【体験】初心者ながらNFT出品してみた 悪戦苦闘も少し見えた NFT メタバースの未来
最近、NFTってワードをよく耳にするじゃないですか?それで、自分でもNFTを出品してみようと。別に儲けようってわけではなく、色々議論されているけど、やってみないと見えてこないこともあるのではないかと思ったわけだ。
NFT 出品するまで
1.NFTとは?
そもそもNFTとは何だろう?。簡単に説明するなら、Non-Fungible Token(ノン-ファンジャブル トークン)。かえってわからなくなりそうなので、噛み砕いて話すと、デジタル上の資産に唯一無二の価値を与えることなのだ。
例えば、リアルで言えば、ピカソの絵画などがそうで、あれは唯一無二だから、それを買い求める人が出てくる。デジタルのデータを固有のものとして扱い、限られた人にしか手に入らないようにする。要は、持ち主の名前が記載されるようなものだ。同じようにして、それができる理由はブロックチェーンという技術があるからで、そのリアルな絵画同様に、デジタル資産でありながら、誰から誰へと購入されているのかが明確になるというわけだ。
しかも、他の人の手に渡ったときに、それを作った大元のクリエイターにも何%か支払われるという仕組みも構築できている。転売をするという視点で鑑みても、この仕組みが画期的だと言われる所以だ。
2.NFTってどう作る?
では、その「NFT」はどうやって作られ、どう広がるのか。
具体的に言えば、それらは専用のマーケットプレイスの中でやり取りをされることで、誰の手に渡ったか明確にされる。一番、代表的なところで言うと「OpenSea」というサイトがあって、そこでやり取りされている。
3.LINEスタンプと並行してNFTを作ってみた
ならばこの「OpenSea」に作品を出してみようと考えた。知人のクリエイターu16さんに以前から、このメディア用に作った145chanというキャラがある。
それで新たな仕草のバージョンを作って、それを売り出そうと思う。それにあたって、僕はそのキャラでLINEスタンプも作ってみた。
なぜ、そんなことをしたかというと、敢えてLINEスタンプを作り、それを表舞台に立たせることで、NFTに出す作品は「LINEスタンプに未採用の世に公開されていないもの」感を出して希少価値をつけようと考えたからだ。どうせ出品するなら、そういう要素があったら面白いし、本来そうあるべきだと考えたからだ。
ただ、実際にはLINEスタンプで作ったイラストと同じイラストをNFT化して出すことは可能である。なぜなら、例えば、キャンバスに書いたLINEスタンプに使うイラストの原案があって、それをもとにスタンプを作ったとする。それをキャンバスとスタンプの両方販売するのと原理は同じだ。
売り方が異なるだけのことだ。それがすごいと思う。
ただ、多くの人が混乱するのは著作権と所有権は異なるから。確かに、NFTはその作品一個の持ち主を明確にするだけであって、著作権を与えるわけではないから、そのデザインをどこでも使っていいというわけではない。
参考:こうすればLINEスタンプになるの?とりあえず、キャラを何種か、作ってみた!
4.仮想通貨を手に入れるためにアプリ登録
ちなみにNFTに出品できる作品は何だろうと調べてみると、「jpgデータ」などの画像データに始まり音声データ等何でもよくて、誰でも出品ができるようだ。早速、出品、並びに販売の準備し始めたのである。
実際取り掛かってみると「NFT」のやり取りは日本円では行うことができないことがわかった。仮想通貨を使用しなければならない。うわー、人生初だな、仮想通貨を手にするの。僕は早速、「コインチェック」に登録をすることから始めたのである。
コインチェックは仮想通貨の取引所であり、仮想通貨へと換金できるアプリがある。勿論、それは現金を伴うものなので、セキュリティも考慮されて、口座開設にあたっては身分を証明する資料が必要だ。僕の場合は免許証を使ったが、その登録は便利。スマホのカメラを使って自らの顔写真とそこにある写真を使って審査をするので、手間も時間もかからないことに驚いた。
4.現金から仮想通貨にする
30分以内で完了。口座開設されるとコインチェックの指定口座に自分の銀行口座から振り込みをするだけ。
アプリ内では「販売所」というタブを選ぶと、色々な仮想通貨が並んでいて、これだけあるのか、と驚かされる。
「OpenSsa」で取引をするには、仮想通貨「イーサリアム」を使うのがベター。なので、販売所でETHをタップすると、今の相場が出てくる。
株みたいである。写真の相場の下のところをみると「購入ボタン」があるのがわかるだろう。「購入ボタン」を押すと、そこには「イーサリアムの購入」と書かれてある画面が出てくる。
そこで日本円で金額を入れれば、「日本円でイーサリアムを購入」とあるボタンがタップできるようになるわけだ。これでコインチェックに入れた金額の範囲内で換金可能。
4.なんだ?イーサリアムって
「コインチェック」上で日本円を「イーサリアム」に換金する為に、僕は日本円で2万円程度、コインチェックの口座に入れた。これは自分の銀行口座からコインチェック指定の口座に送金すると日本円のところにその数字が反映されるから、それを上記の通りイーサリアムを購入するというわけだ。これで換金完了。
ただ「OpenSea」で売買をするには、もう一つ、やらなければいけない過程がある。OpenSea用のお財布を作ることである。僕の場合は「メタマスク」というアプリを使ったのだ。
