1. HOME
  2. News
  3. 小売DX学
  4. 物流・越境
  5. 通販とeコマース
  6. おまとめアプリ 開始が 楽天市場 にとって大きいと思う理由

おまとめアプリ 開始が 楽天市場 にとって大きいと思う理由

 こう来たか。そう思ってその話題を受け止めた。「 楽天市場 」は新たに「 おまとめアプリ 」をリリースすることを明らかにし、これは「楽天市場」の複数店舗で購入された商品の「まとめ配送」を指定できる機能を搭載したアプリ。奥が深い話だと思っていて、それは楽天市場がそもそも、店自体が各々個性を放っているが故に乗り越えられなかった壁を乗り越えたと思うからだ。店単位だから配送もバラバラでAmazonの様に複数の商品をまとめて届けるわけにはいかなかったのが、語弊を恐れず言えばそれが変わってようやく「追いついた」ということではないか。

楽天市場 地味でも大きな一歩 おまとめアプリ

 例えば、こうだ。ユーザーは、「楽天市場」の複数店舗で買い物をした後、このアプリ上で、対象の荷物の中から、まとめ配送を希望する複数の注文を選択し、日時指定すれば、複数の注文をまとめて受け取ることができる。設定した日時に荷物を受け取ると「楽天ポイント」を獲得できて、それを促進することができる。「楽天市場」の複数店舗で購入された商品のまとめ配送機能の提供は、今回が初である。

 これが、長年の楽天のボトルネックを解決するものであって、僕がそう思うのには、Amazonの存在があるからである。Amazonは自らが巨大なお店となることで(お店単位ではなく)商品単位で登録してもらえば、物流もAmazonという一つのお店の元に、全て集約できて、倉庫管理、配送の面で効率化を図れるし、それ自体が出品者とお客様の利便性となり付加価値となって、差別化要因になっていたからである。

 これが根本と言って良い。

 一方、今更いうまでもないが、楽天市場は、商店街のようにお店を多数並べて、買い物目的の人を集めて、集客力を高めてその価値を向上させている、「出店型」のショッピングモール。だから、店の看板も必要だし、そのブランディングも大事で、その裏側には、日本中にある「店」を引き立たせて、いかに活性化させるかに重きを置いている。それ故、最終的には店の個性が際立つことになって、実はAmazonとは大きく違う。

参考記事:ネット通販 を 開設 する前に 理解したい最低知識

 ただ難しいのは、楽天は「出店」する事を軸としているから、代々その物流は個々の店単位で行われるものだったわけで、Amazonの利便性には追いつけなかった。けれど、それが昨今、楽天が日本郵便との連携し、JP楽天ロジスティクスなどの会社ができたことでそれらを束ねるだけの自らがインフラとなれるに至ったというわけで、ここが重要である。

楽天と日本郵便
楽天と日本郵便(昨年の記者会見での様子)

 楽天は兼ねてより、日本全国の「お店の活性化」を意図しているから、それを貫きつつ、ようやく(と言っては失礼だが)お店を横断して取りまとめられることになって、このようなサービスができるようになったと言える。

 ずっと僕は正直、個々の個性を活かしながら、共通化することの難しさを楽天市場には感じていたわけだ。難しいだろうと。でも、理念は貫かれるべきなんだなと思ったわけだ。JP楽天ロジスティクスとなって、お店単位よりもっと大きなインフラを作ってしまえばいい。それによって、Amazonの巨大な店構想のもとにやっていた物流の効率化に追いついたんだなと。ここは規模の大きな話すぎて、正直、考えなかったことだ。

 いうまでもなく、「おまとめアプリ」により、何回も送り届けられるよりはお客様の利便性は高く、配送する側にとってもそれらが顧客のもとに集約されて、効率よく、また再配達のリスクを軽減することができるわけである。

 かつ、その上で僕が注目したのは、将来的には『この機能を「楽天市場」以外のECサイト運営事業者にも提供する』と彼らが説明している部分である。つまり、ここには楽天ファッションやラクマが含まれているのは言うまでもないが、恐らく、楽天以外のプラットフォーマーつまりは自社ECにも対応させてくることだろう。

注目すべきはもっと大きなプラットフォーマーを物流で目指していること?

 これが何を意味するかというと、すでに彼らはネット通販においてプラットフォームになれているけど、あくまでそれはショッピングモールという部分。でも、彼らは物流という手段を通して、それら全てのネット通販を巻き込む巨大なプラットフォーマーになれる事を意味している。勿論、昨今、宅配クライシスなどの動きに見られるように、物流自体の問題解決でありながら、着々と様々な視点からそのインフラとしての役割を広げ、その影響力を構築して、成長を遂げる楽天グループの本気が見て取れるわけである。

 冒頭、ボトルネックについても触れたが、試行錯誤の跡が見えるからこそ、彼ららしい。一言付け加えれば、モバイル事業もこうなるのだろうか。だとすれば期待したい。

 今日はこの辺で。

関連記事

145はマガジンは「ヒットの生まれ方と育て方を考えるメディア」。キャラクターなどのコンテンツ関連と新しい小売りの最新情報、商品開発の実態を追うメディアです。
詳しくはこちら
 本気で書くにはボランティアではできません。最初にメルマガplus=メディア会員(有料)を作りました。これからの成長も含めて力貸してください。
メルマガplus詳細

What’s New

Good feedback

検索