“ハローキティ ロボット”誕生 NTTの技術とサンリオの愛らしさで人々が繋がる
テクノロジーの価値を最大化させるのに、キャラクターが一役買う事になりそう。先程、サンリオとNTT東日本が会見を行い、「ハローキティ」のロボットの販売を開始する事を明らかにした。NTT東日本が同席しているのは、これまで同社が「sota」というロボットを通じて、具現化してきたテクノロジーの最新鋭を、ハローキティのロボットを通して最大化させるものだからである。
ハローキティ ロボット キュートに人と繋ぐ
1.コミュニケーションロボの必要性
論より証拠。こちらが「ハローキティ ロボット」である。
結構、喋るので驚いた。身長33cmで、それ自体が声を出して、企業の受付で応対をしたり、高齢者施設や子供の集まる場所でゲームなどを交えながら、リクリエーションをする、といった具合。どこへ行ってもキティちゃんは働き者である。
元々、これらのベースとなるシステムは既にNTT東日本が「Sota」というロボットを通して、構築されている。そもそも同社にはロボコネクトという構想があり、コミュニケーションロボット向けの音声認識、音声合成機能を提供しているのである。
Sotaは結果的にコロナ禍で、非接触、非対面での業務効率化や人手不足などで昨今、注目され始めてきたところではあって、まず、そもそも、こういうシステムの基盤がNTTグループで構築し、存在していることに僕は驚いた。
2.コミュミュニケーションロボの中身
・声にリアリティ
さて、どんな技術を活かしたどんなコミュニケーションなのか。特徴をあげるなら大きく2つあるように思う。一つは「声」。コミュニケーションをする上での肝となる音声に関して、NTTグループがAI関連技術「corevo」の中で、音声合成技術をもっていて、人間の声に遜色のない自然な音声を出すことができるのである。
だからハローキティ ロボットとして、ハローキティの声を忠実に再現できるのであって、サンリオが注目したのは、場面や文言に応じた感情表現も可能だとする自然な声質なのである。
・対話にリアリティ
もう一つは「対話シナリオ」。本来、この手のロボットであれば、収録された音声では決められたセリフしか話せないことが多い。ただ、ここでもNTTの音声合成技術を活用することで、対話シナリオを自由にカスタマイズして、その会話に幅を持たせることができるわけである。
だから、ハローキティ ロボットはプレゼンテーションをすることが可能であって、例えば、MicrosoftのPowerPointと連携させ、スクリーンモニターを使えば、その内容を説明してくれるプレゼンテーターの役目を担ってくれるわけである。
また、タブレットを横に置いて、それとハローキティロボットがれんどうして、声、文字、画像と連携しながら、各種、インフォメーションカウンターなどで案内役もこなしてくれるということになる。
また今の時代らしく、検温の呼びかけや、測定結果の案内もしてくれるなど、用途の幅は広い。
3.NTTとしてもそこに進化の可能性を見る
彼らが見ているのは、人手不足の世の中で、少しでも効率よく、人に笑顔をもたらせないかということ。子供施設などで率先して、ゲームなどを通して、子供たちの創意工夫を育てるとすれば、こういうキャラクターのもつ可能性は大きく、NTTとしては今まで培ってきたノウハウを、幅広い提案に繋げて、裾野を広げていける。
また利用シーンが広がる事で、それだけ対話が生まれ、蓄積されるデータが充実する事になるので、元となっているシステム自体が応えるニーズも多様化して、サービスそのものの充実につなげることができる。
サンリオはコミュニケーションを礎にしてきた企業であり、様々な場面の会話のきっかけにキャラクターが使われるのは、戦略上、必要な動き。上記の通り、働く環境の改善になれば、それも大きい。今はBtoBの企業向けの提案ではあるが、会見ではBtoCのお客様向けも、将来的には考えて行きたいとほのめかすなど、期待がかかる。
現状では100台、普及させることを念頭に、企業や様々な場所にウェブなどから問い合わせができる環境を整え、呼びかけをしつつ、その可能性を模索する。NTTグループが研究開発するテクノロジーの最新鋭はハローキティの手を借りることで、新たな局面を迎えた。テクノロジーの価値を最大化させるのに、キャラクターが一役買う事になりそうというわけで、コミュニケーションはキャラとともにまだまだ進化していく。
今日はこの辺で。