「メタマスク」に「コインチェック」で換金したものをここに送金することで初めてOpenSeaで取引が可能となる。
その送金の為には写真の通りコインチェック下部に「ウォレット」というタブがあるので、それをタップ。
すると暗号資産がずらりと並んでいるのでETHを選ぶと今の「イーサリアムの残高」が出てくる。それが下写真。
換金していれば、アプリ上にはそのイーサリアムの残高が表示され、その額を送金できる。だから金額を入れて、「送金ボタン」を押すわけだけど、この送り先が「メタマスク」である。
5.メタマスクのアカウントを作成すると
ちなみに「メタマスク」はGoogle Chromeでダウロードして導入する。ここで「メタマスク」アカウントを作成すれば、アドレスが支給される(Account1と書いてある下0x10e・・・と書かれているのがアドレス)ので、これを送り先に指定すれば、「コインチェック」から「メタマスク」に送金できるというわけ。
お金である以上、怖いのでいきなり高額で送るよりは、試しに少額で送ってから、トライした方が無難だ。
NFTのマーケットプレイスOpenSeaにアカウント作成
1.メタマスクに仮想通貨を入れてOpenSeaで売る
ここまで済ませた上で、「OpenSea」のサイトを開こう。ここではアカウント開設時に、ウォレットの指定が出てくるので、いよいよ「メタマスク」の出番だ。
そこで「メタマスク」を選べば、そのアカウントと連携して「OpenSea」でも自分のアカウントが作成できるようになる。もし、メタマスクの中に必要な残高が入っていれば、もう「OpenSea」でNFTを購入できるようになるわけだ。
あとは「OpenSea」の右上「Create」をクリックすると、データ(作品)のアップロード画面が出てくるので、そこに必要事項を入れれば、出品できる。
出品だけではなくそれを売ってみたいということであれば、その画面で引き続き「SELL」ボタンを押す。その作品に値付けができて販売できるようになる。ただし、販売にあたっては一番最初だけ、「ガス代」と呼ばれるお金を必要とするので注意しなければならない。
2.結構、出品にあたっては費用がかかる
先ほどのu16さんに作ってもらった、未発表の「145chan」を販売してみた。ガス代の支払いもイーサリアムだが、日本円にして8000円程度、かかっていたようだ。これは常に変動するらしい。
とにもかくにも、未発表の145chanのデータは出品された。これが、人生初めてのNFT出品である。
金額はよくわからないので、まず0.031ETHで販売してみた。日本円で1万円弱。幾らかを知りたい人は、このサイトで調べてみるといいだろう。その時で言えば、僕が見たときは0.01ETHで3894円であった。
ちなみに、冒頭話した通り、出品した作品を誰かが買ってくれた時には、売上の2%を手数料としてOpenSeaに支払うことになるけど、販売に際して設定した売値が自分に支払われる。その後は、もうその作品は一人歩きして、違う人からまた違う人へと渡っていく。先ほど、NFTのメリットとして書いた通り、その後、転売されてもその度に、自分で指定した売上の一部(%)も入ってくるのである。
3.別のイラストで出品
売れたのか?という声が聞こえてきそうだが、ごめん。正直、売れなかった。高すぎるのかもしれないな。こうやって適正価格を考えるといいだろう。
正直話してしまうと、売れなかったのが悔しいのでもう一品を出品してみた。が!慌てると良くない。もっと安くするつもりが0.0155ETHで売ろうとして、0.155ETHと打ち間違えて出品。つまり前より高く売ってしまった。もーーー!こんなことにならないよう、丁寧に価格設定をするのが良いだろう。
(後日談)また悔しかったので再度、別の未採用イラストで0.0155ETHで出品。それがこちら。似たような絵なのに、価格が見事にバラバラ。悪戦苦闘ぶりが見事に出ている。でもいい経験になった。苦笑。
買ってほしいとは言わないが、これが今回作成したページなので見てほしい。https://opensea.io/145chan
今は課題もあるが可能性もある
1.その煩わしさゆえ、日本のプラットフォーマーもNFTに
ここまで全体の流れがわかれば、なぜ最近、NFTプラットフォームが続々日本に出てきていているのかもわかるだろう。LINEや楽天などがそうで、それはいうまでもなく、下記の流れの通り、購入や販売するまでの手間が相当かかるからだ。
仮想通貨に換金して、それをウォレットに入れて、と複数のアカウントを経由して、それらが行われる。だから、彼らはその手続きの煩わしさに対しての自らのサービスの利便性の高さを訴求するわけであるが、逆にいうと後発なのでユーザー数は少ない。
関連記事:価値ある資産はデジタルにも Rakuten NFT の船出に想う
どちらかというと、彼らの場合、自分達の決済に紐づけて、経済圏の利用機会を増やしたいわけだ。ただLINE NFTで買ったNFTを楽天NFTで売ることは原則できない。結果、各経済圏の利便性の延長線上でNFTプラットフォームの囲い込み合戦が行われる事になるだろう。
ではNFTはどう使われるのか。小室哲哉さんが、TMネットワークの曲でNFTを出してそれを「つながり」と話していて納得した。NFTは限られた人にしか行かない。だから、繋がる証と考えれば、それがファンの間で広がっていく可能性はあるからだ。NFTはそんな意味で繋がる価値をもたらしてくれるものなのだ。
今日はこの辺で。