よしもと芸人が au PAY マーケット「ライブTV」の 生配信で躍動する理由
何気なく、僕がした質問に「au “ぱい” マーケットは・・・」鬼塚トマホークの酒井さんが、その返事で噛むなり「おい!なんの配信だと思ってんだっっ」皆から総ツッコミ。この賑わいこそ真骨頂だ。「au PAY マーケット」のライブコマース「ライブTV」における発表会でのこと。その中のコンテンツ「生配信!よしもと市場」は4年目に入ったが、あらゆる要素を笑いに変える、芸人たちのこのサービス精神にこそ、それが続いた所以があるのだろう。
商品に光を当てる場であるために
そもそも「ライブTV」はau PAY マーケットで販売される様々な商品を背景に、商品を紹介するライブコマース。「ライブコマース」の魅力は、テレビ通販とは異なっていて、双方向のやり取りにある。この双方向が重んじられるから「生配信!よしもと市場」という枠組みでは、彼らの芸人の価値が引き立つわけである。
「au PAY マーケット」はもともと、多くの出店者が集まるショッピングモールである。だから、すでに商品という素材は集まっている。でも、売り場を提供するだけではだめだ。その価値とは何か。それを活かす使命もあり、それこそが、商品を掘り起こして、“編集”する力である。
その中で肝煎りでスタートしたのが「ライブTV」。auの名のつくサービスは、通信の品質が土台にある。そこに誇りを持っているからこそ、ライブ配信へのこだわりが強い。彼らの心意気を示すのが「ライブTV」であり、その真価を発揮しているのは「よしもと芸人」というわけなのだ。
参考:よしもと au PAY マーケット による「ライブコマース」への挑戦 次は 5時間ぶっ通しの生配信
au コマース&ライフの中森健二さんによれば、番組の配信回数は300にも及ぶ。単純に、ライブコマースだけではなく、それが旅番組の要素であり、賞レースの楽しさも持っている。実現できた理由は、よしもととのタッグのおかげであると説くわけだ。
「ライブTV」で引き立つよしもと芸人
あらゆる要素を笑いに変える、芸人のサービス精神は、ライブコマースではとことんプラスに作用する。「生配信!よしもと市場」は4年目となり、新たに提案するのは、新しい2つの番組。
一つは「ガチ自腹で大恩返しショッピング」。よしもと芸人が日頃の感謝を込めて、お世話になっている人にギフトする。注目すべきは、ガチで自腹というところで、トレンディエンジェルの斉藤さんは、50万円使うと豪語した。(ホント?)。
芸人ゆえ、生き様もまた売りだし、それもまたコンテンツとして面白い。サバンナ八木さんは、家を買ったというのに、自分にレギュラー番組がない。
でも、(カラフルなバッグを手に)嫁にデザインしてもらって、『ブラジルバッグ』を作ったのだという。それで営業先で配った結果、営業ランキング3位に。家のローンを払えるようになったから、家族にガチ自腹を切るのだ。
「家族の前に、ブラジルに自腹切ってください」というツッコミにはウケた。笑。
もう一つは「下剋上お笑いGP」である。ベテラン芸人と若手芸人でのお笑い賞レース。ユニークなのは両芸人の差が10年であればいい。だから、そのバトルの中には「スリムクラブ」VS「チャンス大城」も。円熟味を増した者同士のベテランと若手の賞レースである(笑)。
商品を土台に、全く新たなエンタメを作り出しているといえよう。
ライブコマースとお笑いの親和性
冒頭、何気なく、僕は質問したと書かせてもらった。その質問の意図は、「ライブコマースとお笑いの親和性がいかほどか」。それを確認したかったからなのだ。
質問の中身は、こうだ。この日は、東京・新宿の「ルミネ the よしもと」で発表会を行った。
ここもかれらの舞台である。この舞台やテレビ、そしてライブコマース。それぞれフィールドは、彼らにとってどう違うもので、ライブコマースはどういう位置付けなのだろうかと。そして「ライブTV」に出演し、年月重ねることで実現できたことは何か。それを聞いたわけである。(少々、真面目に質問しすぎたかなと反省。)
それで「au “ぱい” マーケット」で総ツッコミを受けた後で、鬼塚トマホークの酒井さんがこう話してくれた。
最近は、テレビも制約が多いし、舞台でもクレームを言われることだってある。そういう世の中にありながら、「au PAY マーケット」の生配信は、無制限に色々やらせてくれると。
「だって、次のゲスト、プラス・マイナスの兼光さんですよ!(相方の岩橋さんがよしもとを離れたばかりなのに)」。結構、攻めたキャスティングすらOKにしてくれる。
ネットであり、関係性が構築されているライブコマースの温度感で、かつ締め付けも厳しくない。だから、舞台やTVよりも自由に自分の力を発揮できているわけである。これって新しいマーケットだなと思ったのである。
なんでも笑いに変えられることの凄み
また、それは、内容面でもおなじく発揮される。商品説明にあまり時間を割かずに、とにかく面白く商品を扱ってくださいというスタンス。視聴者が面白がって、買ってくれたらそれでよしと。
ライブコマースならではなのは、視聴者がコメントをダイレクトに寄せること。それに関してのエピソードもこうだ。「この間も二丁拳銃の小堀さんが出ていたんですけど、『この薄汚い人誰や?』って書かれていて(爆笑)」。
「それでも、僕らは笑いに変える」と。
ここがライブコマースで発揮されている彼らの底力である。ある意味、咄嗟の反応が必要な分、テレビよりも難しいかもしれない。若干、毒づいたものすらも、あるから。でも、笑いに変える力が彼らにはあって、和やかにする。
それが番組ならびに、商品への関心も増していく。立ち上げの当初も取材させてもらっているし、正直、僕には、芸人の才能が、商品を売るというところにどう直結するのか見えづらかった。けれど、彼らの話を聞くに、むしろ、ライブコマースでこそ、お笑いの真価は発揮され、親和性は高いと痛感した。
繰り返しになるが、それは、笑いに変えるセンスである。瞬発力が大事なライブコマースでこそ、活きるのである。そして、躍動するのは、彼らを支える現場があってこそ。ライブコマースをやる全ての人に、芸人と運営側、その関係性はヒントになるだろう。
今日はこの辺で。