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価値ある資産はデジタルにも Rakuten NFT の船出に想う

 進化するデジタル世界は現実世界との合わせ鏡のようだ。例えば、リアルで価値を持つ絵画が売買されるように、デジタル上で価値を持つ固有の資産が、近々当然にやり取りされる。そのやりとりが活性化するほど、その為のプラットフォームは必要。そこで名乗りを挙げたのが楽天グループ。 Rakuten NFT のローンチイベントがあると言われ、僕は駆けつけたのだ。

NFT とは何か

1.デジタル上で固有の資産と認証する事でそれは価値となる

 まだピンとこない人も多いだろう。例えば、トレーディングカードで人気が沸騰すると、それはカード自体の作られている数に限界があるから、それに付加価値がついて、高値でやりとりされるのは想像がつくだろう。

 同じようにデジタル上でもブロックチェーンの技術によって、トレーディングカードのようなものが、それが固有の資産であると認識される。そうすれば、リアルのカードの枚数のように、決められた枚数しか行き渡らず、価値を持つわけである。

 よくNFTも富裕層で浸透しているのは、絵画と同じようなものだから。例えばピカソの「ゲルニカ」は世界で一枚しかないから価値がある。そうやって唯一無二の固有の価値をデジタル上に持たせるという原理がNFTにはある。

2.Rakuten NFT とは

 Rakuten NFTというのはそれを売買する為のプラットフォームである。当然、ここではコンテンツに関するものが中心となる。いつもは楽天とはEC文脈で取材する僕ではあるが、この日ばかりは、もう一つの顔「キャラクターコンテンツなどを追う身」としてその未来に関心を持って、この場に潜入した。

 聞きながら思ったのは、コンテンツの環境も徐々にネットとの関わりが増えているという実感。この日、ステージ上、煙の中から颯爽と現れたのは「ULTRAMAN」。

 前々からあるコンテンツだが実は、何年か前からNetflixでアニメ化されているのだ。逆にいうと既にファンは違和感なく、デジタルを通して、コンテンツに触れているのかもしれない。案外、コンテンツとNFTの間の親和性はもうすでに高いのかもしれない。

3.ULTRAMANのNFT にファンが熱狂するワケ

 「Rakuten NFT」を見ると、まるで「ULTRAMAN」のトレーディングカードのようなNFTが並んでいる。

 勿論、それは物理的に手にできない代わりに、デジタル上、声優の声が入っていたり、背景が動いていたりなど、違った形でファンの好奇心は駆り立てられる。先ほど話した通り、数に限りがあるものなので、ファンの気持ちはコンテンツの中身により、倍化するわけである。

 ちなみに、楽天グループとしては「Rakuten NFT」をやることの意味について「NFTの民主化」と謳っており、それは通常、NFTを購入するには仮想通貨でなければならなかったり、まだ敷居の高いものだからなのだ。

NFTの民主化

1.クレカがあれば購入できる

 そこで敢えて彼らは「楽天ID」を持ち、クレジットカード登録をして、NFTを選択して購入すれば、それがリアルの通貨と変わらない形で、それらが手にできるようにした。これが「民主化」の意図するところ。NFTをもっと身近に感じる機会を作れば、このマーケットの広がりを後押しできると考えているのだ。この日、ゲストに来てくれた歌手の鈴木愛理さんは「難しかったのが随分、誰でも簡単にできるようになったということですよね」とニッコリ。

 色々書いたがもう細かい理屈は抜きに鈴木さんのいう通り。理解としてはそれで十分だろう。これにより一部の富裕層ではない人にチャンスが回ってくる。

ちなみに、鈴木愛理さんが所属するアップフロントグループは音楽産業の新しい展開と成長を切り開くため、「Rakuten NFT」を通じてNFT活用に取り組むことを明らかにしていて、広がるほど、各社その動きに注目しているわけだ。

 さて、繰り返しになるが、デジタル上の資産に固有の権利を与えるもの。だから、勿論、デジタル上で作られたものが多いように思えるが、それがリアルを起源に持つものでも良いからその可能性が広がる。

2.リアルの資産もNFT化で価値を持つ

 この日、実はシークレットゲストとして、加山雄三さんが現れ、彼の作品もNFT化されることが明らかにされた。失礼ながら、デジタルに強いようには見えない。どういうことか?つまり、今から何十年も前に作られた、彼の名曲「お嫁においで」のデモテープが最近、出てきたらしく、その音源をNFT化して近く、販売するのだそうだ。これは貴重だ。世間に出る前の思いついた時の音源だから。

 その貴重さに目をつけたスタッフが加山さんに話をし快諾。「僕も新しいことは大好きだから、NFTになることになって嬉しい」。去り際に、NFTはNon-Fungible・・・と司会者に確認するあたり、そのチャレンジ精神旺盛なその姿に脱帽。いつの時代も絵になる人なのだ。

 つまり、このようにして、リアルで作られたものをデジタル上にのせて、NFT化して固有の資産として、一部の人たちの間でやり取りをさせることもできる。そうすると、この動きによって発掘される才能や作品が出てくるかもしれないという面白さを秘めている。

3.クリエイターも新しい価値で羽ばたく

 僕が個人的に期待しているのは、クリエイターと呼ばれる人たちの可能性が単純にリアルに作られるもの以外に、ネット上で価値を持ち、その才能が開花されることであり、一般社団法人アートパワーズジャパン山口さんの話していたことに興味が湧いた。

 そこでのキュレーターにより選ばれた人たちの作品を、いくつかのテーマごとに分けて、「Rakuten NFT」でNFT化させる取り組み。僕がキャラクター業界でライターをやっていた時代から、先進的な取り組みで僕も一目置いて、個人的にも親交がある「ザリガニワークス」の名前も入っていて驚いた。

 彼らは大真面目におふざけをするスペシャリストで、代表作は「コレジャナイロボ」。クリスマスプレゼントに子供が超合金のロボットをせがまれたお父さんが、木製で作ったという想定で作った手作り感満載のロボットで、子供が「これじゃなーい!」と叫ぶから、そういう名前がついている。こういうアブノーマルな楽しさを知る人たちが、NFTで何を仕掛けてくるか、本当に乞うご期待である。

ピカソとは言わないけど、才能がもっと羽ばたく土壌になれば

 このようにして、NFTが浸透するかどうかはまだ未知数ではある。しかし、リアルでピカソの描いた絵画が価値を持つように、デジタルでまだ見ぬ次世代のピカソが出てきて、そこで名を馳せるかもしれない。それどころか偉大でなくてもいい。もっと身近にそういう風にしてクリエイティブなやりとりが生まれることに、僕は注目したい。

 これだけ身近になれば、買ってみようかなと思わせる内容だった。この日、メディア向けセッションにきていた新川優愛さんが「もしコンテンツを作るなら愛犬のイラストかな」と話していたので、まず、僕はそれがNFT化されるその日を、心待ちにしたいと思う。

 今日はこの辺で。

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