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Amazon を世界企業に押し上げた「メカニズム」

 Amazon にとって大事な要素である、新規事業の創出一つをとっても、Amazonらしさが見え隠れする。熱量がある部分と冷静に進める部分が峻別され、見事に仕組み化されている。※Amazonのシンプルな考え方については、こちらも参照のこと。

 星健一さんは、「Amazonビジネス」を日本に持ち込んだ張本人だ。これはAmazonのBtoB事業であり、世界一の品揃えで、対企業向けに販売するもの。一つに購入先が複数、バラバラで煩雑になりがちな購買の部分をAmazonにまとめることで、購買や経理業務は改善されるなどのメリットがある。

Amazon の新規事業の現場は活気に満ちている

 そうした新規事業創出の現場は実は、熱量に帯びている。なぜなら、そうすることが「シンプル思考」に繋がっていくからだ。

 サービス立ち上げ時は、Amazonでは、詳細から詰めていくことはしない。必ず、前提となる部分から考えていき、それこそ代々AmazonにはTenets(テネッツ)と呼ばれる日本語でいうところの「信条」や「教義」という「考え方の礎」があり、そこに基づいてサービスモデルが設計、構築されていく。

 そこでは、メンバー全てがその提案の中身を理解できるよう、提案者はその頭にあるものを徹底的に開示し、シンプルにTenetsに落としこんでいく。

 「Amazonビジネス」の例で言えば・・

・「(BtoBで利用する)お客様が抱えている問題点は何か」

・「そのお客様の問題点を解決するにはどうすればいいのか、買っていただきやすいように、購買のプロセスを簡素化できないか」

・「このサービスの目的は何か」

・「Amazon側も、事業をする上でどう効率化を図り、この事業の成長を後押しできるか」など、

 数えきれないほどの項目を全て書き出し、何のためにこのサービスを提供するのかというTenetsを決めていく。そこで、初めて、次のステップの「アクションプランを立ててみよう」と着地する。

細部まで議論されるから仮説と検証も早い

 喧々諤々、大きな所から入り細部まで議論をしているからこそ一貫しており、業務の遂行に必要な役割の洗い出しも、適切な人員の配置も的確だ。何より配置された側もシンプルだからやることが明確で、目標設定もしやすくなる。また、Tenetsによって目的がはっきりしているからこそ、間違った方向に進みそうになったときに、ちょっと待て!と原点に立ち返り軌道修正することができる。

 恐らく、サービスをお客様に満足いくよう継続的に提供していく「メカニズム」、すなわち仕組みの一端を担うのは、極論、人でなくともいいのかもしれない。仕組みを考える過程で、人間がやらなければいけないこと、機械に任せて良いことは考える過程で峻別するはずだし、それで、機械の方が生産性を高めるのであれば、人ではなく迷わず機械を使い自動化するはず。それがお客様へのサービスの向上には近道だからだ。

 星さんが強調するのは、この「メカニズム」に長けたAmazonの企業文化である。Amazonと関わりがある企業なら、感じることだが、Amazonに対して(いい意味で)無機質で、淡々と作業をしているイメージを抱かないだろうか。でも、ここまでの話を聞けば、当然なことで、「淡々と作業ができるまでシンプルにしている」からなのであり、それが事業の成長を促しているのだ。

星さんに聞く「Amazonの戦略」はまだ続く

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