねてもバラバラにならない スライドノート
着眼点次第で“文具”は面白くなる。研恒社は、印刷会社でありながら、文具業界初の金属 クリップ 仕様のスライド式リングレスノート「 スライドノート 」を手がけている。既存の商品を少し着眼点を変えて作ったもので、そこには印刷会社ならではの愛と発想がある。
金属 クリップ 仕様の スライドノート 工夫された 文具
スライドバーと言ってよく会議でお見かけするはずだ。複数枚の紙資料の左端にカラーのバーを差し込みスライドさせて書類を挟みこみ束ねるアノ商品。クリアファイルとは違って、書類をさくっと束ねられ、中身も一枚一枚確認できる。
その商品自体はそれで十分便利だが、難点を言えば、スライドさせて挟んでいるだけなので、束ねる力が弱いわけである。それはそれで十分、世間でも使われているのだが、その束ねたものを見開いてノートにできるくらいに頑丈にしたのが、スライドノートというわけである。実は表紙も頑丈でかつ、中に金属クリップを入れることで、それがバラバラにならない様な設計になっているのだ。
特に便利さを実感するのは見開きで開いて、その中身の資料をコピーやスキャンしようとする時である。直ぐにバラバラになってしまうから、一回一回、それを取り外して、その作業をしていたに違いない。ところが、これであれば、見開いて束ねた資料にそのまま、書き込みができるくらいに頑丈。コピーもそのまま開いてできる。これ一つでバラバラだった資料がまとまりノートと遜色なく使えれば、束ねる以外の別の用途が生まれる。
研恒社という会社は実は印刷会社で、社長曰く、どちらかといえば、依頼されてものを作る側の人たちでしたと。ただ、彼らもそこに依存するのはよくないと、自らメーカー業にもチャレンジしている。ただ、その中で光るためには、彼らが色々な企業とのやりとりをヒントにして、自分なりのアイデア商品を出すべきだということになって、こうした視点の違った商品が出ているのはそれ故である。
印刷屋が日頃の下請けしながら考えたアイデアたち
この商品だってそうやって紙を使う機会における不便を彼らなりに解決しようという想いも見え隠れして、紙と印刷への愛を感じる。
ちょっとした視点で便利に生まれ変わるものである。上の写真はわかりづらいかもしれないが、めくる度、罫線の色が変わるというもので「73色の風景を包んだノート」。罫線の色は全部違って73色。これができるのも、同社が敢えて印刷の機械が稼働していない時間を使ったから。
色ごとにテーマがあって、それに合わせた色名がついていて、特別感がある。印刷を通してできる楽しさを彼らなりに追求しているわけだ。長年の知見は裏切らないし、それをベースにメーカー業に踏み出す彼らの勇気も合わせて讃えたい。何気ない日常を便利に、また楽しくさせてくれる彼らの発想と商品群にこれからも期待したいのだ。
今日はこの辺で。