行ってみた!“駅ビル”変貌 NEWoMan 横浜 メゾンカカオ
最近、商業施設のOPENが続いている。6月24日にデビューした NEWoMan YOKOHAMA (ニュウマン 横浜 )にきた。高級感と格式の高さを感じて“駅ビル”の変貌を見た。そして、リアルの重要な要素に気づかせてくれた2つの店舗を紹介したい。一つは「MAISON CACAO( メゾンカカオ )」。もう一つは『UNDERSON UNDERSON』である。
天皇の即位の礼に配られるほどの逸品
1.ジュエリーのようでチョコである
「MAISON CACAO( メゾンカカオ )」は、まるでジュエリー売り場のような煌びやかさ。生チョコの入りの綺麗な箱が並んでいる。その洗練された空気とハイソサエティな雰囲気。それとは裏腹に、スタッフの方々の話ぶりや表情は実にアットホーム。歴史があるのかと思えば、この店は鎌倉発祥でまだ5年。百貨店などにありがちなお菓子売り場の一角ではなく、独立してしっかりお店を構えていて、その本気度がうかがえる。
スタッフ自らのお気に入りは「生ガトーショコラ」。その味は、小麦粉を使わず生チョコレートをそのまま焼き上げたもので格別。天皇陛下の「即位の礼の儀」で海外の首脳陣に配られたもので折り紙付きだ。
注目すべきはブランドチョコの箱である。そのまま飾っていてもインテリアとして馴染むほどの洒落た箱。
お菓子の一角スペースではない理由がわかった。そこには、カカオバターを入れたヘアオイル、ボディオイル等があったからだ。つまり「コスメ」も展開している。更には、ドレッシングに相応しいカカオ風味の「お酢」なども用意。そして、18時以降は一部エリアがBARになる。 生チョコとアルコールを含むドリンクのペアリングを提供するとか。守備範囲が広さがこのお店の売りである。
2.カカオへのこだわりを生で伝える
話を聞いていて共通しているのは何だろう。それは、ブランド名でもある「カカオ」へのリスペクトである。それを示す際たるものが手作りのバッグ「VERDI バッグ 」。
カカオの原産地コロンビアの魅力を伝えたい。そんな意味合いで、カカオに多く含まれる銅を繊維にし作ったバッグだとか。コロンビアの伝統工芸品をモチーフにしている。
つまり、コロンビアは彼らにとっても馴染みの深い場所。自社農園を持っていて、そのカカオを原料として、先程のこだわりの数々が生まれているのだ。
なるほど。このお店が伝えようとしているのは文化なのだ。想いなどを感じて、相応しいディスプレイで触って実感。チョコを売り込むというよりは、文化を伝えるその姿勢に惹かれた。
和紙に着目、付加価値のある洋服提案
1.和紙からできた糸?
その他、『UNDERSON UNDERSON』というお店も文化を彷彿とさせる要素がある。
店の正面には可愛らしいぬいぐるみが置かれている。これらは全て和紙からできた糸で編んでいる。つまり、この仕様こそが彼らのメッセージ。日本古来の伝統と特許技術が紡ぐ素材「WASHIFABRIC™」である。メンズ・レディース・ベビーに向けた肌と環境にやさしい肌着を展開。ルームウェアや雑貨などで丁寧で伝統を重じる格式高い暮らしを提案する。
様々な商品が置かれていたが、全て和紙が起源である。
2.何故和紙にこだわるのか?
「和紙は吸水性に優れていて、通気性や速乾性があるので、素肌との相性も良いのです。」
和紙にこだわる理由について、そう言って教えてくれた。実際に、通常の洋服との違いを実際に水に浸して教くれたのだが、下の右写真:左の素材のがそう。水を垂らした瞬間の反応が違っていて、通常素材だとはっきり水が見える。
確かに、和紙を基にした方が、湿っているのが薄くなるのが早い。おそらく相性が良いのはアンダーウェア。だからそれを軸にしながら、素肌にニットを着る提案もしていた。そうやって、バリエーション豊富に和紙の魅力と共に、商品を販売していて、僕は初めて和紙の違った魅力を知って、胸が高なった。
NEWoMan 横浜には検索ではたどり着けない発見があって、それこそが商業施設が果たすべき役割。だから、これからは商業施設のその目利きが大事である。一方で、ものづくりの現場は誇りを持って、それを貫けばその店の姿勢と相まって、お互いに良い相乗効果をもたらす事だろう。
(関連記事)ニュウマン 横浜(前編)